ゴールデンカムイの映画専門家レビュー一覧

ゴールデンカムイ

明治末期の北海道を舞台にアイヌの埋蔵金を巡るサバイバル・バトルを描き、多くの賞を受賞したベストセラーコミックを実写映画化。日露戦争の英雄・杉元、陸軍第七師団の鶴見中尉、戊辰戦争で戦死したはずの土方歳三が莫大な金塊を巡り三つ巴の争いを始める。出演は、「キングダム」シリーズの山﨑賢人、「ひらいて」の山田杏奈、「東京リベンジャーズ」シリーズの眞栄田郷敦。監督は、「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭。
  • ライター、編集

    岡本敦史

    大変な意気込みで作られていることはわかる。アクションシーンは目を見張る出来映えだし、雪景色のロケ撮影がもたらす映像的説得力も大きい。アシリパ役の山田杏奈も最良の配役だし、矢本悠馬のなりきりぶりにも感心。ゆえに、全篇漂う「なりきれてない」上っ面感、山粼賢人のミスキャスト感(不死身に見えない、「キングダム」と区別がつかない等)がどんどん雪だるま式に見過ごせなくなってくる。大事な「オソマ」のくだりで、ユーモラスとギャグを履き違えた演出も残念だった。

  • 映画評論家

    北川れい子

    キャラクターは出揃った。各自、それぞれの野心と目的で、北海道のどこかに隠されているに違いないアイヌの埋蔵金を巡り、三つ巴、いや四つ巴の争奪戦。ではあるが本作、まだホンのプロローグにすぎず、えっここで終わっちゃうの? 主人公である“不死身の杉元”の行動が、いささか成り行きまかせなのは、障害物競走仕立てなので当然だが、キャラの顔見せ篇にしてはいずれの人物も人騒がせなだけに見え、「キングダム」シリーズにおける大沢たかお級の大物が不在なのが物足りない。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎

    原作未読につき実写化への不安も期待もなかったが、まるで70年代の牧口雄二が撮ったかのような荒唐無稽さとアクションの混在を愉しむ。ヒグマ襲撃から脱獄犯とのくだりを経て終盤のチェイスまで、丹念にアクションを積み重ねていきながら活劇と笑いで見せきることに徹した作りも好感。山粼がベストアクトを見せ、アイヌを演じることの可能性を示した山田も良い。最近は終盤になると次回作へ全フリする大作が多いが、きちんとオチをつけて次へとブリッジをつける本作は良心的。

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