きから始まるものでの検索結果

作品情報
条件「きから始まるもの」の作品 3625件)

人物
「きから始まるもの」を人物名に含む検索結果 4839件)

記事
「きから始まるもの」の検索結果 50件)

  • 10代の感情は波のように制御できない!超青春映画「子供はわかってあげない」 水泳部女子の美波と書道部男子のもじくんは、趣味のアニメをきっかけに運命的な出会いを果たす。そして思いがけず、美波の幼い頃に別れた父親探しが始まるが、見つけた父親は何やら怪しげ。戸惑いながら、海辺の町で父娘の夏休みが始まる──。長編デビュー作ながら「マンガ大賞2015」で2位にランクインした田島列島のコミックを、「南極料理人」「横道世之介」の沖田修一が監督を務めて映画化した高校生の青春ストーリー「子供はわかってあげない」。そのブルーレイ&DVDが3月2日にリリースされた。 ガールミーツボーイ×父探し プールを背泳ぎで行く美波。演じる上白石萌歌は、つるんとした顔、ほわんとした表情で、スクリーンに唯一無二の輪郭を描く。 「どうして泳ぎながら笑っちゃうんだろ」 波立って制御できない感情は10代の特権か。その奔放なアンテナで校舎の屋上に見つけたのが、書道のごとく魔法少女を描いていたもじくん。「町田くんの世界」で注目された細田佳央太が、誠実さを発揮する。そんな“ガールミーツボーイ”ストーリーの「子供はわかってあげない」だが、そこに“父親探し”の物語が打ち寄せるのが一興だ。美波の父・友充は遠い町で教祖を務める超能力者だった(?)──演じる豊川悦司が、日焼けした顔でゆったりと中年の体躯を携えて印象的。わりとあっけなく見つかった父と、机を挟んでうつむき気味に正座する娘、茶の間からは海が見える。 そして、波打ち際をぎこちない距離感で並んで歩きながら、ぽつぽつ会話していくふたりを追った長回しのシーン。俳優とカメラに委ねた、沖田監督の悠々たるセンスが光る。もちろん全編通し、ふじきみつ彦の脚本のダイアローグ・組み立ても効いている。娘と父の南国風情に包まれたひととき、そこへ心配して駆けつけたもじくん。まるで娘の恋人に邪魔されたかのような不機嫌さを見せる友充だが、酌み交わして奇妙な絆が……。3人が互いに“わかってあげていく”か否か、そんな夏休みの行方を見届けてほしい。 笑いが弾け、涙が湧く 脇を固める面々も、見せ場がある。もじくんの兄で探偵の明ちゃんを演じる千葉雄大は、中性的で軽やか(美波の父親探しを請け負い、のちに請求書を送りつけるが、そこに書かれたひとこともクール!)。美波の現在の父親役・古舘寛治は穏やかでマイペース。そして母親役の斉藤由貴は、明るく能天気そうに好演。そんな母だが、合宿と偽って父親探しに出た美波の嘘を、ちゃんとわかっている。 さてクライマックスは、いよいよ美波ともじくんの「関係」にフォーカスする(先を知りたくない方は、この段落のみ読み飛ばしを)。 廊下を疾走し、屋上でもじくんと再会し、正座する美波。波立つ感情、笑いが止まらない。 今回はどうしようもなく高潮だ。表面張力いっぱいで、涙がこぼれる。 「なんで泣いてんだろ」 ──正座で向き合ったもじくんは、美波の口から出る言葉が、わかっている。 「プロダクションノート」で別世界へ ブルーレイは特典がいっぱいだ。「イベント集」は、舞台挨拶に登壇したメインキャストの思いや裏話が聞けるのはもちろん、それぞれ劇中とは違う衣装も新鮮。劇中アニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」の声優・富田美憂と浪川大輔が登壇したトークイベントも楽しい。そんな「KOTEKO」のフル尺バージョンも収録されているので、こちらも期待してほしい。 「本編メイキング」は、和気藹々とした撮影の模様がうかがえる。沖田監督の人柄が、映画のムードを醸成しているのだとわかる。クランクアップを迎えた上白石萌歌と細田佳央太、それぞれの感謝の挨拶に至るまで見逃せない。 