おから始まるものでの検索結果

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  •   「モロッコ、彼女たちの朝」のマリヤム・トゥザニ監督が、仕立て屋夫婦の愛と決断の物語を描き、2022年カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞、2023年アカデミー賞国際長編映画賞モロッコ代表作に選ばれた「青いカフタンの仕立て屋」が、6月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国公開。場面写真が到着した。     モロッコの海沿いの街、サレ。旧市街の路地裏でミナとハリムの夫婦は、母から娘へと世代を超えて受け継がれるカフタンドレスの仕立て屋を営んでいる。ハリムは伝統を守る仕事を愛しながらも、自身は伝統からはじかれた存在だと苦悩している。そんな夫を誰よりも理解し支えてきたミナは、病に侵されて余命わずか。そこに若い職人のユーセフが現れ、人知れず孤独を抱えていた3人は、青いカフタン作りを通じて絆を深めていく。そしてミナの最期が刻一刻と迫る中、夫婦は“ある決断”をする。彼らが導き出した答えとは──。 「モロッコ、彼女たちの朝」のルブナ・アザバルが、過酷なダイエットを行って死の迫るミナを熱演。ハリム役を「迷子の警察楽隊」のサーレフ・バクリ、ユーセフ役をこれが映画初出演のアイユーブ・ミシウィが務める。 モロッコのセンシティブな問題を背景にした感動ドラマはもちろん、コーランが響く旧市街、新鮮なタンジェリンが並ぶ市場、大衆浴場(ハマム)、男たちがミントティーを楽しむカフェといった風情ある街並みも見どころ。そして、色とりどりの滑らかなシルク地に刺繍していく伝統工芸の美しさは心を奪う。 マリヤム・トゥザニ監督が「愛する人にありのままの自分を受け入れてもらう 。人生においてこれほど美しいことがあるだろうか」と思いを込めて紡いだ一作、注目したい。         「青いカフタンの仕立て屋」 監督・脚本:マリヤム・トゥザニ 出演:ルブナ・アザバル、サーレフ・バクリ、アイユーブ・ミシウィ 2022年/フランス、モロッコ、ベルギー、デンマーク /アラビア語/122分/ビスタ/カラー/5.1ch /英題:THE BLUE CAFTAN/字幕翻訳:原田りえ 提供:WOWOW、ロングライド 配給:ロングライド © Les Films du Nouveau Monde - Ali n’ Productions - Velvet Films – Snowglobe 公式サイト:https://longride.jp/bluecaftan/
  •   世界的再評価の機運が高まっているドイツの映画作家、ウルリケ・オッティンガーの〈ベルリン三部作〉が、8月より渋谷ユーロスペースほかで全国順次公開。ティザービジュアルが到着した。     ニュー・ジャーマン・シネマの時代から精力的に作品を発表しながら、日本では紹介される機会が少なかったウルリケ・オッティンガー(1942〜)。2020年ベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ(功労賞)を受賞し、2021・2022年にはウィーンやベルリンの映画博物館などヨーロッパを中心に、大規模なレトロスペクティブが開催された。また美術館やギャラリーでは美術作品が展示され、映画作家として、芸術家として、世界的に再評価の機運が高まっている。そうした中、〈ベルリン三部作〉と呼ばれる「アル中女の肖像」(79)「フリーク・オルランド」(81)「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」(84)が日本公開される(「アル中女の肖像」「タブロイド紙が〜」は日本劇場初公開)。 ドイツ在住の作家、多和田葉子はベルリン国際映画祭での功労賞受賞式で「ダンテは『神曲(神聖喜劇)』を、バルザックは『人間喜劇』を書きました。オッティンガーの映画は、「人間と神々の喜劇」と呼べるのではないでしょうか?」と述べた。また映画監督リチャード・リンクレーターは「アル中女の肖像」を最愛の一本に挙げ、「何度も見たい、爽快な映画」と語っている。 ティザービジュアルの写真は「アル中女の肖像」のワンシーン。