加賀まりこ カガマリコ

  • 出身地:東京都神田区小川町(現・千代田区神田小川町)で生まれ、新宿区神楽坂で育ち
  • 生年月日:1943/12/11

略歴 / Brief history

東京都神田区小川町(現・千代田区神田小川町)で生まれ、新宿区神楽坂で育つ。本名・加賀雅子。父・四郎は大映のプロデューサー。明星学園高校在学中から六本木界隈を遊び場所にするようになり、いわゆる“六本木族”の元祖的存在となる。17歳の時に寺山修司と篠田正浩にスカウトされ、1960年のフジテレビのドラマ『東京タワーは知っている』で女優デビュー。TBS『四十八歳の抵抗』62のヒロイン役や『潮騒』62の主演を経て、篠田監督「涙を、獅子のたて髪に」62で映画デビューを果たす。同年に松竹と専属契約を結び、翌63年は木下惠介監督「死闘の伝説」のほか、「危い橋は渡りたい」「つむじ風」「独立美人隊」に出演。64年公開の篠田の「乾いた花」では、賭場に出入りする謎めいた少女役で池部良、藤木孝と共演。初の他社作品でもある日活の中平康監督「月曜日のユカ」64で演じたコケティッシュなヒロイン像は、世代を超えた人気となった。ほか「にっぽんぱらだいす」64、「大根と人参」「雪国」「悦楽」「美しさと哀しみと」65に出演。実生活でも強気で奔放な言動で異彩を放ち、“小悪魔”のイメージが定着する。また64年4月末から突然パリへ遊学。約3カ月間の滞在中にデザイナーのイヴ・サンローランやフランソワ・トリュフォー監督とも交友した。65年6月、日生劇場の劇団四季公演『オンディーヌ』で初舞台。主人公の水の精・オンディーヌを演じ、劇団四季の客員となる。同公演は8月に再演されるほどの大好評を博し、女優としての自信を得た。翌66年1月に正式な劇団員になり『間奏曲』67などに出演するが、同年暮れには再び客演に戻っている。映画では黒木和雄監督の異色作「とべない沈黙」66で、蝶の化身を含む一人六役を演じ分け、鮮烈な印象を残した。以後も「男なら振りむくな」「濡れた逢いびき」67、「豹は走った」70、「喜劇・大泥棒」「旅路・おふくろさんより」「喜劇・命のお値段」71に出演。私生活では72年2月に未婚のまま出産するも、その子が約7時間後に死亡。同年、「初めての愛」の予備校生と恋に落ちる年上女性役で復帰する。ほか「白鳥の歌なんか聞こえない」「にっぽん三銃士・おさらば東京の巻」「昭和極道史」「日蔭者」72、「ゴキブリ刑事」73に出演。73年6月には睡眠薬の飲み過ぎにより意識不明となり、マスコミを騒がせた。以後も「金閣寺」76、「八甲田山」「江戸川乱歩の陰獣」77などに助演。また74年2月にはディレクターの高田明侑と結婚するが、80年3月に離婚した。80年には黒木和雄監督「夕暮まで」で桃井かおりの友人役を演じ、ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。翌81年には小栗康平監督「泥の河」で、ふたりの子供のために川べりの小舟で体を売る女性を演じるほか、東陽一監督「ラブレター」、鈴木清順監督「陽炎座」に出演し、キネマ旬報賞助演女優賞に輝いた。82年には藤田敏八監督「ダイアモンドは傷つかない」や深作欣二監督「道頓堀川」などで助演。以後も「もどり川」83、「愛情物語」84、「時代屋の女房2」85、「沙耶のいる透視図」86、「恋人たちの時刻」「ちょうちん」87などに助演。和田誠監督「麻雀放浪記」84での真田広之演じる主人公に麻雀を教えるカジノのママ役や、長部日出雄監督「夢の祭り」89の津軽三味線競争に挑む主人公(柴田恭兵)の窮地を救う女・ゆきなど、脇役でも存在感を存分に発揮する。ほか「優駿」「青い山脈'88」88、「右曲がりのダンディー」89、「飛ぶ夢をしばらく見ない」90などに出演。90年にフジテレビの音楽番組『夜のヒットスタジオ』の司会をつとめてから、バラエティ番組でも活躍。歯に衣着せぬ率直な発言と往年の大女優のイメージを逆手にとったキャラクターがお茶の間でも人気となる。映画出演は年1本ペースで、松岡錠司監督「きらきらひかる」92、岩井俊二監督「Love Letter」95などのほか、「新・極道の妻たち/覚悟しいや」93、「やくざ道入門」94などに助演。2005年のTBS『花より男子(だんご)』と08年公開の劇場版「花より男子F(ファイナル)」での松本潤の母役など、最近は個性の強い母親役を演じることが多い。ほか近作に「タナカヒロシのすべて」05、「ジャイブ・海風に吹かれて」09、「スープ・オペラ」10、「洋菓子店コアンドル」11、11年夏公開予定の「神様のカルテ」などがある。テレビドラマはほかに、NHK『毛利元就』97、『私の青空』00、『利家とまつ・加賀百万石物語』02、TBS『Around 40/注文の多いオンナたち』08、テレビ朝日『君の手がささやいている』97~01など。

