時任三郎 トキトウサブロウ

  • 出身地:東京都世田谷区
  • 生年月日:1958/02/04

略歴 / Brief history

東京都世田谷区の生まれ。間もなく青森県弘前市へ移り、幼稚園から大学までは大阪府松原市で過ごした。大阪芸術大学デザイン学科を中退後、上京して俳優養成所に通ったのち、1980年にロックミュージカル『ヘアー』で俳優デビュー。同年のTBS『しあわせ戦争』に端役で出演後、同局『虹色の森』81のシンガーソングライター役で本格的にドラマ出演を果たし、挿入歌の『川の流れを抱いて眠りたい』で歌手としても注目される。83年の根岸吉太郎監督「俺っちのウエディング」で映画初出演。結婚式当日に新妻を刺した犯人を探す新郎役で主演し、報知映画賞主演男優賞に輝いた。同年の山田太一脚本のTBS『ふぞろいの林檎たち』では、エリートの兄妹にコンプレックスを抱く三流大学の学生・岩田健一役でレギュラー出演。中井貴一らとともに等身大の若者像をリアルに演じて、お茶の間の人気を集める。85年の続編『ふぞろいの林檎たちⅡ』では、大学卒業後の社会人生活が描かれ、91年、97年とパート4までが作られる最初の代表作となった。映画はその後、村川透監督「シングルガール」83、新藤兼人監督「地平線」84の助演を経て、藤田敏八監督「海燕ジョーの奇跡」84に、敵対する組の組長を射殺しフィリピンに逃亡する沖縄の若いやくざ役で主演。86年の那須博之監督「紳士同盟」では、薬師丸ひろ子演じる女子大生のヒロインに一目惚れする御曹司役でコミカルな芝居にも才を見せ、川島透監督「ハワイアン・ドリーム」87では、ハワイに不法滞在しインチキ商売をするチンピラふたり組の主人公を、ジョニー大倉とともに演じた。この87年は、前年の「ウホッホ探険隊」86の助演に続く三度目の組み合わせとなった根岸監督の「永遠の1/2」にも主演。自分にそっくりの男が起こした騒動に巻き込まれる失業中の青年を繊細に演じて、キネマ旬報賞主演男優賞を受賞する。さらに、梶間俊一監督「ちょうちん」、崔洋一監督「黒いドレスの女」にも出演しており、時任にとっては映画俳優として大きく羽ばたいた一年になった。この間、テレビドラマでも前述『ふぞろいの林檎たちⅡ』などで引き続き活躍し、倉本聰脚本のフジテレビ『ライスカレー』86では、高校時代の野球部の仲間と一緒にカナダへ渡り、ライスカレー屋を開こうと奮闘する実直な主人公・健次を好演して、さらに広くお茶の間の支持も集める。90年、香港のツイ・ハーク監督のアクション「アゲイン・明日への誓い」に悪役で出演。香港映画界のトップスター、チョウ・ユンファと渡り合い、役者としての幅を広げる。同年の三共の栄養ドリンク『リゲイン』のCMでは「24時間戦えますか」のコピーとともに国際的に活躍するビジネスマンのキャラクターに扮し、“牛若丸三郎太”名義でリリースしたCMソング『勇気のしるし』がスマッシュヒットとなる。大森一樹監督「満月」91で現代の札幌にタイムスリップし、原田知世扮する女教師のヒロインと恋に落ちる江戸時代の武士役、小田和正監督「いつかどこかで」92で競合会社の女性社員に恋をする大手建設会社社員役でそれぞれ主演したあとは、テレビドラマ出演がメインとなり、映画からはやや離れた。この時期のドラマ出演作には、日本テレビ『あきれた刑事』87、TBS『雨よりも優しく』89、『芸能社会』90、『わたしってブスだったの?』93、フジテレビ『日本一のカッ飛び男』90、テレビ朝日『真夏の刑事』92、『彼と彼女の事情』94、NHK『炎(ほむら)立つ』94『名古屋お金物語』95・97、『暴力教師・君に伝えたいこと』96などがある。この間の91年、元タレントの女性と結婚し、二男一女をもうけるが、99年から子育てのために一家でニュージーランドに移住。2003年に揃って帰国するまで、俳優の仕事はほぼ休業した。復帰後に出演したフジテレビ『Dr.コトー診療所』03・06では沖縄の離島で漁師を営む父親役を演じ、医療ミスで妻を亡くしたことから島にやって来た主人公のコトー先生にも不信感を抱いていたが、息子の命を救われたのがきっかけで次第に信頼を寄せていく朴訥な男を好演。続いて、05年の同局『海猿』では伊藤英明演じる主人公の仙崎大輔が所属する海上保安庁の潜水士隊長に扮し、羽住英一郎監督の映画版「LIMIT OF LOVE/海猿」06、「THE LAST MESSAGE/海猿」10にも相次いで出演する。映画でも同様に脇に回ることが多くなったが、矢口史靖監督「ハッピーフライト」08の厳格な機長役、廣木隆一監督「雷桜」10の蒼井優演じるヒロインの父親役、七高剛監督「DOG×POLICE/純白の絆」11の市原隼人演じる警備犬訓練師の上司役など、作品の要所を締める好助演が続く。テレビドラマはほかに、TBS『家栽の人』04、NHK『アイ'ム・ホーム/遙かなる家路』04、『江・姫たちの戦国』11、フジテレビ『プライド』『愛し君へ』04、『花嫁とパパ』07、『ヴォイス・命なき者の声』09、フジテレビNEXT『TOKYOコントロール』11など。坂元裕二脚本のフジテレビ『それでも、生きてゆく』11では、過去に息子が起こした殺人事件の風評から真摯に家族を守ろうとする父親に扮し、好評を博した。