赤い帽子とコートを纏った主人公を演じているのは、初期オッティンガー作品の併走者であり、80年代西ドイツのファッションや前衛的アートの世界でアイコン的存在だったタベア・ブルーメンシャインだ。彼女は同作で衣装も担当している。キッチュでスタイリッシュな着こなしをはじめ、その佇まいは〈ベルリン三部作〉のユニークかつユーモラスな世界観と現代性を体現しているといっても過言ではない。 その他、〈ベルリン三部作〉のキャストは、マグダレーナ・モンテツマ、イルム・ヘルマン、クルト・ラープ、フォルカー・シュペングラーなど、ヴェルナー・シュレイターやR.W.ファスビンダーといった映画作家と共にニュー・ジャーマン・シネマを支えた面々。 また、「フリーク・オルランド」と「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」には、デルフィーヌ・セイリグが出演する。彼女は近年、フェミニストとしての活動に焦点を当てたドキュメンタリー映画が制作されたり、フランスで評伝が出版されるなど注目を浴びている。 さらに、パンク歌手のニナ・ハーゲン、ゴダールの「アルファビル」(65)に主演したエディ・コンスタンティーヌ、前衛的な芸術運動〈Fluxus〉に参加したウルフ・ヴォステル、戦後ドイツで最も影響力のある芸術家の一人であるマーティン・キッペンバーガー、ドリアン・グレイを演じる伝説的スーパーモデルのヴェルーシュカなど、知る人ぞ知る多彩なキャストも見どころ。 従来の規範を揺るがし、フェミニズム映画やクィア映画の文脈で論じられるなど、その先進性をもって再評価されるオッティンガー作品。分かりやすさをはねつける過激さを持ちながら、観ることの喜びに誘うユーモアと美意識に溢れている。そして、ベルリンの壁に分断された冷戦下の西ドイツの都市を捉えた映像は、歴史的記録としても貴重。知性と感性を刺激する3作を、スクリーンで体験したい。   オッティンガーはエゴイスティックな自然や予測不可能な人間と向き合う人です。彼女のつける演出は控え目で、監督と演者の両者の間には相互に対する大きな信頼と好奇心があります。こうして撮影された膨大な素材は、後に編集室で壮大な作品へと組み上げられるのです。ダンテは『神曲(神聖喜劇)』を、バルザックは『人間喜劇』を書きました。オッティンガーの映画は、「人間と神々の喜劇」と呼べるのではないでしょうか? 多和田葉子(小説家、詩人)ベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ(功労賞)受賞時の祝辞   「アル中女の肖像」国内劇場初公開 Bildnis einer Trinkerin|Ticket of No Return 1979年/西ドイツ/カラー/108分 監督・脚本・撮影・美術・ナレーション:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ペーア・ラーベン 衣装:タベア・ブルーメンシャイン 歌:ニナ・ハーゲン 出演:タベア・ブルーメンシャイン、ルッツェ、マグダレーナ・モンテツマ、ニナ・ハーゲン、クルト・ラープ、フォルカー・シュペングラー、エディ・コンスタンティーヌ、ウルフ・ヴォステル、マーティン・キッペンバーガー Bildnis einer Trinkerin, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger 飲むために生き、飲みながら生きる、酒飲みの人生。西ドイツのアート、ファッションシーンのアイコン的存在であったタベア・ブルーメンシャインの爆発する魅力。R.W.ファスビンダーが「最も美しいドイツ映画」の一本として選出し、リチャード・リンクレイターが最愛の作品とする。   「フリーク・オルランド」 Freak Orlando 1981年/西ドイツ/カラー/127分 監督・脚本・撮影・美術:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ヴェルヘルム・D.ジーベル 衣装:ヨルゲ・ヤラ 出演:マグダレーナ・モンテツマ、デルフィーヌ・セイリグ、ジャッキー・レイナル、アルベルト・ハインス、クラウディオ・パントーヤ、エディ・コンスタンティーヌ、フランカ・マニャーニ Freak Orlando, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』を奇抜に翻案し、神話の時代から現代までが5つのエピソードで描かれる「小さな世界劇場」。