池脇千鶴 イケワキチヅル

  • 出身地:大阪府東大阪市
  • 生年月日:1981/11/21

略歴 / Brief history

大阪府東大阪市の生まれ。府立玉川高校中退。1997 年、テレビ東京『ASAYAN』の“ 第2回CM 美少女オーディション” で、8代目三井のリハウスガールに選ばれ芸能界デビュー。市川準演出の同CM が好評を博す傍ら、99 年の市川監督「大阪物語」で、売れない夫婦漫才コンビの娘・霜月若菜役で映画主演デビューを果たし、少女から大人に移行する心情を細やかに演じてキネマ旬報新人女優賞など各映画賞に輝いた。続いて、「大阪物語」の脚本を手がけた犬童一心監督が大島弓子の短篇漫画を映画化した「金髪の草原」00 では、自身を20 歳と思い込む80 歳の老人に愛されるホームヘルパーの複雑な女心をリアルに演じる。02 年、スタジオジブリ制作の森田宏幸監督のアニメーション「猫の恩返し」で声優に初挑戦。小島正幸監督「ピアノの森」07 ではシングルマザーを演じ、声ならではの表現にも意欲的に取り組む。犬童監督と再び組んだ「ジョゼと虎と魚たち」03 では、脚が不自由で口も悪いが、愛に純粋で感受性豊かな“ ジョゼ” 役に、ヌードも辞さず挑み、高崎映画祭の主演女優賞に輝くなど高い評価を得る。その後も、堂に入った関西弁で場をさらう行定勲監督「きょうのできごと/ a day onthe planet」04、都会の片隅で懸命に生きるフリーターを快演した矢崎仁司監督「ストロベリーショートケイクス」06、昭和初期を象徴するキャリアウーマンに息を吹き込む高橋伴明監督「丘を越えて」08、武家の娘の凛とした所作に主人公への愛を忍ばせた平山秀幸監督「必死剣・鳥刺し」10 など、多彩な魅力を発揮し続ける。映画で活躍する一方、01 年のNHK 朝の連続テレビ小説『ほんまもん』でヒロインを演じ、お茶の間の人気も獲得。語りもつとめたフジテレビ『大奥』03、武田晴信の正室を新解釈で好演したNHK『風林火山』07、作品の鍵を握る女性にふんしたテレビ朝日『ゴンゾウ・伝説の刑事』08 などでも強い印象を残す。舞台も『異人たちとの夏』09 などに出演。役を通して日常を生きることにより、生活を真っ当に体現できる本格派である。

池脇千鶴の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • マイスモールランド

    制作年: 2022
    差別や迫害から故郷を逃れ日本で育ったクルド人少女を描き、第72回ベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞・特別表彰を授与された人間ドラマ。クルド人サーリャは同世代の日本人と同様にごく普通の高校生活を送っていたが、ある日突然在留資格を失い……。監督は、早稲田大学在学中に制作した「circle」が東京学生映画祭準グランプリに輝き、是枝裕和監督率いる映像制作者集団『分福』に所属する川和田恵真。サーリャを5カ国のマルチルーツを持つモデルの嵐莉菜が演じ、難民として認められた例がこれまでないに等しくいつ強制退去させられるかわからない在日クルド人の葛藤を映し出す。
  • 男はつらいよ お帰り 寅さん

    制作年: 2019
    国民的人気を誇る山田洋二監督による「男はつらいよ」シリーズの22年ぶりとなる第50作。小説家になり、最新作の評判も上々の満男は、サイン会を行うことに。ところが、その列に並ぶ客の中に、初恋の人で一度は結婚の約束までした女性・イズミの姿を見つける。96年に亡くなった渥美清、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆らレギュラー陣に加え、マドンナを務めた後藤久美子、浅丘ルリ子が出演。脚本は、山田洋次と「釣りバカ日誌」シリーズの朝原雄三。
    95
  • 半世界

    制作年: 2018
    「エルネスト」の阪本順治が、地方都市を舞台に39歳の男3人の友情物語を綴る人間ドラマ。紘は妻子とともに、父から受け継いだ山中の炭焼き窯で製炭をして暮らしている。ある日、中学からの旧友で、自衛隊員として海外派遣されていた瑛介が町に帰ってくる。出演は、「クソ野郎と美しき世界」の稲垣吾郎、「シン・ゴジラ」の長谷川博己、「きらきら眼鏡」の池脇千鶴、「泣き虫しょったんの奇跡」の渋川清彦。
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  • 十年 Ten Years Japan

    制作年: 2018
    10年後の社会、人間を描く国際共同プロジェクトの日本版で、「万引き家族」の是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画。75歳以上の高齢者に安楽死を奨励する未来版“姥捨て”の「PLAN75」、AIによる道徳教育を描く「いたずら同盟」など全5話。出演は、「無限の住人」の杉咲花、「パンク侍、斬られて候」の國村隼、「海を駆ける」の太賀、「あゝ、荒野」の川口覚、「怒り」の池脇千鶴。
  • きらきら眼鏡

    制作年: 2018
    森沢明夫の同名小説を映画化。恋人の死を乗り越えられずにいる明海は、一冊の古本がきっかけでいつも前向きなあかねと出会う。見たものを輝かせる“きらきら眼鏡”を掛けているというあかねだが、彼女も余命宣告を受けた恋人と向き合う辛い現実を抱えていた。監督は、「つむぐもの」の犬童一利。出演は、「この空の花 長岡花火物語」の金井浩人、「そこのみにて光輝く」の池脇千鶴、「GONIN サーガ」の安藤政信、ドラマ『半分、青い。』の古畑星夏、「覆面系ノイズ」の杉野遥亮、「万引き家族」の片山萌美。第21回上海国際映画祭正式出品作品。
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  • 万引き家族

    制作年: 2018
    「三度目の殺人」の是枝裕和監督長編14作目。東京の下町で、犯罪で生計を立てている貧しい一家。ある日、父・治と息子・祥太は万引きの帰り道、凍えている幼い女の子を見つけ、連れて帰る。体じゅうの傷から境遇を察した妻・信代は、家族として受け入れる。出演は、「美しい星」のリリー・フランキー、「DESTINY 鎌倉ものがたり」の安藤サクラ、「ちはやふる」シリーズの松岡茉優、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の池松壮亮、「64 ロクヨン」前後編の緒方直人、「ちょっと今から仕事やめてくる」の森口瑤子、「あゝ、荒野」前後篇の山田裕貴、「谷崎潤一郎原案/TANIZAKI TRIBUTE『富美子の足』」の片山萌美、「今夜、ロマンス劇場で」の柄本明、「彼女の人生は間違いじゃない」の高良健吾、「怒り」の池脇千鶴、「海よりもまだ深く」の樹木希林。第71回(2018年)カンヌ国際映画祭にてパルムドール受賞。2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位、読者選出日本映画第1位、読者選出日本映画監督賞受賞。
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