ジョン・レノン 失われた週末の映画専門家レビュー一覧

ジョン・レノン 失われた週末

ジョン・レノンがオノ・ヨーコと別居し、個人秘書メイ・パンと過ごした“失われた週末”と呼ばれる日々をメイの視点で語るドキュメンタリー。1973年秋から75年初頭にかけてのジョンの姿を、貴重なアーカイブ映像やプライベートな写真などを交えて描く。2022年トライベッカ映画祭正式出品。
  • 俳優

    小川あん

    世界的スーパースターにはさまざまな事情がある。マスメディアはそれを暴くことを試みるが、切り取ることのできない一面が存在する。恋愛事情を追いかけようとするも、愛の具体的なかたちや中身は知ることはできないのだ。メイとジョンの間に確かな愛があったことを明らかにし、失われた時間はやはり存在したことを再確認するために、一つ一つの記憶から手繰り寄せて制作したように見えた。それにしては(あえてかもしれないが)、観客と共有できる具合にポップに再構築されている。

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    ジョンとヨーコが別居していた期間は「失われた週末」と呼ばれているそうだが、いったい誰にとって「失われ」ていたというのか。この時期を彼と過ごした女性がみずから口を開き、さまざまな誤解を解く。ジョンの先妻も現妻もからむ複雑怪奇な関係もさることながら、ビートルズの元メンバーからM・ジャガー、D・ボウイまで登場する活気ある日々はまぶしいばかり。ジョンの人物像と愛の物語が、豊富な映像資料でテンポよく語られる。でも、悪役にされてしまったヨーコにも言い分はあるよね。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    ジョン・レノンがオノ・ヨーコと別居していた18カ月間の時期にレノンと同居していた中国系アメリカ人メイ・パンの証言で描く新たなレノン像のドキュメンタリー。彼女の赤裸々な証言で語られるレノン、マッカートニーから多くのアーティストの私生活が新鮮で、ロック史が少し塗り替えられるインパクト。貴重な証言映像、プライベート写真に加え、アニメを効果的に使った映像編集も見事。ただし、あくまでパンの視点であり彼女に都合よくまとまりすぎではと。オノ・ヨーコがこれを見たら怒り狂う予感が。

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