「未公開シーン集」は、電車で美波ともじくんが語り合う「愛について」、水泳部部長選挙を追った「新部長、宮島の誕生」、父と仲良しな少女・じんこちゃんに泳ぎを教える美波の姿と、父の指圧の師匠が美波に語るさまを収めた「美波の名前の由来」、美波が水着姿を気にしながらもじくんと浜辺を歩く「前向け、前」、もじくんが兄・明ちゃんと祖父との和解を目撃する「明大と祖父のハグ」の5シーン。個人的には「明大と祖父のハグ」が白眉と思えた。陰影ある木々のそよぎに導かれ、やや遠目に明ちゃんと祖父が歩み寄る姿を捉えた同シーンは、奇妙におかしくて美しい。 「ブックレット」は、水と空、光の中で呼吸した上白石萌歌と細田佳央太の姿をはじめ、キャストの写真がずらり。そこにアニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」のピンクを基調としたカラフルな設定資料集が対比される。さらに沖田監督の手による「プロダクションノート」とは名ばかりの、謎の長編散文。よく見たらタイトルに「妄想」と添えられ、架空の制作過程が奇想天外かつ適当に綴られていくのだが(イラストも満載)、ひょっとしたら別の世界線ではこちらが本編なのかもしれない。何にせよ思いがけずもう一本見た気分になれるのだから、ブルーレイ版はとてもお買い得なセット商品の趣きを湛えている。 文=広岡歩 制作=キネマ旬報社 「子供はわかってあげない」 ●3月2日(水)Blu-ray&DVDリリース(レンタル同日リリース) Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray豪華版:6,380円(税込)  【映像特典】約76分 ・スポット集 ・劇中アニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」 ・イベント集(完成披露上映会/テアトル新宿先行公開記念舞台挨拶/全国公開記念舞台挨拶/劇中アニメKOTEKOトークイベント) ・本編メイキング「2019年の、夏」 ・未公開シーン集~あの夏、みせられなかった5つのシーン~ 【外装・封入特典】 ・三方背ケース ・ブックレット ●DVD通常版:4,180円(税込) 【映像特典】約3分 ・スポット集 ●2021年/日本/本編138分 ●監督:沖田修一 ●脚本:ふじきみつ彦、沖田修一 ●音楽:牛尾憲輔 ●原作:田島列島『子供はわかってあげない』(講談社モーニングKC刊) ●出演:上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、古舘寛治、斉藤由貴、豊川悦司 ●劇中アニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」:富田美憂、浪川大輔、櫻井孝宏、鈴木達央、速水奨 ●発売元:アミューズソフト 販売元:ポニーキャニオン  ©2020「子供はわかってあげない」製作委員会 ©田島列島/講談社
  • K-POP好き必見!明日のアイドルを目指す高校生たちのせつなく熱い青春ストーリー スターを目指すボーイズ&ガールズの青春を描いた韓国ドラマといえば、かつて『ドリームハイ』といういまやトップ俳優となったキム・スヒョンやガールズグループMiss Aのメンバーだったスジ、歌手のIUなどが(教師役でペ・ヨンジュンやNiziUのプロデューサーJ.Y.Parkも)出演した名作があった。そして2020年代のいま、世界中がK-POPアイドルに魅了されるなか、K-POPアイドルを目指す高校生たちの夢、友情を描く熱い青春ドラマ『また、FLY!』が誕生した。 いま華やかなステージに立つK-POPスターも、練習生や芸術高校の学生だった時代があったはず。K-POPファンなら、ドラマで描かれるスター候補生たちの練習する姿や涙に自分の“推し”の姿を重ねてしまうかも。そうでなくても、歌とダンスで主人公が仲間とともに夢を追いかける姿を描く普遍的な青春ドラマに胸アツ必至だ。 主演は人気K-POPアイドルMONSTA Xのヒョンウォン 将来有望なバレエダンサーだったものの、けがで「もう終わりね」とコーチから言われてしまった高校生のヨハン。バレエのこと、コンテストで1位をとることだけを考えて生きてきた彼は「1位はとれたけど友達はいなかった」。