ユニークな映像感覚の中に、ドイツロマン主義の伝統とブレヒトやアルトーなどの近現代演劇の文脈が息づく。   「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」国内劇場初公開 Dorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse|Dorian Gray in the Mirror of the Yellow Press 1984年/西ドイツ/カラー/151分 監督・脚本・撮影・美術:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ペーア・ラーベン、パトリシア・ユンガー 出演:ヴェルーシュカ・フォン・レーンドルフ、デルフィーヌ・セイリグ、タベア・ブルーメンシャイン、トーヨー・タナカ、イルム・ヘルマン、マグダレーナ・モンテツマ、バーバラ・ヴァレンティン Dorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger 伝説的なスーパーモデル、ヴェルーシュカが主演。デルフィーヌ・セイリグ、タベア・ブルーメンシャインらが特異な存在感を持って脇を固める。オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』や「ドクトル・マブゼ」などのモチーフを含み込み、バロックで、デカダンスで、ダダイスティックな独自の世界観を生み出している。   ウルリケ・オッティンガー Ulrike Ottinger 1942年6月6日、ドイツ南部コンスタンツ生まれ。1962年から1969年の初めまで、パリでアーティストとして活動。コレージュ・ド・フランスでクロード・レヴィ=ストロース、ルイ・アルチュセール、ピエール・ブルデューらの講義を受ける。西ドイツに帰国し、最初の映画作品「Laokoon und Söhne(ラオコーンと息子たち)」(1972-73)を制作。1977年にZDFと共同制作した「Madame X - Eine absolute Herrscherin」は、大きな反響を得た。そして〈ベルリン三部作〉と呼ばれる「アル中女の肖像」(1979)、「フリーク・オルランド」(1981)、「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」(1984)を発表。その後、オッティンガーの関心はアジアに向かい、中国で撮影された長編ドキュメンタリー作品「China. Die Künste - Der Alltag」(1985) 、モンゴルでの「Johanna d’Arc of Mongolia」(1989)や「Taiga」(1991-92)、韓国の都市生活を映し出すドキュメンタリー「Die koreanische Hochzeitstruhe」、そして日本では「北越雪譜」を著した随筆家・鈴木牧之の足跡を辿る「Unter Schnee(雪に埋もれて)」(2011)が新潟県で撮影され、多和田葉子が制作に携わり、出演もしている。その他、「Countdown」(1990)、「Prater」(2007)、12時間に及ぶ大長編ドキュメンタリー「Chamissos Schatten」(2016)を制作。60年代パリでの個人的な記憶と社会的、政治的、文化的な激しい動向を絡めた「Paris Calligrammes」(2019)はベルリン国際映画祭をはじめ世界中の映画祭で上映。2020年にベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ賞(功労賞)を受賞。2021・22年にはウィーンとベルリンの映画博物館や、エカテリンブルク、リスボン、ワルシャワ、グダニスク、パリ、コペンハーゲンなどで大規模なレトロスペクティブやシンポジウムが開催。映画および視覚芸術表現の領域において次代に向けた再評価の機運が高まっている。   配給・宣伝:プンクテ 公式サイト:punkte00.com/ottinger-berlin/ ツイッター:twitter.com/ottingerberlin
