キングダム 大将軍の帰還の映画専門家レビュー一覧

キングダム 大将軍の帰還

春秋戦国時代の中国を舞台にした原泰久原作の漫画『キングダム』の実写映画化第4弾。秦と趙のすべてを懸けた馬陽の戦いで、敵将を討った信と仲間たちの前に、趙国の総大将・ほう煖が突如現れる。その圧倒的な力により、飛信隊は次々と命を落としていくが……。信役の山崎賢人、えい政役の吉沢亮、王騎役の大沢たかお、河了貂役の橋本環奈ほかレギュラー陣に加え、前作から登場した、ほう煖役の吉川晃司、李牧役の小栗旬らが続投。謎多き将軍摎(きょう)役で新木優子が新たに出演。監督は、シリーズ全作を手掛けている佐藤信介。
  • ライター、編集

    岡本敦史 |キングダム 大将軍の帰還

    吉川晃司無双と大沢たかお歌舞伎が火花を散らす場面はずっと面白い。両者が戦場のド真ん中で繰り広げる一対一のバトルと、馬陽の戦いに決着がつくまでの一大スペクタクルは、確かに入場料の元は取れる見応えだ。とはいえ、そこに至るまでが長い。冒頭はツイ・ハーク作品も思わせる吉川アクションで魅了するも、中盤はファンフレンドリーに徹するがゆえ省略できない部分が多く、かなりの忍耐を強いられる。主役の影の薄さもシリーズ随一だが、見せ場は最高という評者泣かせの一篇だ。

  • 映画評論家

    北川れい子 |キングダム 大将軍の帰還

    今回もスペクタクルな戦闘シーンに因縁のある人物やそのエピソードを絡ませて進行するが、際立って魅力的なのは、大沢たかおが演じる大将軍・王騎の冷静かつ圧倒的なリーダーシップ。「キングダム2 遥かなる大地へ」の終盤に登場したときも、不敵な笑みを浮かべて大合戦を俯瞰していたが、その王騎が中華統一を目指す秦国軍を率いて戦う本作は、です、ます調の台詞といい、小事に拘らない大局的な戦術といい、実に鮮烈で、さしずめ大沢たかおのワンマンショー! あっ、吉川晃司の怪演にも拍手。

  • 映画評論家

    吉田伊知郎 |キングダム 大将軍の帰還

    もはや王騎を眺めることが最大の目的となっていた本シリーズ。作を重ねるごとに王騎役の大沢たかおが、とんでもない肉体と演技にバージョンアップしていく。これまで後方に控えてきた王騎による肉弾戦と饒舌な語りが中心となる本作には大いに満足するが、女優陣の扱いは薄い。清野は相変わらずアクションで際立つとしても、橋本、長澤、佐久間は突っ立っているだけで顔見世以上のものではなく、摎役の新木優子の細い身体と腕は、原作もそうだからとは言え、実写では説得力に欠ける。

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