そんな彼が「仲間と一緒に、自分たちを応援してくれるファンの前で楽しく踊りたい」とK-POPアイドルという新しい夢を追いかけ始めることで、物語は動いていく。ピュアでマイペースだが、仲間たちの心に繊細に寄り添うヨハンを人気K-POPグループ、MONSTA Xのヒョンウォンが好演。彼自身もサバイバル番組で勝ち抜いてグループ結成に至った現役K-POPアイドルだ。 ヨハンの新しい夢のきっかけとなったのが、ウジュ科学高校の女神と言われる頭脳明晰で勝気なジミン。ダンスが好きだが、離婚して別居する母と会う条件として学業で1位をとる約束を父としているジミン。そんな彼女が生き生きと楽しそうに踊る姿を見たヨハンは、ジミンと一緒に踊りたいとなかば強引に彼女をハンビッ芸術高校のK-POP部に勧誘する。ダンスと勉強のどちらかを選べない、迷うジミンを彼女の恩師でK-POP部顧問となったユ先生の「“できる”じゃなく“やりたい”が夢だ」という言葉や、ヨハンのまっすぐで強い思いが突き動かしていく。ヨハンが結成するK-POPグループ“ヴィランズ”の紅一点となるジミンを演じたのは、ガールズグループ、Tiny-Gのメンバーとしてデビューし、女優として活躍するキム・ミョンジ。ガールクラッシュな魅力溢れるヒロインを演じている。 さまざまな事情を抱えるメンバーが、共にアイドルデビューを目指す この他にも、大手プロダクションDナインエンターテインメントの練習生6年目、事務所のソ代表から次はないと言われているチャンヒ、経済的理由からバイトをしながらハンビッ芸術高校に通いK-POPアイドルを目指すドヨン、内気だが作曲の才能と歌唱力を持つグンシク、アメリカからやって来たラップを得意とするケン・リーといったヴィランズのメンバーたちが、時にケンカをしながらも、さまざまな困難やミッションを共に乗り越えてスターを目座していく。 そんな彼らを導くのがハンビッ芸術高校のK-POP部顧問のユ・ミンヒョク。かつてユ・スターを呼ばれるK-POPアイドルだった彼が、それぞれに抱える問題やコンプレックスなどで苦悩するメンバーたちを温かいフォローと適格な助言で導いていく。「信頼がそれぞれの力を引き出す」「弱点はさらけ出すほど克服できる」などユ先生発の名言多数!演じるのは、こちらも元K-POPアイドル、H.O.Tのトニー・アンだ。 厳しいミッションで深まる結束、しかし大人たちの思惑が絡み そして、彼らに現実の厳しさをつきつけるのが、Dナインエンターテインメントの敏腕社長、ク・ソンイ。事務所の人気グループ、“ディボリューション”にも「彼らはもって2年よ。次のグループを探して」と陰では見切りをつけたり、「情で仕事はしない」と言い放つ。ヨハンやジミンを事務所に入れたいと狙っている彼女は、デビューをちらつかせてヴィランズに波風を立てる。一方で、彼女がヴィランズに課す厳しいミッションが彼らを鍛えあげていき…。 90年代のダンスに挑戦したり、校内でのダンスバトルの動画をアップして注目を集めたり。オンライン公演や、芸術祭のステージ等に出演し、コツコツと自分たちのパフォーマンスを作り上げていくヴィランズ。しかし大人たちの思惑や心ない言葉が、彼らの結束や友情に陰を落とす。果たして、ヴィランズのデビューは、彼らの夢は実現するのか!? 文=熊坂多恵/制作=キネマ旬報社 『また、FLY!』 ●DVDセル:DVD-BOX1、DVD-BOX2 各13,200円(税込)3月2日発売 【収録内容】 DVD-BOX1 ・第1話~第6話収録(179分) DVD-BOX2 ・第7話~第10話(最終話)(131分) ・特典映像(約66分):本編メイキング映像/キャラクターメイキング映像/ショートメイキング映像 ●DVDレンタル:全5巻 3月2日レンタル開始 DVDの詳細情報はこちら ●2021年/韓国/全10話 ●出演:チェ・ヒョンウォン(MONSTA X)、キム・ミョンジ、ペ・ヒョンジュン、イ・スンホン、キム・ハジュン、ウ・ハンメ、トニー・アン、パク・ウネ、ムン・ジョンギ ●発売・販売元:ポニーキャニオン ©2021. The Great Show Inc. & Emotion Studio Inc. all rights reserved.
