田村正和 タムラマサカズ

  • 出身地:京都市右京区新若宮町
  • 生年月日:1943/08/01
  • 没年月日:2021/04/03

略歴 / Brief history

京都府京都市の生まれ。戦前の名優・阪東妻三郎の三男。1960年、すでに松竹の俳優となっていた長兄・高廣が主演する「旗本愚連隊」60の撮影現場を見学しエキストラ出演したのを機に、翌61年に松竹大船と専属契約、木下惠介監督「永遠の人」の忌まわしい出自に苦悩する高校生役で本格的に俳優デビューする。その後、成城大学経済学部へ進学し、66年に卒業するまでは学業の傍ら、木下監督「今年の恋」62、中村登監督「ぜったい多数」65などで人気を博す。66年よりフリーとなり、大映「痴人の愛」67、「やくざ絶唱」70、東宝の稲垣浩監督「風林火山」69など各社の作品や、大島渚監督「無理心中・日本の夏」67などに出演するが、70年代以降は主な活動の場をテレビに移し、フジテレビ『眠狂四郎』72、『乾いて候』84、NHK『鳴門秘帖』77、テレビ朝日『若さま侍捕物帖』78などのテレビ時代劇でニヒルな二枚目ぶりを見せる。84年、TBS『うちの子にかぎって…』で問題児に翻弄され通しの小学校教師を演じ、クールな外見と大人げない言動との絶妙な落差で、従来のイメージを大きく覆すコミカルさが開花。以降もこの路線が定着し、同局の『子供が見てるでしょ!』85、『パパはニュースキャスター』87、『パパは年中苦労する』88などで、テレビスターとしての人気を不動のものにした。その一方、フジテレビ『ニューヨーク恋物語』88・90、『過ぎし日のセレナーデ』89ではダンディーな魅力も振りまく。三谷幸喜脚本のフジテレビ『警部補・古畑任三郎』94では、犯人役のゲストとのユーモアあふれる緊迫の演技合戦を繰り広げ、2006年まで続編・スペシャル版が続々と作られる新たな代表作に。その間の93年には、井上昭監督「子連れ狼・その小さき手に」で14年ぶりに銀幕に復帰するが、次の映画出演は再び14年後の藤田明二監督「ラストラブ」07となる。ドラマはほかに、TBS『カミさんの悪口』93・94、『協奏曲』96、『美しい人』99、『オヤジぃ。』00、『夫婦。』04、フジテレビ『総理と呼ばないで』97、『さよなら、小津先生』01、テレビ朝日『告発・国選弁護人』11など。2021年4月3日、心不全のため東京都内の病院で逝去。享年77歳。

田村正和の関連作品 / Related Work

作品情報を見る

  • 天皇の世紀

    制作年: 1971
    幕末から明治維新の激動の時代を描いた大佛次郎の歴史小説を、1971年に朝日放送がドラマ化した全13話の作品を劇場公開。「七人の侍」の志村喬、「トラ・トラ・トラ!」の田村高廣など豪華キャストに加え、山本薩夫、今井正、三隅研次、篠田正浩などの巨匠たちが監督した大作。なお、作者他界により、原作は未完に終わった。
  • ラストラブ

    制作年: 2007
    田村正和が「子連れ狼 その小さき手に」以来、14年ぶりに映画に主演したラブストーリー。原作は携帯小説のヒットメーカーYoshiによる書き下ろしの長編「LAST LOVE」で、監督の藤田明二らスタッフ陣は田村のテレビドラマ『ニューヨーク恋物語』のチームが再結集した。ヒロインは「椿山課長の七日間」の伊東美咲。
  • 子連れ狼 その小さき手に

    制作年: 1993
    柳生一族の画策により妻を殺され、公儀介錯人の地位も追われた主人公・拝一刀の、息子・大五郎を連れての復讐の旅を描く時代劇。映画では若山富三郎主演で「子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる」(27・三隅研次監督)以来六本作られ、またテレビでは萬屋錦之介主演で七三年より放送、橋幸夫の歌う“しとぴとぴっちゃん”の主題歌と共に大ヒットした作品の再映画化。製作も兼ねる原作者・小池一雄の念願の企画で、旧作はアクション中心であったものを、今回“親子の情愛”をテーマに書き下ろし、「あ・うん」の中村努が脚色、井上昭が「関東おんなド根性」(69)以来二十三年ぶりに監督を手がけた。主演の田村正和も「日本の黒幕」(79)以来十三年ぶりの映画出演となる。旧作のトレードマークであった、大五郎を運ぶ乳母車がいっさい登場しないのも、今回の大きな違いとなっている。
  • 日本の黒幕

    制作年: 1979
    一国の総理を決めることも抹殺することも可能な男、フィクサーと、彼を暗殺しようとした少年の姿を描く。脚本は「赤穂城断絶」の高田宏治、監督は「本日ただいま誕生」の降旗康男、撮影は「その後の仁義なき戦い」の中島徹がそれぞれ担当。
    100
  • 北の宿から

    制作年: 1976
    都はるみの同名のヒット歌謡曲の映画化で、みちのくの北の宿を舞台に、三人の女の三様の女ごころの未練を描く。脚本は「パーマネント・ブルー 真夏の恋」のジェームス三木と篠崎好の共同、監督は「はだしの青春」の市村泰一、撮影は「反逆の旅」の小杉正雄がそれぞれ担当。
  • 女囚さそり 701号怨み節

    制作年: 1973
    “さそり”シリーズ四作目。元過激派学生運動家に一度は犯罪者的意識で心を許したさそりが、その男に裏切られた怨念に燃え、刑務所を脱走して復讐を果すまでを描く。脚本は「前科おんな 殺し節」の松田寛夫と神波史男、監督は脚本も執筆している「戦国ロック 疾風の女たち」の長谷部安春、撮影は「実録・私設銀座警察」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。
    60

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