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- 津嘉山正種
略歴 / Brief history
沖縄県那覇市の生まれ。県立那覇商業高校を卒業後、琉球放送に勤務しながら地元の劇団創造に所属して演技経験を積む。1964年に上京。劇団青年座に研究生として入り、舞台を中心に本格的に俳優として活動を始める。80年の蜷川幸雄演出『NINAGAWAマクベス』で評判を高め、87年のロンドン公演では平幹二朗に代わってマクベスを演じ、凱旋公演でも再び主演して青年座の中心俳優として不動の地位を築いた。映画は浦山桐郎監督「太陽の子・てだのふあ」80、今井正監督「ひめゆりの塔」82など故郷の沖縄を題材にした作品に多く出演。ドキュメンタリーと舞台劇を融合させた「アウシュビッツ愛の奇跡・コルベ神父の生涯」81では、初主演をつとめた。山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズにたびたびゲスト出演するほか、熊井啓監督「海と毒薬」86、「ひかりごけ」92、市川崑監督「どら平太」00など、巨匠の力作に色を添える。また、低音響く美声を活かして、声優としても早くから活動。外国映画の吹き替えや「ジャングル大帝」97、「クレヨンしんちゃん・嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」01などの劇場用アニメーション、NHK-FMの深夜ラジオ『クロスオーバーイレブン』82~02のパーソナリティでも知られる。テレビドラマも、90年代以降のNHK大河ドラマに常連のように出演を重ねるほか、フジテレビ『正義は勝つ』95、『ロングバケーション』96、『救命病棟24時』01、『人間の証明』04、TBS『真夜中の雨』02などの民放ドラマでも好助演を続ける。近年は、ドラマからスタートした人気シリーズ「踊る大捜査線 THE MOVIE」98・10の警察高官役でもおなじみ。病気療養のためにたびたび休業を繰り返しているが、その都度復帰し、舞台を中心に幅広い活躍を続けている。
津嘉山正種の関連作品 / Related Work
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STEP OUT にーにーのニライカナイ
制作年: 2025ドラマ『TRICK』シリーズなどでタッグを組んできた堤幸彦監督と仲間由紀恵の10年ぶりの再タッグとなるドラマ。沖縄で母、妹と暮らす踊は、ダンススクールのリサに憧れてダンスを始める。やがてリサとペアを組むようになると、ある男が訪ねてきて……。出演は、オーディションで選ばれたSoul、沖縄アクターズスクール所属の又吉伶音。共同監督は、「ミラクルシティコザ」の平一紘。 -
海の沈黙(2024)
制作年: 2024『北の国から』『やすらぎの郷』などの倉本聰が、長年にわたって構想してきた脚本を、本木雅弘主演、若松節朗監督で映画化したサスペンス・ドラマ。世界的な画家の展覧会で展示作品のひとつが贋作と判明。波紋が広がるなか、小樽で女の死体が発見される。二つの事件を結ぶのは姿を消したかつての天才画家だった。男の秘めてきた想い、美と芸術への怨念、忘れられない過去が明らかになる時、至高の美と愛の全貌がキャンパスに描き出される。共演は「碁盤斬り」の小泉今日子、「大河への道」の中井貴一、「変な家」の石坂浩二、「愛のまなざしを」の仲村トオル。 -
泡沫
制作年: 2023ある青年の内面世界を描く、沈黙と記憶をめぐるモノクロームの映像詩。有名建築家の家系に生まれながらも、自らのアイデンティティに苦悩するセイジロウは、自分自身の本質を探し求める旅に出る。監督は、フランス出身、2012年に日本に移り、短編「未来は明るい」が2017年ショートショートフィルムフェスティバル&アジアに選出されたアドリアン・ラコステ。主人公のセイジロウを「ワンダーウォール 劇場版」や「わたしの見ている世界が全て」などの中崎敏が演じるほか、「生きててよかった」の鎌滝恵利、「海の沈黙」の津嘉山正種らが出演。2023年第20回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭国内コンペティション長編部門上映作品。 -
生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事
制作年: 2021「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の佐古忠彦監督が、知られざる沖縄戦中史に切り込んだドキュメンタリー。1945年1月、沖縄県知事を受諾した島田叡。玉砕こそ美徳という考えに抗い一人でも多くの命を救おうと力を尽くした男の生涯に迫る。ナレーションは「はりぼて」の山根基世、「かぞくのくに」の津嘉山正種、「嘘八百」シリーズの佐々木蔵之介。2021年3月6日より沖縄 桜坂劇場にて先行公開。 -
あのこは貴族
制作年: 2020山内マリコの同名小説を基にした、「グッド・ストライプス」で新藤兼人賞金賞を獲得した岨手由貴子監督による人間ドラマ。都会生まれの箱入り娘・華子と地方から上京し自力で都会を生き抜く美紀。境遇の異なる二人が巡り合い、自分の人生を切り開こうとする。結婚こそが幸せと信じていた箱入り娘・華子を同じく山内マリコ原作の「ここは退屈迎えに来て」に出演した門脇麦が、上京組ながら都会にしがみつく意味を見いだせない美紀を「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」などに出演、モデル・デザイナーとしても活動する水原希子が演じ、違う階層に生きる女性たちの葛藤と成長を描く。76点