  •  いまおかしんじ最新作「遠くへ,もっと遠くへ」が、第17回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門に正式出品決定(3/13にワールドプレミア上映)。そして今夏に新宿K’s cinemaほかで全国順次公開される。      東京から北海道へ旅する中で、少しずつ惹かれ合う男女の切ない恋愛模様を、美しい風景の中に描き出すロードムービー「遠くへ,もっと遠くへ」。  主演は「王様のブランチ」のリポーター出身で「獣電戦隊キョウリュウジャー」などに出演した新藤まなみ。本作では結婚5年目で離婚を考えているアラサー女性・小夜子を、体当たりで演じている。その小夜子と運命的に出会うが、数年前に失踪した妻を忘れられない男・洋平を演じるのは、「ミッドナイトスワン」「モリのいる場所」の若手実力派・吉村界人。さらに洋平の失踪した妻・光子役に「悲しき天使」の和田瞳、光子と過去に関係があった男に「由宇子の天秤」の川瀬陽太と、個性的な役者たちが揃った。  監督は「映画芸術」2020年ベストワン作品「れいこいるか」のいまおかしんじ。脚本はジェーン・スー原作の『生きるとか死ぬとか父親とか』でテレビドラマのシナリオを手がけた井土紀州。      キャストと監督のコメントも到着。主演の新藤は「極寒の北海道で、みんなで力を合わせて臨んだ撮影でした。個人的には初主演、初濡れ場という事でかなりチャレンジさせて頂いた作品になりました」、吉村は「20代の内にこういった作品に出会えて、自分の測りでは知れなかった愛や恋の姿を知れた作品だと感じています」、いまおか監督は「女は別れを切り出す前に夫に言われちゃうし、男は失踪した妻を三年も探せずにいる。(中略)なにかと出遅れちゃうやつらの情けなく切なく愛しい恋愛をやりたかった」と思いを明かしている。   新藤まなみ 私が初主演を務める映画が大阪アジアン映画祭に出品されるとの事でまずは素直に、とてもとても嬉しいです。ありがとうございます! めちゃくちゃ極寒の北海道で、みんなで力を合わせて臨んだ撮影でした。個人的には初主演、初濡れ場という事でかなりチャレンジさせて頂いた作品になりました。  これから劇場公開も決まってますので1人でも多くの方に観ていただければ幸いです。この映画が皆さんの衝撃作になりますように。 吉村界人 20代の内にこういった作品に出会えて、自分の測りでは知れなかった愛や恋の姿を知れた作品だと感じています。 映画というものは、たかだか映画ですがされども映画なので映画館で上映させて頂けて大変嬉しく思います。 そして、大阪アジアン映画祭に選ばれたことも、素直に嬉しいです。そしてまず、この様な環境でも映画祭を開催をする。という豊かさに俳優部として感謝しかありません。 いまおかしんじ監督 女は別れを切り出す前に夫に言われちゃうし、男は失踪した妻を三年も探せずにいる。こんな二人が出会って、どこかへ向かうロードムービー。なにかと出遅れちゃうやつらの情けなく切なく愛しい恋愛をやりたかった。 今から5年くらい前にヴィム・ヴェンダース監督の「パリ、テキサス」みたいなロードムービーが作れたらと企画して、その時はうまくいかず、今回はなんとか形にしたいということで、脚本を以前から組みたかった、井土紀州さんに入ってもらいました。 もうひとつ、個人的にやりたかったことがあって。大学時代の友人が数年前に脳こうそくになったと聞いて、撮影の前に北海道を訪ねたら亡くなっていたんです。その際に、お姉さんから「撮影することがあったら、うちを使ってくださいよ」と言われていたので、彼の実家で撮影させてもらいました。実現できてよかったです。       Story  結婚5年目の人妻・小夜子は夫との離婚を考えている。離婚後の住まいを探し始め、不動産屋の男・洋平と知り合う。物件を見ていくうちに次第に打ち解けていく二人。小夜子は離婚を考えていること、洋平は妻が3年前に家を出てしまったことを明かす。洋平が失踪した妻・光子に未練を残していることを感じとった小夜子は「奥さんに会ってはっきりさせるべきだ」と洋平をけしかけ、二人で光子探しの旅を始める。   「遠くへ,もっと遠くへ」 出演:新藤まなみ、吉村界人、和田瞳、川瀬陽太、大迫一平、佐渡寧子、黒住尚生、広瀬彰勇、佐藤真澄、茜ゆりか 監督:いまおかしんじ 脚本:井土紀州 企画:利倉亮 プロデューサー:江尻健司 アシスタント・プロデューサー:山田剛史、竹内宏子  撮影:花村也寸志 照明:志村昭裕 録音:治田敏秀 装飾:魚住和伸、小林岳郎 編集:桐畑寛 助監督:高橋大武  ヘアメイク:五十嵐千聖 音楽:宇波拓 音響効果:藤本淳 演技事務:関根浩一 制作:堤亜希彦  配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協力:ミカタ・エンタテインメント 製作:レジェンド・ピクチャーズ   2022年/日本/107分/カラー/ステレオ (C)2022レジェンド・ピクチャーズ 公式HP: legendpictures.co.jp/tokuhe
