- キネマ旬報WEB トップ
- 銀粉蝶
略歴 / Brief history
栃木県の生まれ。青山学院女子短期大学国文科在学中から、寺山修司主宰の天井桟敷の流れを組む劇団“魔呵魔呵”の看板女優として活動。『愛情物語』『炎と剣』『月光と硫酸』などの舞台に出演する。劇団解散後の1981年、夫でもある生田萬と劇団“ブリキの自発団”を結成し、引き続き看板女優として活躍。『柔らかい肌』『夜の子供』『ナンシートマトの逆襲』『ブリキノマチノ夏の夜の夢』『ブリキの動物園』『好奇心の強い女』など数多くの公演を打ち、小劇場ブームの流れに乗って人気を博した。唯一無二の自由でダイナミックなパフォーマンス、あふれる情感に定評があり、“最後のアングラ女優”との異名もとる一方、シンガーソングライターとしてソロコンサートなども行なっていた。劇団の活動停止後は、こまつ座『貧乏物語』『泣き虫なまいき石川啄木』、NODA・MAP『パンドラの鐘』『ザ・キャラクター』『南へ』、蜷川幸雄演出『リア王』『コースト・オブ・ユートピア』、新国立劇場『CLEANSKINS/きれいな肌』『やけたトタン屋根の上の猫』、いのうえひでのり演出『リチャード三世』など数多くの舞台に立ち、空気を大きくうねらせる。映像ジャンルでは、川島透監督「竜二」83、平山秀幸監督「人間交差点・雨」93、石井聰亙監督「エンジェルダスト」94などの映画出演を経て、2000年代以降は特に映画、テレビドラマでの活躍が目立つ。出演映画に辻仁成監督「フィラメント」01、堤幸彦監督「ピカ☆ンチ/LIFE IS HARD だけど HAPPY」02、源孝志監督「Tokyo Tower」05、高田雅博監督「ハチミツとクローバー」06など。テレビドラマではTBS『ケイゾク』99、『池袋ウエストゲートパーク』00、テレビ朝日『プリズンホテル』99、『TRICK 2』02など堤幸彦作品に数多く出演するほか、テレビ朝日『恋愛中毒』00、『帰ってきた時効警察』07、『熱海の捜査官』10、フジテレビ『ウェディングプランナー』02、TBS『タイガー&ドラゴン』05、『花嫁は厄年ッ!』06などで、教師、母親、占い師といったカリスマ性のある役を多く演じる。アングラ女優の名にふさわしく、短い出番でも強烈な印象を残す名脇役である。
銀粉蝶の関連作品 / Related Work
作品情報を見る
-
生きててよかった
制作年: 2022プロボクサーだった経歴を持ち、ドニー・イェンが認める<逆輸入俳優>木幡竜が主演を務めた本格アクション映画。年齢と身体の限界を超えてもなお闘い続けることにしか生きる価値を見出せない元ボクサーの狂気と本気をスリリングに描く。木幡竜が演じた創太には、木幡自身がプロボクサーを引退しサラリーマンを経て俳優になった頃の不遇の時代が反映されているという。木幡は中国映画「南京!南京!」(09)の出演を機に、単身中国に渡って中国語を学び、アンドリュー・ラウ監督の「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」(10)でドニ―・イェン、 スー・チー、アンソニー・ウォンらと共演。昨年は綾野剛主演ドラマ『アバランチ』の“最狂の敵”役で注目された。監督・脚本を務めたのは「くそガキの告白」(11)がゆうばり国際ファンタスティック 映画祭で審査員特別賞ほか 4 冠を獲得した鈴木太一。 -
大怪獣のあとしまつ
制作年: 2022特撮映画でお馴染みの巨大怪獣。その死体が国家を危機に陥れるとしたら……。前代未聞の「あとしまつ」を描く空想特撮エンターテイメント。監督・脚本は『時効警察』シリーズや、「転々」「俺俺」の三木聡。松竹と東映が創立以来、初タッグを組んだ共同幹事・配給作品。大怪獣の死体のガス爆発を止めるべく究極の難題に挑む特務隊員・帯刀アラタに山田涼介。彼を見守る環境大臣秘書官・雨音ユキノを土屋太鳳、総理秘書官として暗躍する雨音正彦を濱田岳、元・特務隊で爆破のプロであるブルース(本名:青島涼)をオダギリジョー、そして内閣総理大臣・西大立目完に西田敏行。特撮監督は「仮面ライダー」シリーズの佛田洋。大怪獣の造形は「平成ゴジラ」や「ウルトラマン」シリーズの若狭新一が手掛ける。また、VFXプロデューサーを「男たちの大和/YAMATO」などの野口光一が務め、特撮映画のドリームチームが実現した。 -
哀愁しんでれら
制作年: 2021TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016でグランプリを受賞した脚本を土屋太鳳主演で映画化。児童相談所勤務の小春は、一晩で怒涛の不幸に遭い、全てを失ってしまう。人生を諦めようとしていた彼女だったが、8歳の娘を男手ひとつで育てる開業医・大悟と出会い……。共演は「mellow」の田中圭、キッズインスタグラマーのCOCO、「ジオラマボーイ・パノラマガール」の山田杏奈。監督・脚本は「3月のライオン」「ビブリア古書堂の事件手帖」などの脚本を手がけた渡部亮平。66点 -
あのこは貴族
制作年: 2020山内マリコの同名小説を基にした、「グッド・ストライプス」で新藤兼人賞金賞を獲得した岨手由貴子監督による人間ドラマ。都会生まれの箱入り娘・華子と地方から上京し自力で都会を生き抜く美紀。境遇の異なる二人が巡り合い、自分の人生を切り開こうとする。結婚こそが幸せと信じていた箱入り娘・華子を同じく山内マリコ原作の「ここは退屈迎えに来て」に出演した門脇麦が、上京組ながら都会にしがみつく意味を見いだせない美紀を「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」などに出演、モデル・デザイナーとしても活動する水原希子が演じ、違う階層に生きる女性たちの葛藤と成長を描く。76点