加賀まりこの関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 42ー50 火光(かぎろい)

    制作年: 2022
    「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」の深川栄洋監督が、自身の経験をベースに妻で女優の宮澤美保と共に制作した自主作品。42歳・女優の妻と、50歳の脚本家の夫は不妊治療、難病の父、問題を複雑化させる姉妹、我が儘を拗らせる親たちなど切実な問題に直面する。夫婦役は「櫻の園」の宮澤美保と劇団花組芝居の桂憲一。共演は「梅切らぬバカ」の加賀まりこ、「悪人」の柄本明、「凶悪」の白川和子。
  • 梅切らぬバカ

    制作年: 2021
    母親と自閉症を抱える息子が、社会の中で生きていく様を温かく見つめるヒューマンドラマ。50歳の息子・忠男と暮らす山田珠子は、悩んだ末に忠男をグループホームへ入居させることに。だが、初めて母と離れ、環境の変化に戸惑う忠男はホームを抜け出してしまう。親子を演じるのは「泥の河」「神様のカルテ」の加賀まりこと、「間宮兄弟」「屍人荘の殺人」の塚地武雅。監督は「禁忌」の和島香太郎。
  • サクラダリセット 前篇

    制作年: 2017
    河野裕の青春ミステリー小説を「神様のカルテ」の深川栄洋監督が映画化。驚異的な“記憶保持”能力を持つ高校生・浅井ケイと、世界を最大3日分巻き戻せる“リセット”能力を持つ春埼美空。二人は2年前に死亡した同級生・相麻菫を蘇らせるためある作戦に挑む。出演は「ミュージアム」の野村周平、「オケ老人!」の黒島結菜、「青空エール」の平祐奈、「14の夜」の健太郎、「貞子vs伽椰子」の玉城ティナ、「くちびるに歌を」の恒松祐里、「神様のカルテ」の加賀まりこ。撮影は「ボクの妻と結婚してください。」の清久素延。
    60
  • 神様のカルテ

    制作年: 2011
    夏川草介の同名小説を「白夜行」の深川栄洋監督が映画化。信州の病院で働く若い内科医が友人、同僚、上司、患者、そして愛する妻の支えで医師として、人間として成長していく姿を描く。出演は「ヤッターマン」の櫻井翔、「オカンの嫁入り」の宮崎あおい、「さよなら夏休み」の要潤、「ランウェイ・ビート」の吉瀬美智子。
  • スープ・オペラ

    制作年: 2010
    阿川佐和子の同名小説を「ノン子36歳 (家事手伝い)」の坂井真紀主演で映画化。謎の中年男、年下の青年と奇妙な同居生活を送ることになった30代独身女性の日常をユーモラスに綴る。共演は「愛のむきだし」で数々の映画賞を受賞した西島隆弘、「愛のコリーダ」の藤竜也。随所に登場する見事な料理や食器の数々も見どころ。
  • 洋菓子店コアンドル

    制作年: 2010
    東京の洋菓子店を舞台に、スイーツを通して出会った人々の挫折と再生を描く物語。監督は「半分の月がのぼる空」の深川栄洋。出演は「パーマネント野ばら」の江口洋介、「雷桜」の蒼井優、「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」の戸田恵子、「脇役物語」の江口のりこ、「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」の尾上寛之、「真木栗ノ穴」の粟田麗など。
    70

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