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- 西田尚美
略歴 / Brief history
広島県福山市の生まれ。女性誌『non-no』『an・an』などでモデルとして活躍したのち、1993年、TBSのドラマ『オレたちのオーレ!』93の、メインキャストの中西祐子役で女優デビュー。この頃より矢口史靖と鈴木卓爾の短編シリーズ「ワンピース」に出演するなど、自主映画にも積極的に参加する。女性記者役で出演した廣木隆一監督「ゲレンデがとけるほど恋したい。」95で劇場映画初出演。注目を浴びるのは97年の金子修介監督「学校の怪談3」からで、妖怪たちから生徒を守る体育会系の女性教師を好演。次いで、かねてより交流のあった矢口監督の劇映画第2作「ひみつの花園」97で初主演を飾る。樹海に眠る5億円を発掘するため猪突猛進するヒロイン・咲子を大まじめかつコミカルに演じて、コメディエンヌの才能を開花。日本映画プロフェッショナル大賞とハワイ国際映画祭の主演女優賞、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。単館公開ながら口コミでロングランヒットとなった中江裕司監督「ナビィの恋」99では、祖母の恋を見守る孫娘に扮し、ヨコハマ映画祭と報知映画賞の助演女優賞を受賞。以後、映画を中心に主演・助演にこだわらない存在感を発揮。テレビドラマにも多数出演するほか、純文学作家に扮した篠原哲雄監督「木曜組曲」02、和製ミュージカルに挑戦した三池崇史監督「カタクリ家の幸福」02、DV夫を絞殺してしまう妊娠中の妻役の平山秀幸監督「OUT」02など、アンサンブル演技に定評を持つ。代表作から窺えるように“女子的役柄”が多かったが、久々の主演作「愛してよ」05では大人になりきれないシングルマザーをリアリティある演技で見せ、「ハチミツとクローバー」06での年下青年に愛される女性、「南極料理人」09のマイペース主婦など、近年は実年齢に添った役も増えてきている。
西田尚美の関連作品 / Related Work
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ドールハウス(2025)
制作年: 2025監督:矢口史靖&主演:長澤まさみのタッグで贈るドールミステリー。5歳の娘を亡くした鈴木佳恵は、骨董市で見つけた人形に心癒されていく。やがて、夫・忠彦との間に新しく生まれた娘が5歳に成長し、人形と遊び始めると、一家に奇妙な出来事が続発する……。共演は「違国日記」の瀬戸康史、「シン・ウルトラマン」の田中哲司。 -
正体
制作年: 2024染井為人による同名小説を「ヴィレッジ」の藤井道人監督、横浜流星主演で映画化。殺人事件の容疑者として逮捕された鏑木が脱走した。又貫刑事は、潜伏し逃走を続ける鏑木と各地で出会った沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人の姿であった。共演は「ハケンアニメ!」の吉岡里帆、「Gメン」の森本慎太郎、「山女」の山田杏奈、「はるヲうるひと」の山田孝之。 -
十一人の賊軍
制作年: 2024「日本侠客伝」や「仁義なき戦い」シリーズなどを手掛け、東映黄金期の礎を築いた脚本家・笠原和夫による幻のプロットを60年の時を経て映画化。1868年の幕末を舞台に憎き藩のために「決死隊」として砦を守る任についた罪人たちの死闘と葛藤を描く。かつて笠原和夫は「勝てば官軍、負ければ賊軍」の言葉どおり、勝敗によって善悪が決まるのが当たり前の時代に“果たして勝つことだけが正義なのか?”と一石を投じるべく物語を構想した。だが、当時の東映京都撮影所所長・岡田茂は結末が気に入らずボツとし、怒り狂った笠原は350 枚ものシナリオを破り捨ててしまった。その巨匠が手掛けたプロットを企画・プロデュースの紀伊宗之と監督・白石和彌、脚本・池上純哉たち「孤狼の血」チームが受け継ぎ、令和に新たな集団抗争劇を誕生させた。主演は「凶悪」や『全裸監督』の山田孝之と、「熱のあとに」や『新宿野戦病院』の仲野太賀。