アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師の映画専門家レビュー一覧
アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師
「カメラを止めるな!」の上田慎一郎が韓国のテレビドラマ『元カレは天才詐欺師~38師機動隊~』をリメイクした犯罪コメディ。税務署員の熊沢二郎は、天才詐欺師・氷室マコトと共に脱税王を追い詰めるため、詐欺師集団“アングリースクワッド”を結成する。出演は「劇場版 きのう何食べた?」の内野聖陽、「ラストマイル」の岡田将生。
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文筆家
和泉萌香
ネトフリ作品にはまったく疎い筆者でも耳にするドラマ『地面師たち』が流行ったタイミングでの詐欺集団映画は吉と出るか凶と出るか。詐欺集団と脱税王の二、三転する攻防戦を期待したが絶体絶命のピンチもなくクライマックスまで進んでゆくが、内野、岡田、小澤のキャストはハマり役。安心感ある娯楽作だが、もともとは人気スター主演の韓国ドラマがオリジナルとのことで、我々も年々高くなっていくあらゆる税金に苦しめられ中とはいえ、わざわざリメイクする必要があったのか疑問。
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フランス文学者
谷昌親
詐欺師が活躍する犯罪映画である以上、予想外の展開で観客を唸らせることが目指されている。事実、原作にあった設定とはいえ、公務員と詐欺師という意外な組合せは、公務員を内気な男にすることでより際立った。だが一方で、いかに予想外であっても、観客を納得させる着地点を作らねばならないのがこのジャンルだ。つまり、予定調和的になるのであり、そのあたりは上田慎一郎監督の真骨頂ともいえる。だが今回は、すべてがあまりにも予定調和的になってしまったのではないだろうか。
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映画評論家
吉田広明
詐欺集団が詐欺を仕掛ける相手が悪徳不動産屋なので、勧善懲悪、気分良く見られるのは確かだが、素人の税務署員が絡むことでリスクが高まる。というか、部下にも上司にも友人の刑事にも、果ては娘にまで何かしていると感づかれるようでは大丈夫かとこちらが心配になるレベルなのだが、その危うさが計画を左右するキーになるというわけでもなく、天才的な計画の体で話が進むのも疑問。その犯行も地面師詐欺で、ネトフリのドラマの後では描写が雑に見える。
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