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- 麻生祐未
略歴 / Brief history
大阪府の生まれで、長崎県育ち。本名・奥村由美。青山学院大学文学部英米文学科在学中から芸能活動を始め、樹由美子の芸名で「あいつとララバイ」83 の傍役でデビュー後、麻生祐未に改名。深夜バラエティ『オールナイトフジ』84 の司会を経て、1985 年にカネボウの水着キャンペーンガールに選出され、男性誌のグラビアを次々と飾る人気タレントに。本格的な映画初出演作である滝田洋二郎監督「コミック雑誌なんかいらない!」86 でも役柄は幻想のなかに登場する美女だった。生来の演技力を見せたのはテレビドラマが先で、TBS『男女7人秋物語』87、NHK 大河ドラマ『武田信玄』88、フジテレビ『アナウンサーぷっつん物語』87、『君が嘘をついた』88 などに立て続けに出演、“ トレンディドラマ” 全盛期の人気女優となる。映画の実質2作目は和泉聖治監督「極道(やくざ)渡世の素敵な面々」88。陣内孝則扮する新米やくざの恋の相手を明るく演じ、ようやくスクリーンに女優としての魅力を披露する。90 年代の主な作品は根岸吉太郎監督の「課長島耕作」92 と「絆」98、映画では初の母親役の「鉄塔武蔵野線」97、テレビドラマではTBS『愛していると言ってくれ』95、NHK『少年たち』99 など。この時期は活動のペースを落としていたが、00 年代から再び登板が増える。転機はNHK 連続テレビ小説『ほんまもん』01 の助演。奥手で不器用な独身女性をチャーミングに演じ、ポスト夏目雅子と呼ばれた端正な容姿に親しみやすさを加えて幅広い層の支持を得る。以降はシリアスにもコメディにも染まれる柔軟さでテレビドラマやCM に欠かせない存在となり、映画にもコンスタントに出演。中田秀夫監督「ラストシーン」01、李相日監督「BORDER LINE」02、冨永昌敬監督「パビリオン山椒魚」06、今井夏木監督「恋空」07、堤幸彦監督「まぼろしの邪馬台国」08 など新鋭監督の作品で存在感を見せる。連続ドラマではTBS『白夜行』06、『JIN /仁』09 の母親役が評判を呼んだ。04 年、『ほんまもん』で共演した永澤俊矢と結婚し一児をもうけるが08 年に離婚。
麻生祐未の関連作品 / Related Work
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PERFECT DAYS
制作年: 2023「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」で知られ、小津安二郎を敬愛してやまないドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダースが、役所広司を主演に東京で撮影した日本映画。公衆トイレの清掃員、平山の静かな日常を追いながら、人生の豊かさ、切なさ、愛おしさをエモーショナルに描き出す。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にてワールドプレミアされ、役所広司が男優賞を受賞。脚本はヴィム・ヴェンダースと、プロデュースも兼ねる高崎卓馬。共演は同僚のタカシに柄本時生、アヤにアオイヤマダのほか、新人の中野有紗、田中泯、麻生祐未、石川さゆり、三浦友和などのベテラン勢が集結。2023年・第36回東京国際映画祭オープニング作品にして、同年10月24日~30日に都内特別先行上映。映画企画の発端となった「THE TOKYO TOILET」プロジェクトと渋谷区内17カ所の公共トイレの意匠が世界的に注目された。60点 -
三屋清左衛門残日録 完結篇
制作年: 2017藤沢周平の時代小説を北大路欣也主演で映像化した「三屋清左衛門残日録」の続編。ある日、隠居生活を送る清左衛門のもとに幼い頃からの友・大塚平八が訪ねて来る。家老への仲介を願う平八の頼みを快諾するが、そこには平八の一世一代の大勝負が懸かっていた。共演は「オーバー・フェンス」の優香、「覆面系ノイズ」の渡辺大、「密偵」の鶴見辰吾、「リップヴァンウィンクルの花嫁」の金田明夫、「キセキ あの日のソビト」の麻生祐未。音楽を「カンゾー先生」の栗山和樹が担当。監督は『雲霧仁左衛門』などテレビ時代劇を多数手がけてきた山下智彦。 -
キセキ あの日のソビト
制作年: 2017松坂桃李と菅田将暉のダブル主演で、“GReeeeN”の名曲『キセキ』誕生の裏に秘められた実話を映画化。父の反対を押し切って家を飛び出したミュージシャンのジンは、歯科医を目指す弟ヒデたちの才能を見抜き、自分の夢を託すことを決意するが……。メガホンを取ったのは、「腐女子彼女。」の兼重淳。「女が眠る時」の怱那汐里、「青空エール」の平祐奈、「映画 深夜食堂」の小林薫が共演。80点