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- 柳楽優弥
略歴 / Brief history
東京都東大和市の生まれ。2002年に自ら応募して芸能事務所に所属する。その直後、是枝裕和監督が88年に発生した巣鴨子ども置き去り事件をモチーフとして企画を進めていた「誰も知らない」のオーディションに参加。是枝の目に留まり、いきなり主役の少年に抜擢される。15年の構想の末に映画化された「誰も知らない」は、撮影も1年間に渡って行なわれ、公開までもさらに1年間を要したため、小粋でませた小学生・坂上晋作役でテレビドラマ初出演を果たしたフジテレビ『クニミツの政』03のほうが先に世に出ることになった。完成した「誰も知らない」は、04年のカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に正式出品され、母親に放置された4人きょうだいの長男・福島明役を演じた柳楽は、その圧倒的な存在感と鋭い眼光が注目を浴び、弱冠14歳にしてカンヌ史上最年少、また日本人初となる男優賞を受賞する。カンヌで大きな話題となった同作は、04年に劇場公開。柳楽はキネマ旬報賞の新人男優賞を獲得するなど国内の映画賞も席巻し、文化関係者文部科学大臣表彰を授与され、『TIME』誌アジア版では“2004 Asia's Heroes”に選出された。続いて05年、象使いを目指してタイで修行を積んだが、交通事故により21歳の若さで夭折した坂本哲夢の実話を基にした河毛俊作監督「星になった少年」に主演。約2カ月間のタイ現地ロケで実際に象使いの訓練を受け、自ら象とコミュニケーションを取れるまでになるほど、主役の小川哲夢になり切ってみせた。山田詠美の短編集『風味絶佳』収載の同名短編を映画化した「シュガー&スパイス・風味絶佳」06では、年上の女性との偶然の出会いから本当の恋を知っていく18歳の青年・山下志郎を演じる。天童荒太原作、堤幸彦監督の「包帯クラブ」07では、奇妙な関西弁を話す入院患者の少年・ディノ役で主演し、コミカルな芝居にも才を発揮して、新境地を開拓した。その後、08年からは体調を崩した関係で仕事量を減らしていたが、同年、小説家・井上凛の執筆協力により出版された純愛小説『止まない雨』を発表して注目を集める。清水崇監督の3Dホラー映画「戦慄迷宮3D/THE SHOCK LABYRINTH」09、山田あかね監督「すべては海になる」10の主演に相次いで抜擢され、俳優業に復帰した。10年、モデルで女優の豊田エリーと結婚、一女がある。
柳楽優弥の関連作品 / Related Work
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夏目アラタの結婚
制作年: 2024ベストセラーコミックス『夏目アラタの結婚』の実写映画化。乃木坂太郎による同名ベストセラーコミックスを「十二人の死にたい子どもたち」の堤幸彦が映画化。日本を震撼させた連続バラバラ殺人事件を発端に、児童相談所職員が連続殺人犯の死刑囚にプロポーズすることから始まる衝撃の獄中サスペンス。元ヤンキーで児童相談員の夏目アラタを「映画 太陽の子」の柳楽優弥、日本で最も有名な死刑囚に「カツベン!」の黒島結菜。共演は「碁盤斬り」の中川大志、「あんのこと」の佐藤二朗。 -
ゆとりですがなにか インターナショナル
制作年: 2023日本テレビ系列で2016年4月期に放送されたドラマ『ゆとりですがなにか』の劇場版。“ゆとり世代”と名付けられた正和、山路、まりぶのゆとり3人組も30代半ばを迎え、人生の岐路に立たされていた。そんな彼らに、想像を超える新時代の波が押し寄せる。「1秒先の彼」の岡田将生、「耳をすませば」の松坂桃李、「さかなのこ」の柳楽優弥らドラマのキャスト陣に加え、「シャイロックの子供たち」の木南晴夏、「アキラとあきら」の上白石萌歌らが出演。監督は、「アイ・アム まきもと」の水田伸生。脚本は、「1秒先の彼」の宮藤官九郎。 -
ターコイズの空の下で
制作年: 2020「泣くな赤鬼」の柳楽優弥の海外合作映画初主演映画。裕福な家庭に育ち、自堕落な暮らしを送っていたタケシは、大企業を経営する祖父・三郎の競走馬を盗んだモンゴル人アムラとともに、終戦後に生き別れとなった祖父の娘を探すため、モンゴルを旅することに。第68回マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭国際映画批評家連盟賞、才能賞ダブル受賞。出演は、近年ハリウッドにも進出したモンゴル人俳優のアムラ・バルジンヤム、「ゴーストマスター」の麿赤兒。音楽・ファッション・アート業界でPVやドキュメンタリーの制作を手掛けてきたKENTAROによる初の長編映画監督作。