時任三郎の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • Dr.コトー診療所

    制作年: 2022
    累計発行部数1200万部超えの同名漫画を原作に、2003年、2006年に放送されたテレビドラマの映画化。19年前、東京から僻地の離島に赴任してきた外科医の五島健助ことコトー。長年彼を支えてきた看護師の彩佳と結婚し、静かに暮らしていたが……。「川っぺりムコリッタ」の吉岡秀隆、「ホリック ×××HOLiC」の柴咲コウ、「グッドモーニングショー」の時任三郎、「軍艦少年」の大塚寧々らドラマ版のキャストが再集結したほか、「アキラとあきら」の高橋海人、「コンフィデンスマンJP 英雄編」の生田絵梨花が新たに出演。監督は、ドラマシリーズを手掛けた中江功。
  • 踊る!ホラーレストラン

    制作年: 2019
    Wink『淋しい熱帯魚』を手がけた振付家・香瑠鼓が率いるバリアフリーカンパニー・あぴラッキーのステージパフォーマンスを映画化。辣腕のレストラン経営者・加賀美は奇妙な店員や常連客が迎えるホラーレストランに迷い込み、自身の人生と直面させられる。頑なな美食研究家・レストランオーナーの加賀美を原田大二郎が演じる。香瑠鼓はエグゼクティブプロデューサーを務めるほか、加賀美が迷い込むレストランアピーシェの店長役で出演。香瑠鼓と共に活動するパフォーマーや障害のあるメンバーや映画監督・ビジュアリストの手塚眞、振付家・パフォーマーのラッキィ池田ら多彩な顔ぶれが揃う。監督・脚本は「VEIN-静脈-」の渡邊世紀。
  • フォルトゥナの瞳

    制作年: 2019
    百田尚樹による同名小説を原作に「坂道のアポロン」の三木孝浩監督が神木隆之介&有村架純共演で映画化。孤独を抱える慎一郎は、ある日、死を目前にした人間が透けて見える能力を持っていることに気付く。そんな折、明るく優しい葵と出会い、惹かれ合っていく。脚本を「恋は雨上がりのように」の坂口理子と三木孝浩が担当。「走れ!T校バスケット部」の志尊淳、「嘘を愛する女」のDAIGO、「青空エール」の松井愛莉、「響 HIBIKI」の北村有起哉、「三度目の殺人」の斉藤由貴、「グッドモーニングショー」の時任三郎が脇を固める。音楽は「となりの怪物くん」の林ゆうき。
    80
  • 家族のはなし

    制作年: 2018
    第17回アジア太平洋広告祭でフィルム部門・プレス部門をW受賞した鉄拳のパラパラ漫画を実写化したヒューマンドラマ。リンゴ農園を営む両親の一人息子・拓也は、ある挫折をきっかけに進む道を失い、東京で大学生活を送りながらバンドでプロを目指すが……。出演は、「伊藤くん A to E」の岡田将生、「サバイバルファミリー」の時任三郎、「パーフェクトワールド 君といる奇跡」の財前直見、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の成海璃子、「ナラタージュ」の金子大地、「イタズラなKiss THE MOVIE」シリーズの佐藤寛太。
  • サバイバルファミリー(2017)

    制作年: 2017
    すべての電気が止まった危機的状況を活写する、「ウォーターボーイズ」の矢口史靖監督による異色ドラマ。ある日突如電気がなくなり、電気で動くものすべてが止まったため都市機能が麻痺。混乱が広がる中、鈴木一家は東京脱出を図り、生き残りをかけ奮闘する。亭主関白な父を「アウトレイジ ビヨンド」の小日向文世が、とぼけたところのある母を「ステキな金縛り」の深津絵里が演じるほか、「ハッピーフライト」の時任三郎、「病院へ行こう」の大地康雄らが出演。
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  • グッドモーニングショー

    制作年: 2016
    「遺体 明日への十日間」の君塚良一監督が生放送のワイドショーに携わるテレビマンたちの姿を活写するコメディー。朝の情報番組でメインキャスターを務める澄田真吾。番組の打ち切りや不倫発覚の危機に困惑する中、なぜか立てこもり犯の交渉役に指名され……。出演は「アゲイン 28年目の甲子園」の中井貴一、「海街diary」の長澤まさみ、「おかあさんの木」の志田未来、「S 最後の警官 奪還 RECOVERRY OF OUR FUTURE」の池内博之、「僕だけがいない街」の林遣都、「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」の梶原善、「知らない、ふたり」の木南晴夏、「海難1890」の大東駿介、「ヒメアノ~ル」の濱田岳、「嫌な女」の吉田羊、「HERO」の松重豊、「すべては君に逢えたから」の時任三郎。
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