ゴールド・ボーイの映画専門家レビュー一覧

ゴールド・ボーイ

    中国のベストセラー作家ズー・ジンチェンの小説を映画化したクライム・エンターテインメント。事業家の婿養子、東昇は、自らの欲望のため、義父母を殺害する。だが偶然、その現場を13歳の少年たちが目撃。東昇を強請り大金を手に入れようと画策するが、……。出演は「ゆとりですがなにか インターナショナル」の岡田将生、「キリエのうた」の黒木華、「リボルバー・リリー」の羽村仁成、「沈黙の艦隊」の江口洋介。
    • ライター、編集

      岡本敦史

      本来なら「岡田将生のとんでもない悪人ぶりに目を見張る犯罪映画の快作」ぐらいの最小限の予備知識で劇場に走ってほしい映画である。10代のキャスト陣からもプロフェッショナルな芝居を引き出す手腕はさすが金子修介監督で、特に羽村仁成が不敵でイイ。完全犯罪にどんでん返しも盛り込んだ欲張りな内容ゆえ、多少強引な部分もあるが、「このためだったか!」と思わせるラストはやっぱり気持ちいい。金子監督がこういう意欲的な娯楽作をどしどし撮れるのが健全な映画界の姿であろう。

    • 映画評論家

      北川れい子

      気色悪さを楽しむ映画と言えるかも。ルーツはさしずめ、アメリカの傑作サイコスリラー「悪い種子」(56年)? 一見愛らしい少女が、冷酷で狡知に長けた殺人鬼だったという話。本作では数字が得意の優等生少年がそのキャラで、仲間と殺人事件を目撃、その犯人を脅迫しようとして逆にさらなる犯罪に加担、その上、仲間を裏切っての二転三転。何やら韓国のこってりしたクライム・サスペンスの雰囲気も。童顔の羽村仁成の何食わぬ顔がスリリングで北村一輝も江口洋介もまったく形無し 。

    • 映画評論家

      吉田伊知郎

      ここ10年は金子修介の手腕を生かすには映画のスケール不足を感じることが多かったが、犯罪ジュブナイルの本作で久々に本領発揮。大人たちの大きな物語を片方で描きつつ、少年少女の描写に魅せられる。殊に羽村と星乃が手を繋いで走る瞬間が忘れ難く、金子映画のヒロインベストを星乃が更新する姿を好ましく眺める。岡田の悪辣な存在も見事に映えさせるが、一方で残虐描写は韓国映画と言わないまでも、ヒリヒリする痛みが欲しい。微温的にとどまるため終盤の展開は物足りなくなる。

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