  •   松浦寿輝の芥川賞受賞小説を、荒井晴彦の監督・脚本ならびに綾野剛主演、柄本佑とさとうほなみの共演で映画化。ふたりの男とひとりの女が織り成す愛の物語「花腐し」が、2023年初冬にテアトル新宿ほかで全国公開される。ティザービジュアルと場面写真、キャスト・監督・原作者のコメントが到着した。     廃れゆくピンク映画業界で生きる映画監督の栩谷(綾野剛)と、脚本家志望だった伊関(柄本佑)、そしてふたりが愛した女優の祥子(さとうほなみ)。梅雨のある日に出会った栩谷と伊関は、自分たちの愛した女について語り始める。そして、3人がしがみついてきた映画への夢がボロボロと崩れ始める中、それぞれの人生が交錯していく──。 日活ロマンポルノ以来の名脚本家・荒井晴彦が、「火口のふたり」(19)に続く4本目の監督作として選んだ「花腐し」。湿度の高い愛の物語が紡がれる。   〈コメント〉 綾野剛/栩谷役 初めて映画を観た時の事を思い出した。なんだか銀幕の中はひどく残酷で、こちらがそれを安全圏から覗いているとわかりながらも淡々と物語は進んでいく。その当時は、感情を掴み取ることも、感情を移入することもなく、ただただ傍観していた。 しかし、観終わってみれば、独特な達成感というか、やり切った感が身体をほとばしり、それまで経験したことのない感情が湧き立ったものでした。 現在、世の中には沢山の作品が生まれ、沢山の感情をシェアする環境が備り、毎日が選択の連続を生きる中で、この映画は何者なのだろうと考える。 私にとって花腐しは“映画そのもの”でした。産まれる前から映像作品に携わってこられた映画人に魅せられ支えられ、ただただ映画の額面にようやく触れられた想いでした。 本作を皆様の映画鑑賞アルバムの1ページに添えて頂けたら幸いです。   柄本佑/伊関役 去年の何月でしたか、荒井監督から電話があり「佑にホンを送ったんだけど読んだ?田辺が返事がないんだよなって言っててさぁ、、、」と連絡をいただきました。そんな前置きがありホンを読んだ僕は「おっほっほっ、おもしレェー。」と呟きました。「火口のふたり」に続き荒井監督に呼んでいただいた喜びに加えて、とにかくホンが滅法面白い!! いち映画ファンとしてやらなくてはいけない仕事でした。   さとうほなみ/祥子役 脚本を頂いたとき、 ピンク映画業界に纏わるお話であったりそこを取り巻く人々の関係性であったり、 荒井監督が実際に見てきた景色がぎっしり詰まっているんだろうなと感じました。 ですが、映像化の想像があまり出来なかった中でもすでにこの作品に強く惹かれておりました。 祥子という人物の日常を生きているのは、とてもつらくとても幸せでした。 是非ご覧いただきたいと、心より思います。   監督:荒井晴彦 廣木隆一と竹中直人が「花腐し」をやりたがっていると聞いていた。2004年の湯布院映画祭で『ラマン』で来ていた廣木に、『サヨナラCOLOR』で来ていた竹中が、『花腐し』撮りたいんですよ、でも廣木さんが撮るなら、役者で出してくださいよ、と言っていた。帰って読んでみた。難しいな、あの二人、どんな映画にするつもりだったんだろうと思った。「花腐し」は廣木でも竹中でも映画化されなかった。 昔の師匠足立正生にちゃんとした映画を撮らせたかった。足立さんなら「花腐し」をシュールな『雨月物語』にできるかもしれない。原作者の松浦寿輝さんは、映画大学の同僚土田環の東大大学院の指導教授だった。2013年5月、土田に頼んで松浦さんと足立さんの対面をセッティングしてもらう。しかし、足立さんの書いてきたプロットは原作の要約で、こりゃダメだと思った。余計なお世話だった。 やはり何年も撮れていない斎藤久志でいこうと思った。その年の10月、中野太が初稿を書いた。斎藤は、中野の『新宿乱れ街』だねと言った。しかし、金が集まらなかった。 『火口のふたり』の公開が終わって、体力があるうちにまた撮りたいなと思った。『この国の空』の時のようなストレスが無かったのだ。「花腐し」を撮ろうと思った。榎望プロデューサーから紹介されたばかりの佐藤現プロデューサーにホンを送った。2019年10月だ。佐藤さんはやりましょうと言ってくれた。『火口のふたり』はキネ旬ベストワンになったが、コロナでパーティもできなかった。濃厚接触シーンが多い『花腐し』がクランクインできたのは2022年の10月2日だった。