光石研 ミツイシケン

  • 出身地:福岡県八幡市(現・北九州市)
  • 生年月日:1961/09/26

略歴 / Brief history

福岡県八幡市(現・北九州市)の生まれ。少年時代は漫画家志望だったが、東海大学付属第五高校在学中の1978年、曽根中生監督「博多っ子純情」の出演者公募を受けて、主役の中学生に抜擢される。この現場で映画に魅かれ、高校卒業後に上京。本格的に俳優として活動を始め、山田洋次監督「男はつらいよ・寅次郎ハイビスカスの花」80、相米慎二監督「セーラー服と機関銃」81などに出演する。83年の栗本富夫監督「いとしのラハイナ」では準主役をつとめ、テレビドラマ版のTBS『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』82、『スチュワーデス物語』83、NHK連続テレビ小説『おしん』83などのテレビドラマに出る機会にも恵まれる。しかし、朴訥な味を出せる機会が次第に減り、90年の結婚前後は雌伏の時を過ごす。危機感を持って勉強したこの時期が、のちの糧になったという。転機は96年の青山真治監督「Helpless」。狂気の行動に走る隻腕のやくざを演じて再び注目を集め、「ピーター・グリーナウェイの枕草子」96など外国映画のキャストにも選ばれる。岩井俊二作品にも常連俳優として続けて出演し、同世代の作家が台頭するのとともに映画に溶け込む質の実力が開花する。ことに、2000年代以降は膨大な数の映画、テレビドラマに出演。悪人に哀れさを、優しい善人には翳りを絶妙に含ませて役を膨らませる屈指の脇役俳優となる。11年の石井裕也監督「あぜ道のダンディ」では、デビュー作以来となる映画単独主演。ぎこちない父親の愛情を好演して、話題と評判を呼んだ。

光石研の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男

    制作年: 2025
    第6回新潮ドキュメント賞受賞、福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)を三池崇史監督が映画化。小学校教諭・薮下誠一は、保護者・氷室律子に児童・氷室拓翔への体罰で告発される。これを嗅ぎつけた週刊誌記者・鳴海は実名報道に踏み切り、記事は世間を震撼させる。出演は「カラオケ行こ!」の綾野剛、「蛇の道」の柴咲コウ、「怪物の木こり」の亀梨和也。
  • 夏の砂の上

    制作年: 2025
    「美しい夏キリシマ」の脚本、「紙屋悦子の青春」の原作を手掛け、読売文学の戯曲・シナリオ賞を受賞した松田正隆による戯曲を、演出家・玉田真也の監督・脚本で映画化。オダギリジョーが、主演・共同プロデューサーを務める。
  • フロントライン

    制作年: 2025
    日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号で、患者の治療に当たった医師たちの戦いを、事実に基づいて描いたドラマ。未知のウイルスに関する経験や訓練が不足したまま、最前線で対応を迫られた医師たちは……。未知のウイルスに立ち向かう災害派遣医療チームの指揮官・結城英晴(ゆうき・ひではる)を小栗旬、厚生労働省から派遣された役人・立松信貴(たてまつ・のぶたか)を松坂桃李、DMAT隊員・真田春人(さなだ・はると)を池松壮亮、東日本大震災で結城と共に活動した“戦友”とも呼べる医師・仙道行義(せんどう・ゆきよし)を窪塚洋介が演じる。監督は「かくしごと」の関根光才。企画、脚本、プロデュースを務めたのは「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」で知られる増本淳プロデューサー。300ページを超える取材メモから、これまで知られることのなかった船内のエピソードを丁寧にすくい、オリジナル脚本にまとめ上げた。
  • BAUS 映画から船出した映画館

    制作年: 2025
    映画上映だけに留まらず、演劇・音楽・落語など、多くの観客と作り手に愛され2014年に閉館した吉祥寺バウスシアター。その道のりは1925年につくられた“井の頭会館”から始まった。時流に翻弄されながらも劇場を守り続け、娯楽を届けた人々の姿を描く人間ドラマ。出演は「きみの鳥はうたえる」の染谷将太、「越年 Lovers」の峯田和伸、「ブルーアワーにぶっ飛ばす」の夏帆。本田拓夫によるノンフィクション『吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記』を原作に、故・青山真治が着々と温めていた脚本を「はだかのゆめ」の甫木元空が引き継ぎ執筆、自ら監督した。
  • 夜明けのすべて

    制作年: 2024
    『そして、バトンは渡された』の瀬尾まいこによる同名小説を、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の松村北斗と上白石萌音主演で映画化した人間ドラマ。月経前症候群の藤沢さんとパニック障害を抱える山添くんは、次第に互いを理解し、助け合っていく。監督は、第96回キネマ旬報ベスト・テン日本映画1位など4冠、第77回毎日映画コンクール日本映画大賞など5冠を獲得した「ケイコ 目を澄ませて」の三宅唱。「ケイコ 目を澄ませて」に続き月永雄太が16mmフィルムで撮影、生きづらさを抱えた藤沢さんと山添くんが互いに最高の理解者となり助け合う姿を映し出す。
    100
  • ディア・ファミリー

    制作年: 2024
    1970年代、娘のために人工心臓の開発を始めた家族の実話を大泉洋主演で映画化。生まれつき心臓疾患を持っていた娘・佳美は、余命10年を告げられる。小さな町工場を経営する父・宣政は医療の知識も経験もなかったが、自分が人工心臓を作ると立ち上がる。出演は、「明日の食卓」の菅野美穂、「今夜、世界からこの恋が消えても」の福本莉子、「変な家」の川栄李奈、「DTC 湯けむり純情篇 from HiGH&LOW」の新井美羽。監督は、「君の膵臓をたべたい」の月川翔。原作は、清武英利の『アトムの心臓『ディア・ファミリー』23年間の記録』。