本広克行 モトヒロカツユキ

  • 出身地:香川県丸亀市
  • 生年月日:1965/07/13

略歴 / Brief history

【実写日本映画の歴代興収記録を持つマネーメイキング監督】香川県丸亀市出身。出生地は高知県だが、銀行員の父親の転勤に伴い各地を転々としてから、高校までを香川で過ごした。横浜放送映画専門学院(現・日本映画学校)を卒業後、電通映画社(現・電通テック)でCMの現場を経験してから、共同テレビジョンの子会社であるベイシスに入社。深夜のバラエティ番組を中心にADをつとめ、1991年にディレクターに昇進した。翌92年の深夜ドラマ『悪いこと』で初めてドラマ演出を手がけ、以後『NIGHTHEAD』(92~93)、『17才』『お金がない!』(94)などの連続ドラマを担当する。96年、フジテレビ製作の「7月7日、晴れ」で監督に起用され映画デビュー。この時点でテレビドラマのAD経験は1作のみ、ゴールデンタイムの連続ドラマではチーフ演出も未経験という段階での大抜擢だった。手堅い演出でこの起用に応えた本広は、同年、ハイビジョン撮影による「友子の場合」も続けて監督。さらに初のチーフ演出を任されたドラマ『踊る大捜査線』(97)と、その映画版「踊る大捜査線THE MOVIE」(98)が興行収入100億円超の大ヒットとなり、一躍スター監督の座についた。この間にベイシスを退社し、現在も所属するROBOTに移籍。以後もドラマをいくつか手がけてはいるものの、ほぼフィールドを映画に移し、エンタテインメント大作を次々と手がけていった。03年の「踊る大捜査線THE MOVIE 2/レインボーブリッジを封鎖せよ!」は、実写日本映画の歴代興収第1位となる173.5億円のメガヒットを記録。近年は故郷の香川県での映画撮影を積極的に行ない、オール香川ロケの低予算映画「サマータイムマシン・ブルース」(05)を経て、香川の名産である讃岐うどんを題材にした大作「UDON」(06)も実現させた。【映画オタク気質の娯楽作家】人気ドラマの映画化に際し、その映画版も担当するというテレビドラマ出身監督のモデルケースのように思われているが、「踊る大捜査線」以前に映画デビュー済みであったことや、民放キー局の社員演出家ではなく、バラエティ番組出身、ドラマのAD経験も深夜ドラマ1作のみ、「踊る大捜査線」がゴールデンタイムの初チーフ演出であったことなど、その履歴はテレビ出身者の中でも例外中の例外と言える。映像業界に進む前からいわゆる映画オタク的な気質を有し、過去の映画の記憶を自作に投影することを公言してはばからないリミックス世代でもある。またアニメーションにも精通し、中でも押井守からは多大な影響を受けたと本人が語っている。演劇にも造詣が深く、「サマータイムマシン・ブルース」「曲がれ!スプーン」(09)など舞台劇の映画化、小劇団の無名俳優を自作に抜擢、舞台演出も手がけるなど、演劇との親和性が高い。映画製作におけるテクノロジーの推進にも積極的で、撮影機材オタクでもある。空撮、ステディカム撮影を好み、常に新しい映像表現を追い求めつつ、観客第一主義でエンタテインメントに徹する姿勢はデビュー以来、常に一貫している。

本広克行の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 室井慎次 生き続ける者

    制作年: 2024
    1997年に連続ドラマが放送され、1998年から6本の映画が製作された『踊る大捜査線』シリーズの室井慎次を主人公とする劇場版2部作の後編。警察を辞め、故郷・秋田で穏やかに暮らしていた室井の前に謎の少女が現れ、他殺と思われる死体が発見される。出演は、「シャイロックの子供たち」の柳葉敏郎、「ディア・ファミリー」の福本莉子、「カラオケ行こ!」の齋藤潤。監督は、同ドラマシリーズや劇場版を手がけてきた本広克行。
  • 室井慎次 敗れざる者

    制作年: 2024
    1997年に連続ドラマが放送され、1998年から6本の映画が製作された『踊る大捜査線』シリーズの室井慎次を主人公とする劇場版2部作の前編。警察を辞め、故郷・秋田で穏やかに暮らしていた室井の前に謎の少女が現れ、他殺と思われる死体が発見される。出演は、「シャイロックの子供たち」の柳葉敏郎、「ディア・ファミリー」の福本莉子、「カラオケ行こ!」の齋藤潤。監督は、同ドラマシリーズや劇場版を手がけてきた本広克行。
  • ブレイブ 群青戦記

    制作年: 2021
    笠原真樹によるコミック『群青戦記グンジョーセンキ』を「亜人」の本広克行監督が実写化。スポーツ名門校の弓道部に所属する西野蒼は、自分に自信が持てず落ち込む毎日。そんなある日、校庭に一本の雷が落ち、学校の外の風景は見渡す限りの野原となってしまう。出演は「十二人の死にたい子どもたち」の新田真剣佑、「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の山崎紘菜。
    70
  • ビューティフルドリーマー

    制作年: 2020
    “監督絶対主義”を掲げ、本広克行らが立ち上げた新レーベル“シネマラボ”第1弾。文化祭前日の先勝美術大学。その喧騒をよそに、のんびり過ごしていた映画研究会だったが、古い段ボールに入った1本のフィルムを見つけたことから、思わぬ事態が巻き起こる。出演は「イノセント15」の小川紗良、「私がモテてどうすんだ」の神尾楓珠、「8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-」の斎藤工。
  • HUMAN LOST 人間失格

    制作年: 2019
    太宰治の『人間失格』を大胆にリメイクした長編アニメーション。人間をネットワークで管理し、無病長寿が約束された未来。貧困エリアで薬物に溺れ怠惰な暮らしを送る葉藏は、謎の男・堀木とともに特権階級が暮らす地域への突貫に参加し、闘争に巻き込まれる。監督は、「ベヨネッタ ブラッディフェイト」の木﨑文智。スーパーバイザーは、TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の本広克行。脚本は、『天地明察』の小説家・冲方丁。声の出演は、「二ノ国」の宮野真守、「センコロール コネクト」の花澤香菜、「えいがのおそ松さん」の櫻井孝宏。
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  • 劇場版「フリクリ プログレ」

    制作年: 2018
    2000年に全6巻のOVAとして発売され、人気を集めたアニメーション「フリクリ」の完全新作劇場版2作のうちの1本。平凡な日々を送る少女、雲雀弄ヒドミが轢かれた夜、クラスメイトの井出交の額から巨大ロボットが出現。平凡な日常が終わりを告げる。声の出演は「名探偵コナン ゼロの執行人」の林原めぐみ、『ゲゲゲの鬼太郎』の沢城みゆき、『キラキラ☆プリキュアアラモード』の水瀬いのり。