『火口のふたり』は安藤尋に撮らせるつもりだった。『花腐し』も自分で撮るつもりで書いたホンじゃない。2匹目のドジョウがいてくれるといいけれど。   原作:松浦寿輝 黒々としたトンネル 小説「花腐し」が、荒井晴彦の手と眼と感性によって、原作をはるかに越えた荒々しいリリシズムが漲る映画「花腐し」へと転生する。ただただ、唖然とするほかはない。降りしきる雨のなか、廃屋めいたアパートへ帰ってきた男二人が、玄関前の路上でへたりこむシーンのデスペレートな徒労感に、やるせない共感の吐息を洩らしつつ、時代も国も個人も、これから黒々とした終焉のトンネルへ入ってゆくのだと密かに思う。   「花腐し」 出演:綾野剛、柄本佑、さとうほなみ 監督:荒井晴彦 原作:松浦寿輝『花腐し』(講談社文庫) 脚本:荒井晴彦、中野太 製作:東映ビデオ、バップ、アークエンタテインメント 制作プロダクション:アークエンタテインメント 配給:東映ビデオ R18+ ©2023「花腐し」製作委員会 公式HP:hanakutashi.com Twitter:@Hanakutashi1110
  •   一流オペラ教師とその日暮らしのラッパーが織り成すヒューマンドラマ「テノール! 人生はハーモニー」が、6月9日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開。豪華絢爛なオペラ座でのレッスン場面を据えたビジュアルが到着した。     パリのオペラ座・ガルニエ宮に、スシの出前でやってきたラップ好きのフリーター青年アントワーヌ。エリートレッスン生に見下された彼は、仕返しでオペラを真似るが、それがまさかの超美声だった。アントワーヌに才能を見出した一流オペラ教師のマリーは、猛スカウトを開始。そしてオペラに興味を持ち始めたアントワーヌは、“住む世界が違う”と思いつつも、マリーと内緒のオペラレッスンを始める──。 アントワーヌを演じるのは、人気オーディション番組〈THE VOICE〉で準優勝したビートボクサーのMB14。『蝶々夫人』『椿姫』『トゥーランドット』など、劇中すべてのオペラ曲を自ら歌い上げる。マリー役には「100歳の少年と12通の手紙」のミシェル・ラロック。さらに世界的テノール歌手のロベルト・アラーニャが本人役で登場する。 メガホンを執るのは、これが映画単独初監督となるクロード・ジディ・ジュニア。そして『エミリー、パリへ行く』「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」の製作者が名を連ねる。 撮影は、数年がかりの説得を経て、多くのシーンを実際にオペラ座で行うことに成功。吹き抜けの間、グラン・ホワイエ(大広間)、シャガールの天井画など、豪華絢爛な舞台や背景も見どころだ。オペラが誘うハートフルな物語に期待したい。         「テノール! 人生はハーモニー」 監督:クロード・ジディ・ジュニア 出演:ミシェル・ラロック、MB14、ロベルト・アラーニャ 原題:TENOR/101分/フランス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:古田由紀子/映倫G 配給:ギャガ © 2021 FIRSTEP - DARKA MOVIES - STUDIOCANAL - C8 FILMS 公式HP:gaga.ne.jp/TENOR 公式Twitter:@TENOR0609
  •   北野武が監督・主演を務め、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋らを共演に迎えて描く戦国スペクタクル「首」が、第76回カンヌ国際映画祭〈カンヌ・プレミア〉に出品され、日本では今秋に全国公開されることが決定。4月15日(土)に行われた完成報告会見のレポートが到着した。     北野武監督が初期の代表作「ソナチネ」と同時期に構想し、黒澤明が「北野くんがこれを撮れば、『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していた企画を、30年も温めてようやく実現させたのが本作。〈本能寺の変〉を、武将や忍、芸人や百姓など多彩な人物の野望や裏切り、運命とともに描き出す。キレのあるバイオレンスや笑いなど、北野作品ならではのエッセンスが満載だ。 