チャレンジャーズの映画専門家レビュー一覧
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俳優
小川あん
前作「ボーンズ アンド オール」に続き、主演俳優がプロデューサーも兼任する製作スタイル。なにかと注目・期待されているルカ・グァダニーノ、主演はゼンデイヤ。いろんな意味で絶対的に面白くないわけではないんだけど、問題は捻くれた視点で作品を見てしまうこと。汗が滴るスローモーション。両脇に男を抱え、もみくちゃになるタシ。会場が吹っ飛ぶほど激しすぎる台風。決闘を睨むタシ。そう、少しスクリーンから距離をとりたくなるほど圧が強い。ゼンデイヤが歩くと、嵐すらも避けそうだ。
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翻訳者、映画批評
篠儀直子
同じ女を二人の男が同時に愛する映画といえば、男たちこそが愛し合っているように見えることが多いのだが、その最もあからさまな例かも。対戦する二人はやがて完璧な相互理解へと至る。では女の立場はと言いたくなるけれど、この映画のゼンデイヤはこれぞ本領発揮で最高で、コートの中のゲームも外のゲームも彼女が支配しているのだった。テニスボールの主観ショットまで登場する、技巧満載のクライマックスの愉快さ。映画が進むにつれどんどんなじむ、レズナー&ロスのテクノ風電子音楽もよき。
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編集者/東北芸術工科大学教授
菅付雅信
ルカ・グァダニーノ監督作で今や時代のファッション・アイコンであるゼンデイヤ主演。3人の男女のテニス選手の十数年にわたる複雑な三角関係を描く。物語はノンリニアな時間の流れをモザイク状に組み合わせ、最後の男二人のテニス対決という山場を迎える。ハイスピードカメラを含むカメラワークが秀逸で凝った編集も加わり映像力としては傑出した出来。グァダニーノ映画としては面白すぎる仕上がりだが、グァダニーノ映画にエンタメ以上のものを求める者には物足りない。
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