オペレーション・フォーチュンの映画専門家レビュー一覧
オペレーション・フォーチュン
ジェイソン・ステイサム&ガイ・リッチーの5度目のタッグとなるスパイアクション。100億ドルで闇取引されるヤバいブツ“ハンドル”回収の任務を受けた英国諜報局MI6の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュンは、即席チームを率いて行動を開始する。共演は「チャイルド・プレイ」(19)のオーブリー・プラザ、「キャッシュトラック」のジョシュ・ハートネット、「ジェントルメン」のヒュー・グラント。
-
映画監督
清原惟
ずっと平熱のままという感じがする、不思議なスパイ・アクション映画。最新のハッキング技術やAIがモチーフとして多用されるけど、なんだか少し胡散臭かったり、捜査に協力させられる有名俳優の素顔が、どことなく自信なさげなのも、スパイ映画の定石を踏んでいるようで、まったく別の解釈をしているような感じがした。爆発もカーチェイスもあるけど、ラブロマンスはなくて女性スパイが格好良いのがよい。絵空事のようなスパイ映画だけど、アクションする肉体は真実味を帯びていた。
-
編集者、映画批評家
高崎俊夫
ガイ・リッチーは少年時代に「明日に向って撃て!」を見て映画を志したが、劇中であからさまなオマージュを捧げているシーンがあり微苦笑を誘う。そんな遊び心、ユーモアが随所にあり、最近の末梢神経を刺激するだけの大味なアクション大作が目立つJ・ステイサムの中ではかなり楽しめる。冒頭からマクガフィン風に登場する“ハンドル”なる謎のアイテムをめぐるハイテクによる攻防戦もいかにもイマ風ではある。ロマ・コメで鳴らしたヒュー・グラントが演じる悪役ブローカーが笑える。
-
映画批評・編集
渡部幻
「ジェントルメン」「キャッシュトラック」に感心したガイ・リッチーの新作。後者で組んだジェイソン・ステイサムの映画は粒揃いだし、前者で組んだ近年のヒュー・グラントは突き抜けている。ウェルメイドな娯楽職人の少ない昨今にあって、つい観てしまう貴重な英国の人材。今度の出来は前作よりも平凡だが、収穫はオーブリー・プラザで、スクリューボール・コメディ的な演技センスが光っていた。今月の他の3本とは違って、リッチーとステイサムには「型通り」にも「芸」があるといえる。
1 -
3件表示/全3件