キャストは、羽柴秀吉を北野武自ら演じ、明智光秀役を西島秀俊、織田信長役を加瀬亮、軍師・黒田官兵衛役を浅野忠信、秀吉の弟・羽柴秀長役を大森南朋、秀吉に憧れる百姓の難波茂助役を中村獅童が担当。その他、木村祐一、遠藤憲一、桐谷健太、小林薫、岸部一徳らが名を連ねる。 信長の跡目をめぐってさまざまな欲望と策略が入り乱れ、血肉飛び散る“山崎の戦い”から燃え上がる本能寺へと突き進むクライマックスは、北野作品史上随一のスケールと迫力で観る者を圧倒する。そのとき秀吉、光秀、信長らが取った行動とは?   〈完成報告会見レポート〉   ●株式会社KADOKAWA代表取締役社長・夏野剛ご挨拶 『首』は、日本が世界に誇る才能・北野武監督待望の最新作であり、製作費15億円をかけた大作映画です。本作は、北野武監督が“いつか映画化したい”と長年構想を練られた企画であり、ご自身で原作小説と脚本を書き上げられました。そのような思い入れのある作品で、北野武監督とご一緒出来ることを、大変嬉しく思っております。また本日、北野武監督、俳優の皆様をお迎えし、お集りの皆様に映画の完成を報告できることに感謝申し上げます。一足早く本作を観させて頂きました。黒澤明監督の『七人の侍』『影武者』にも通じるスケールと、シェイクスピア作にも通じる悲劇性と喜劇性を併せ持った稀有な作品であり、北野武監督の才能とオリジナリティがふんだんに詰め込まれた作品だと思います。弊社は今後日本国内に留まらず海外でのヒットも見据えた大作映画に取り組んでいきたいと考えておりますので、世界に向けて自信を持って送り出すことができる本作を、観客の皆様にお届けできることを大変喜ばしく思っております。皆様、映画『首』をどうぞ宜しくお願い致します。 ●北野武監督ご挨拶 構想30年というのは、3週間の間違いだと思いますが(笑)。今、時代劇といえば大河ドラマなどで描かれていますが、綺麗な出世物語ばかりで、人間の汚い部分や業というものが描かれていない。この作品は「自分が撮ればこうなる」という発想から作り上げました。完成までだいぶ苦労しましたが、スタッフ・キャストのおかげで作ることができたと思っています。 ●北野監督:「カンヌ・プレミア」の上映決定について 知り合いのカンヌの人に聞いたら、この作品はコンペの枠に当てはまらない、非常に強烈な映画だということで、プレミアという冠をつけて別でやりたいと言われまして、その話を聞いた時にこの作品は世界的に当たるなと思いました。 ●西島秀俊ご挨拶 北野監督の作品に出るのは『Dolls』以来です。とにかく監督に成長した姿を見せようということは絶対考えないように、無欲に監督の頭の中にある作品をなんとか現実の世界に表に出すべく、力を出し尽くしました。本当に幸せな時間でした。 ●加瀬亮ご挨拶 北野監督の作品は『アウトレイジ』シリーズ以来の出演ですが、前回の『アウトレイジ』シリーズでも自分からは遠い役を演じて大変だったのですが、今作も案の定大変な目に遭いました(笑)。 ●中村獅童ご挨拶 若い頃から北野監督の作品が大好きで、いつか出演するのが夢でした。仲良くさせていただいている大森さんにいつも監督の作品に出るにはどうすればいいのかと相談はしていたのですが、自分から監督に声をかけるのもおこがましく、いつか出られたらとずっと思っていました。そんな時にこの作品のお話をいただいて、今まで演じたことの無い役をいただけて、新しい中村獅童を引き出してくれたと感じています。本当に感謝しています。 ●浅野忠信ご挨拶 北野監督の作品は『座頭市』以来の出演となりました。北野組で再び時代劇にまた出られて本当に嬉しくて、どうやって役を演じようか何度も台本を読んで撮影に臨みました。 ●大森南朋ご挨拶 北野監督の作品には『アウトレイジ』シリーズ、『アキレスと亀』に出演させてもらい、またこうして北野組に戻ってくることで自分のモチベーションを保っていたところもあったので。私の役は常に北野監督のそばにいる役でしたので、非常に濃密な時間を過ごすことができました。 ●北野監督:映画化実現への構想と着想 ここ何年か歴史ブームで、織田信長、明智光秀と本能寺の変が取り上げられていると思いますが、歴史考証の専門家の方が調べた中で、約80の諸説があるんです。80の中で僕自身が考えていたのは、「裏で秀吉がかなり動いたのかな」と思ったのがきっかけで映画化しようと思っていた。