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- 小日向文世
略歴 / Brief history
北海道三笠市の生まれ。東京写真専門学校を卒業後、中村雅俊の付き人を経て、1977年、串田和美主宰の“オンシアター自由劇場”に入団。串田演出『魔人遁走曲』81、佐藤信演出『ハムレット』93に主演するなど、同劇団の中核的存在として活躍を続ける。映画は、串田が自らの舞台を映像化した「上海バンスキング」88に、舞台版と同じ弘田真造役で初出演。96年の劇団解散後は映像分野に本格的に進出し、台湾人役で柔和な空気を醸した平山秀幸監督「愛を乞うひと」98などの映画や、西周に扮したNHK大河ドラマ『徳川慶喜』98、妻に殺される口うるさい夫役で存在感を示したフジテレビ『古畑任三郎』99などのドラマを経て、同局『HERO』01のとぼけた検察事務官役で一躍注目される。この年は、冨樫森監督「非・バランス」でも、心を閉ざした少女に寄り添いつつ大人のシビアな世界をも垣間見せるオカマの“菊ちゃん”を快演。以降は、ヒロインの不倫相手の身勝手さを生々しく演じた風間志織監督「火星のカノン」02、絵に描いたような古き良き昭和を舞台に現実の厳しさを孤高に体現した山崎貴監督「ALWAYS/三丁目の夕日」05・07、ビジネスライクな裁判長役で毒を放つ周防正行監督「それでもボクはやってない」07、正義の側にいながらやくざにも劣る悪徳刑事を怪演した北野武監督「アウトレイジ」10など、多彩な役柄で作品に絶妙のスパイスを利かせる。テレビドラマはほかに、息子の余命を知りつつ変わらぬ笑顔で接する愛ある父親を好演したTBS『木更津キャッツアイ』02、自ら死を決意した不運な中年男を好演してドラマ初主演をつとめたフジテレビ『あしたの、喜多善男・世界一不運な男の、奇跡の11日間』08などで活躍。その硬軟自在な演技力により、映画、テレビ、舞台のオファーが引きも切らない遅咲きの売れっ子俳優である。
小日向文世の関連作品 / Related Work
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湯道
制作年: 2023「土竜の唄」の生田斗真主演、「おくりびと」の脚本を手がけた放送作家の小山薫堂が企画・脚本を担ったコメディドラマ。父が遺した銭湯を畳みマンションに建て替えようとして店に戻った史朗だったが、入院した弟に代わり数日間銭湯を切り盛りすることになる。湯道とは、小山薫堂が提唱した、入浴の価値を改めて見出し、茶道や華道のようにひとつの道へと昇華させようというもの。監督は、『HERO』シリーズや「マスカレード」シリーズを手がけてきた鈴木雅之。うだつが上がらず実家に戻ってきた兄・史朗を生田斗真が、銭湯まるきん温泉を営む弟の悟朗を濱田岳が、まるきん温泉で働くいづみを橋本環奈が演じる。 -
映画 イチケイのカラス
制作年: 2023同名コミックを原作にしたTVドラマ『イチケイのカラス』の劇場版。みちおが“イチケイ”を去って2年。岡山県に異動になったみちおは、史上最年少防衛大臣にまつわる傷害事件を担当。一方、坂間は裁判官の他職経験制度のもと、みちおの隣町で弁護士として働き始める。竹野内豊、黒木華といったメインキャストが続投。監督は「コンフィデンスマンJP」シリーズの田中亮。 -
コンフィデンスマンJP 英雄編
制作年: 2022『リーガルハイ』シリーズの古沢良太が脚本を手掛け、長澤まさみ、東出昌大、小日向文世が出演したTVドラマの劇場版第3弾。マルタ島を舞台に伝説の詐欺師の称号をかけ勝負を始めるダー子、ボクちゃん、リチャード。そこにインターポールの捜査の手が迫る。出演は、「不灯港」の小手伸也、「罪の声」の松重豊、「劇場版 ルパンの娘」の瀬戸康史。監督は、前2作に引き続き田中亮が担当。 -
マスカレード・ナイト
制作年: 2021「マスカレード・ホテル」から続き、東野圭吾のミステリーを主演・木村拓哉、監督・鈴木雅之で映画化。ホテル・コルテシア東京での捜査から2年。大晦日の仮装パーティーに殺人犯が現れるという密告状が届き、新田は再びホテルマンの山岸と組み潜入捜査する。前作から続き破天荒な刑事・新田浩介を木村拓哉が、優秀だけど生真面目なホテルマンの山岸尚美を長澤まさみが演じるほか、豪華キャスト陣が揃う。