告白 コンフェッションの映画専門家レビュー一覧

告白 コンフェッション

福本伸行・原作&かわぐちかいじ・作画の同名漫画を山下敦弘が映画化したヒューマン・サスペンス。親友の浅井啓介とリュウ・ジヨンは、16年前に事故死した大学山岳部の同級生・西田さゆりの慰霊登山中に遭難。死を覚悟したジヨンは、自分がさゆりを殺したと浅井に告白するが……。出演は「渇水」の生田斗真、「あゝ、荒野 前篇/後篇」のヤン・イクチュン。
  • 文筆家

    和泉萌香

    後味が最悪な(素晴らしい)原作でのキャラクターは日本人男性二人だったが、今回最初に「告白」をするのは韓国人男性に。あのオチがあるにしても、人外生物のような執拗なアクションに「シャイニング」的シーンなどなど、漫画ならば良いが実写だとキツいし、バタバタ動き回るせいで、せっかくの山小屋=密室という舞台も生かされていない。生田斗真とヤン・イクチュンならば、がなったり(「うるせえよ」と本人に言わせてしまっているし!)しなくとも凄みたっぷりだったはず!

  • フランス文学者

    谷昌親

    中盤からはホラーの色合いが強くなるが、サスペンスやミステリーの要素も盛り込んであり、山小屋の空間の使い方にも工夫が見てとれ、映画的な感興をそそる仕掛けは充分にある。ただ、おそらく密室劇にすることにこだわったからだろうが、既視感のある状況設定と人間関係があまりにも寸劇的に描かれる結果になってしまった。雪山での登山、山小屋で過ごす夜の時間の経過、そうしたなかで徐々に変化する人間関係、それらが描かれていれば、作品としての味わいが増したかもしれない。

  • 映画評論家

    吉田広明

    山小屋での密室劇、二人しか登場人物がいないのでこれだけの上映時間になったのではあろうが、しかし掘り下げはすべきだったのでは。取り分け奈緒の人物像は通り一遍のものでしかなく、決定的な難である。この造形の浅さが、どんでん返しによる事件の真相開示を白々しいものにしている。人物造形の難は二人の一方を韓国人にした点にも現れており、韓国人だから日本人に対しコンプレックスを持っているという設定には不快なものを感じるし、そもそも現在もはや成立しないだろう。

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