そして、最近になって北野組に参加してくれたキャストの皆さんが皆優秀で、集まることができたら撮れるなと思い、ようやく創れるなと思いました。 ●北野監督:各キャストの配役について 脚本を書きながら、この役はこの人、と考えながら選んでいった。実際皆衣装をつけたら色合いは綺麗になり、フランスの友人からも「色が凄かった」と言ってもらえて、よかったです。   ●キャストの皆さまへ:オファーが来た際のお気持ち/撮影までに準備したこと 西島秀俊 バラエティの現場で北野監督とご一緒して、「頼むね」と一言あって、あれがオファーだったのかなと思いました(笑)。役については、光秀がどういう人物か諸説あるなかでしたが、人間的に現代に繋がるまともな部分と、あの時代で命のやり取りを毎日やっているからこそ、狂っている感覚をもったキャラクターだと思うので、シーンの中で色んな面を演じようと考えていました。 加瀬亮 オファーはずいぶん前にいただいて、最初に読ませていただいた台本と完成した作品は結構違かったのですが、戦国時代のドラマや映画はどうしてもエンターテイメントとしてキレイなイメージが増幅しているように思っていて、本当のところはどうなんだろうと考えていました。 中村獅童 本当に嬉しかったですし、あまり役を作り込まないように意識して、北野監督の色に染まれるかを意識しました。あまり監督に質問をするというよりも自分で考えるという経験をさせていただき、素晴らしい時間でした。今までで一番汚い役でしたが(笑)、楽しかったですね。 浅野忠信 台本を読む前から自分に何ができるのかワクワクして自分をアピールできないかと思っていたけど、他の役者さんのキャラクターが凄くて、自分は静かにしているべきだと思って、台本を読み直しました。 大森南朋 オファーがまた来て『よかった、またオファーがあった、嫌われてなかった』と思いました(笑)。監督の現場は何が起こるかわからないので、台本をたくさん読んで何があっても対応できるようにいつも現場に参加させていただきました。   ●キャストの皆さまへ:北野監督だから描けたと思ったこと 西島秀俊 初日が安土城の天守閣のセットでの撮影だったのですが、とにかく美術が美しかった。常に死がとなりにある中で生きているので、滑稽なことと悲惨ことが隣り合わせ。すごく笑っていると信じられないほど悲惨なことが起きたり、悲惨なんだけど思わず笑ってしまうような、本当に北野監督にしか描けない世界観だと感じました。 加瀬亮 自分に信長役をくれるのは、北野監督しかいないと思いました(笑)。ほぼ全員と言っていいと思いますが、全員酷い役で、残酷なシーンもたくさん出てくるのですが、北野監督がそういった残酷なシーンを描くと、最終的に品の良い映像になっていると感じましたし、他の監督では絶対に描けないと思いました。 中村獅童 今まで描かれてない戦国時代の話ばかりで、本当はこういう時代だったんだなと思いました。この作品にヒーローは出てこないですし、ハードな描写も多いですが、この作品としての品格は北野監督ならではだと感じますね。僕は時代劇が好きですし、歌舞伎の世界で生きているので、衣装とかカツラとか意識してしまうのですが、細かいところまで本当に忠実で、素晴らしい作品に参加させていただいたなと思いました。 浅野忠信 北野監督の現場は本当に進行が早いんです。そういった現場だと僕みたいな俳優は力がみなぎってくるんです。ババっと決めてもらって撮影を終えると、明日はもっとすごい演技ができると思うんです。そして、出来上がった時にテンションが上がった自分がいて、この感覚はなんだったんだろうと頭の中で考えている自分がいました。 大森南朋 北野監督の現場は、監督の頭の中の世界を映像化するという意識が現場に出ていて優秀なスタッフがたくさんいらっしゃいます。この時代にこの作品を日本で作れる人は本当にいないと思いますし、唯一無二の監督だと思います。   ●メディア質疑応答/北野監督へのご質問:NHKの大河ドラマくらいしか連ドラがないほど、ジャンルとしての時代劇は衰退していると思うのですが、なぜ今の時代に、当時の絶対的評価だった「首を取る」というところに着目して“本能寺の変”を題材とした映画を届けたいと思われたのでしょうか? 北野監督 大した理由はないのですが、『首』という映画は時期が来たら撮ろうと思っていました。