ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズの映画専門家レビュー一覧
ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
阪元裕吾監督と、高石あかり&伊澤彩織の主演コンビによる「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ第3弾。殺しの任務で宮崎県に降り立ったちさととまひろ。ところが150人殺し達成を目指す一匹狼の殺し屋・冬村かえでが同じターゲットを狙い、ふたりの前に立ちはだかる。共演は「一月の声に歓びを刻め」の前田敦子、「シン・仮面ライダー」の池松壮亮。
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文筆家
和泉萌香
ロングラン上映、ドラマ化もされた人気エンタメシリーズだが筆者は本作が初ベイビーわるきゅーれ。今回は現代の若者像について考えさせられる4本のラインナップだ。なるほど伊澤沙織を筆頭に銃、ナイフを用いてぶつかり合うガチなアクションシーンは(ややめまぐるしくも)見応えあり。だが、いかにもゆるくてテキトーな「現代の若者的」であるイメージを投影された「若い女の子たち」のキャラクター像はただ間が抜けているように思えてキツいし、持ち味であろう愉快さが悪目立ちしている印象。
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フランス文学者
谷昌親
アクションシーン、とりわけ格闘シーンの充実ぶりには目を瞠らされる。運動をとらえるのが映画の本来的なあり方なのだから、いかにも映画的な作品とも言えよう。しかし、いかにすばらしいアクションでも、そればかりが続いては単調になってしまうのが映画でもある。「ベイビーわるきゅーれ」シリーズは、少女たちの日常と殺し屋稼業を織り交ぜて描くことで成立してきたはずだが、今回の「ナイスデイズ」篇は、アクションシーンを盛り込みすぎたせいで、本来の持ち味が薄まっている。
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映画評論家
吉田広明
少女が主人公でハードなアクションをCGに頼らず(編集時に何かはしているのだろうが)こなすというのがシリーズの目玉らしいが、それがここでは池松壮亮相手で一段ハードルが上がっており、とりわけ銃とナイフを両手にしての近接戦闘は両者ともに見事というしかない。ただ結局なぜこの二者が対立しているのか、戦いの意味がよく分からない。また3作目ともなれば、個性豊かな敵であるだけでなく、彼女らの新しい側面を露わにする存在として設定すべきではなかったか。
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