小林薫 コバヤシカオル

  • 出身地:京都府京都市
  • 生年月日:1951/09/04

略歴 / Brief history

京都府京都市の生まれ。府立洛東高校を中退後、演劇活動をしていた兄の影響で芝居に興味を持つ。唐十郎率いる状況劇場の京都公演を見て上京、1971年に同劇団に入団する。73年の『ベンガルの虎』『海の牙』で注目され、『蛇姫様』75に主演。看板俳優だった根津甚八と人気を二分する存在となる。数本の映画に端役で出たのち、藤田敏八監督「十八歳、海へ」79で初の本格的な映画出演。反抗しきれない青年の停滞感を寡黙に演じつつ巧まぬユーモアを感じさせ、報知映画賞新人賞を受賞する。80年に状況劇場を退団後は、村上春樹原作、大森一樹監督の「風の歌を聴け」81の“僕”役などを経て、NHK大河ドラマ『峠の群像』82、TBS『ふぞろいの林檎たち』83の好演で知名度を上げる。85年、森田芳光監督「それから」と神代辰巳監督「恋文」でキネマ旬報賞、日本アカデミー賞の助演男優賞を獲得。ストイックなイメージで女性ファンを掴むが、翌86年の森田監督「そろばんずく」86では別人のようなハイテンションの怪演を見せ、観客を驚かせた。以降も、実直な父親像や中年男の純情から、飄々とした三枚目まで多彩な役どころをこなし、一筋縄ではいかない性格俳優としての活躍を続ける。テレビドラマでも久世光彦演出によるTBS『男どき女どき』88、『思い出トランプ』90などの“向田邦子シリーズ”をはじめ、NHK『イキのいい奴』87・88、『カーネーション』11、TBS『キツい奴ら』89、『丘の上の向日葵』93、『深夜食堂』09・11、フジテレビ『ナニワ金融道』96~05、『Dr.コトー診療所』03・06、『幸せになろうよ』11など多数に出演。どんな役でも滲むシャイな軽みとダンディズムが最大の魅力で、舞台、CM出演やナレーションの仕事も数多くこなしている。84年、女優の中村久美と結婚するが、95年に離婚。2009年12月にモデルで女優の小梅と再婚した。

小林薫の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • ホウセンカ

      制作年: 2025
      TVアニメ『オッドタクシー』を手掛けた木下麦監督と、原作・脚本の此元和津也が再びタッグを組んだ、オリジナルアニメ映画。
    • でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男

      制作年: 2025
      第6回新潮ドキュメント賞受賞、福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)を三池崇史監督が映画化。小学校教諭・薮下誠一は、保護者・氷室律子に児童・氷室拓翔への体罰で告発される。これを嗅ぎつけた週刊誌記者・鳴海は実名報道に踏み切り、記事は世間を震撼させる。出演は「カラオケ行こ!」の綾野剛、「蛇の道」の柴咲コウ、「怪物の木こり」の亀梨和也。
    • プロミスト・ランド(2024)

      制作年: 2024
      第40回小説現代新人賞を受賞した飯嶋和一の同名小説を、杉田雷麟と寛一郎のダブル主演で映画化。マタギの伝統を受け継ぐ東北の山間の町。役所から今年の熊狩り禁止の通達が届くなか、高校を出て親の仕事を手伝う信行は、兄貴分の礼二郎から、二人だけで熊狩りに挑む秘密の計画を打ち明けられる。共演は「ケイコ 目を澄ませて」の三浦誠己、「首」の小林薫。監督の飯島将史は、山形県庄内地方のマタギ衆に密着したドキュメンタリー「MATAGI」(2023年)に続く本作で劇映画デビューを飾った。「せかいのおきく」に続く“YOIHI PROJECT”の劇場公開作品第2弾。
    • 陰陽師0

      制作年: 2024
      実在した最強の呪術師・安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描く呪術エンタテイメント。陰陽寮の学生・晴明は、呪術の天才ながらも陰陽師に興味がなく、授業もサボってばかり。そんな中、貴族の源博雅から皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解決を頼まれる。若き日の安倍晴明を「キングダム」シリーズの山崎賢人、源博雅を「最初の晩餐」の染谷将太、徽子女王を「マイ・ブロークン・マリコ」の奈緒が演じる。監督は「アンフェア」シリーズの佐藤嗣麻子。
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    • 仕掛人・藤枝梅安

      制作年: 2023
      池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』『剣客商売』とともに人気の高いシリーズを映画化する第一弾。人の命を救う「鍼医」と人を殺める「仕掛人」という二つの顔をもつダークヒーロー・藤枝梅安が、江戸ノアールの世界で活躍する。清濁あわせのむ矛盾した存在・梅安を演じるのは、「必死剣 鳥刺し」「ミッドウェイ」の豊川悦司。相棒の彦次郎を片岡愛之助が演じる。同じく池波原作である「雨の首ふり坂」の大森寿美男が脚本を書き、河毛俊作が監督。一作目は天海祐希、柳葉敏郎らが出演。
    • 仕掛人・藤枝梅安2

      制作年: 2023
      池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』『剣客商売』とともに人気の高いシリーズを映画化する第一弾。人の命を救う「鍼医」と人を殺める「仕掛人」という二つの顔をもつダークヒーロー・藤枝梅安が、江戸ノアールの世界で活躍する。清濁あわせのむ矛盾した存在・梅安を演じるのは、「必死剣 鳥刺し」「ミッドウェイ」の豊川悦司。相棒の彦次郎を片岡愛之助が演じる。同じく池波原作である「雨の首ふり坂」の大森寿美男が脚本を書き、河毛俊作が監督。2月3日公開の「仕掛人・藤枝梅安」に続く二作目は、一ノ瀬颯、椎名桔平、佐藤浩市らが出演。