今までの時代劇は、登場人物が歴史上偉大な人として描かれていて、裏に隠されている人間の業や汚さのようなものはあまり描かれていないので、正しいかはわからないけれど、実はこういう見方も1つの方法だなと思いました。   ●メディア質疑応答/北野監督へのご質問:中村獅童さんは今回初参戦ということでしたが、他の方々は再びの北野組ということで結集といった雰囲気もありますが、改めてキャストの方々が集まったことや撮影の感想をお聞かせください。 北野監督 獅童さんは初めてでしたが、あとのメンバーは北野組で撮っていて雰囲気はわかっている人ばかりでした。獅童さんはすごく芝居が好きな人だなあと思って、いずれご一緒できたらと思っていたのですが、今回縁があって出ていただきました。(信長を演じた)加瀬くんは、イメージではない役をやらしたら力を発揮する人と思っています。声をかけると役者さんがスケジュールをうまく調整してくれて、大したギャラも出ないのに(笑)。   ●メディア質疑応答/キャストの皆様へのご質問:かなりの曲者揃いの作品になっているのではないかと思いますが特に印象に残っている撮影のエピソードを教えてください。 西島秀俊 撮影終盤に監督が「1シーン追加したい」と言ったことがあって、結構大きなセットを組んでいて、僕もシーンが追加されて嬉しくて、ワクワクしながら現場に行ったのですが、撮影は1カットで終わって、『こんなセットを作ったのに1カットで終わるのか…!』と(笑)ちょっとスタッフも呆然としながら、僕も寄りのカットの撮影もあるのかな?と気持ちを込めて演技をしていたのですが撮影は一瞬でした。監督の欲しい絵のために、皆ワンカットの撮影であってもそれだけのものを作るという本当に贅沢で素晴らしい現場だったことがすごく記憶に残っています。 北野監督 大島渚監督や黒澤明監督に「大事なシーンは引きで撮るべきだ」と言われたことが印象に残っていて、それが癖になったのだと思います。 加瀬亮 今回、信長役だったので、自分の下にいる人がみんな先輩で、台本を最初に読んだときはものすごくやりにくいなと思ったのですが、ほとんどが他作品でもご一緒したことのある方達だったので、胸を借りるつもりで思い切って演じました。 中村獅童 秀吉が嘔吐した後の川に沈められるシーンがあったのですが、尊敬する大好きな監督なので汚いなど思わずに喜んで演じさせていただいたのが印象に残っているのですが、本編ではカットされていました(笑)。 北野監督 ちょっと溺れ方が下手だったので(笑)。   ●メディア質疑応答/北野監督へのご質問:戦国時代だからこそ描けるバイオレンス描写もあるのか気になったのですが、映像のこだわりや意識したことを教えてください。 北野監督 やっぱり刀で切るというのは、銃を用いた殺戮シーンより残酷に見えるのかと思います。首をはねたりするシーンは残酷だなとも思いますが、自分で切腹をする時に介錯してもらうのは当時のちゃんとした作法であるということもあるので、残酷といえば残酷なのだけれど、様式美ということでもあるのかなと思います。   ●メディア質疑応答/北野監督へのご質問:カンヌ国際映画祭の出品おめでとうございます。世界中に監督の作品を待っているファンの人たちがいると思うのですが、監督自身はこの作品を世界にどういった形で届けていきたいと思いますか? 北野監督 日本の戦国時代を、美化することなく、成り上がりや天下をとるということの裏にある人間関係や恨みやつらみなども含めて、正しくはないかもしれないけれど、一つの解釈として描けたらと思いました。   ●北野監督:最後のメッセージ スタッフや関係者に作品の出来を聞いているんですが皆褒めてくれる。自分は芸人だから嘘か本当かよくわかるんですが、その中でも大多数が本当に褒めてるなと感じて、成功したと思っています。出来たらこの映画がヒットしていただいて、あと何本か撮れる状態になればいいなと思ってます。     「首」 原作:北野武「首」(KADOKAWA刊) 監督・脚本:北野武 出演:ビートたけし、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、木村祐一、遠藤憲一、勝村政信、寺島進、桐谷健太、浅野忠信、大森南朋、六平直政、大竹まこと、津田寛治、荒川良々、寛一郎、副島淳、小林薫、岸部一徳 製作:KADOKAWA ©2023KADOKAWA ©T.N GON Co.,Ltd