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- 矢島健一
略歴 / Brief history
岐阜県の生まれ。明治学院大学法学部を卒業後、東宝現代劇研究所、TBS緑山塾で演技を学ぶ。1981年、山田太一脚本のTBS『想い出づくり。』で俳優としてデビュー。その後も、数々のテレビドラマや舞台で活躍を続け、90年代に入ると、原田眞人監督のOV『タフ』90~92で演じたニヒルで冷酷なやくざ役で脚光を浴びる。以降も原田監督作品には重用され、インテリふうのやくざの若頭を軽妙に演じた「KAMIKAZE TAXI」95、腐敗した銀行を身体を張って再生させようと奮闘する“ミドル4人組”の一員を快演した「金融腐蝕列島・呪縛」99、武闘派の機動隊長役で作品のボルテージを上げる「突入せよ!・『あさま山荘』事件」02、生徒が次々と自殺を遂げる女子高の校長を妙演した「伝染歌」07などに出演を重ねる。ほかにも、北野武監督「ソナチネ」93の主人公の狡猾な兄弟分のやくざ、滝田洋二郎監督「陰陽師」01の勢力争いの渦中で勝者の余裕すら漂わす公家、樋口真嗣監督「日本沈没」06の対外交渉に懸命な外務大臣など、いかなる役柄にもなじむ適応力を持ち、同じ刑事役であれ、少々気障な台詞を吐きつつボクサー上がりの主人公にモーションをかける青山真治監督「WiLd LIFE」97から、凄まじい秘密で捜査を撹乱する生活安全部長を力演した角川春樹監督「笑う警官」09まで、多彩に演じ分ける。膨大な作品数に出演して、悪役・汚れ役を中心にしつつも、温厚な市井の人やコメディリリーフも巧みに演じ、観る者の期待を大胆に裏切り続けている。テレビドラマも、NHK『春よ、来い』94、『新選組!』04、『篤姫』08、『再生の町』09、『おひさま』11、TBS『ケイゾク』99、『夜王』06、『官僚たちの夏』09、フジテレビ『顔』03、『トップキャスター』06、『イノセント・ラヴ』08など多数。
矢島健一の関連作品 / Related Work
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雪の花 ―ともに在りて―
制作年: 2024江戸末期に疱瘡(天然痘)と闘った医師・笠原良策の実話を基にした吉村昭の小説『雪の花』を、「雨あがる」「峠 最後のサムライ」の小泉堯史監督が映画化した時代劇。疱瘡が猛威を振るうなか、異国では種痘(予防接種)が行われていることを知った良策は、人々の命を救うために困難に立ち向かう。「居眠り磐音」で共演した松坂桃李と芳根京子が主人公の良策と妻の千穂を、蘭方医・日野鼎哉を「峠 最後のサムライ」の役所広司が演じる。2024年第37回東京国際映画祭ガラセレクション出品作品。 -
ヴィレッジ(2023)
制作年: 2023主演・横浜流星×監督・藤井道人で贈る異色のサスペンス・エンタテインメント。「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のリアルな姿を通して、同調圧力、格差社会、貧困などの社会構造の歪みを抱えた現代日本の闇をあぶり出す。どこにも居場所を見つけられずに生きてきた青年・優が、唯一の希望を守るためダークサイドに転じる姿を横浜流星が体現する。企画・製作・エグゼクティブプロデューサーの故・河村光庸の遺志を継いで、スタジオ・スターサンズの制作チームが結集して完成させた。60点 -
アキラとあきら
制作年: 2022『半沢直樹』『陸王』などのベストセラー作家・池井戸潤の累計発行部数70万部を突破した同名小説を映画化。対照的な宿命を背負った二人の若者〈アキラ〉と〈あきら〉が、メガバンクを舞台に、情熱と信念で現実に立ち向かう社会派エンターテインメント。小さな町工場の息子・山崎瑛(やまざきあきら)を竹内涼真、大手海運会社の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)を横浜流星が演じる。同じ社長の息子同士でも、家柄も育ちもまったく違う二人が、破産寸前の企業グループの未来と4800人の人生を救うため、奇跡の大逆転劇を巻き起こす。監督は2022年夏、本作と「今夜、世界からこの恋が消えても」「TANG タング」が立て続けに公開され、快進撃が続く三木孝浩。60点 -
孤狼の血 LEVEL2
制作年: 2021暴力団対策法成立直前の広島を舞台に警察とやくざが壮絶な争いを繰り広げる「孤狼の血」の3年後を描いたバイオレンス映画。マル暴の刑事・大上の遺志を継いだ若き刑事・日岡は、権力を用い暴力組織を取り仕切っていたが、ある男の出所により事態が急転する。柚月裕子の『孤狼の血』シリーズ三部作をベースに、原作では描かれていない映画オリジナルストーリーを紡ぐ。前作から引き続き「凶悪」の白石和彌が監督、「新聞記者」の松坂桃李が刑事の日岡を演じる。また、日岡と火花を散らす悪のカリスマ・上林を「ひとよ」の鈴木亮平が演じる。81点