  •  2021年第74回カンヌ国際映画祭でオープニングを飾り、監督賞を受賞! レオス・カラックス監督がアダム・ドライバーとマリオン・コティヤールを主演に迎え、全編英語で撮り上げたダーク・ファンタジー・ロックオペラ「アネット」が、4月1日(金)よりユーロスペースほかで全国公開される。  カラックスの「ホーリー・モーターズ」以来8年ぶりの新作「アネット」は、スパークスがストーリー仕立てのスタジオアルバム「アネット」として構築していた物語が、カラックスとの出会いによって映画へと発展したもの。全編を歌で語り、全ての歌をライブ録音するという両者のこだわりと、カラックスならではの映像美が相まって、唯一無二の作品に結実した。 カラックスの軌跡を辿る特集上映  公開を記念し、3月19日(土)から〈We Meet Leos Carax!〉と題した過去作の特集上映が決定。「ボーイ・ミーツ・ガール」(83)、「汚れた血」(86)、「ポーラX」(99)、「TOKYO!」(08)、「ホーリー・モーターズ」(13)の5作が上映される。  10代前半から映画を観あさり、イギー・ポップに憧れ、セリーヌを愛読する早熟な子どもだったカラックス。80年に初めて完成させた「絞殺のブルース」がイエール映画祭でグランプリを受賞した後は、長編6本、オムニバス映画1本と寡作ながら、一作ごとに新たな世界を生み出してきた。そんな唯一無二の映画作家のフィルモグラフィーを劇場で辿れる貴重な機会となっている。   [caption id="attachment_9680" align="aligncenter" width="850"] (C) THEO FILM/(C)2008「TOKYO!」[/caption]   【We Meet Leos Carax!】レオス・カラックス過去作上映詳細 ◆期間:3月19日(土)~3月31日(木) ◆上映作品名:「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚れた血」「ポーラX」「TOKYO!」「ホーリー・モーターズ」 ◆入場料金:一般1500円/大学・専門学校生1300円/会員・シニア1100円/高校生800円/中学生以下500円 ※本特集の半券提示で、2回目以降1100円 ※上映スケジュールは劇場HPをご覧ください。 ◆上映劇場:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1−5) ※劇場公式HP www.eurospace.co.jp   「ここ何十年、映画を見ても感じられなかったことが詰まってます」(岡村靖幸)  さらに音楽家の岡村靖幸、女優の前田敦子、クリープハイプの尾崎世界観、映画監督の安藤桃子、俳優の高良健吾、女優の玉城ティナをはじめ、各界著名人43名の称賛コメントも到着。以下に紹介する(五十音順、敬称略)。 2時間20分のあいだ、ずっと愛。愛を失いそうになったとき、こんなことなら愛さなければよかったと思うか、どうか。 蒼井ブルー(文筆家・写真家) ヘンリーとアンという主人公二人の名前も相まって、悲劇を描くオペラを彷彿させるクラシカルな雰囲気が漂う作品。いわゆるミュージカルの賑やかなイメージを覆すダーク・ファンタジーだ。人間のエゴや権威を欲するさま、そして何より笑いについて深く考えさせられた。 青野賢一(ライター、選曲家、DJ) 正真正銘のミュージカル映画だ。ダンスや台詞の間に、これ見よがしに歌を散りばめたような代物じゃない。歌で始まり歌に終わる全てが作り物の世界の中で、生々しい歌によって紡がれる愛の物語。天才レオス・カラックスでなければ撮れなかったであろうこの怪作は、配信全盛時代において映画館で観る意味のある貴重な作品だ。 明石ガクト(ワンメディア株式会社代表取締役CEO) 古典的且つ実験的、悲劇的しかし溢れ出るユーモアセンス、皮肉と愛と照れ隠し、私的且つ超大作、そして最新作にして集大成! 冒頭から最後の最後まで、息を止めて釘付けです。 有島コレスケ(arko lemming) 悲劇と絶望、そして罪と罰。西洋的「死生観」の表現は、オペラに詰まっている。壮大なオペラを通じて、カラックスはカルマを炙り出す。巨匠のたぎる愛のストライキか。映画の灯は永遠なり。 さて、「今から映画をはじめます」。 安藤桃子(映画監督) スクリーンの向こう側とこちら側を軽々と往来し、観る者を巻き込み、惹きこんでいく異次元すぎる展開に唸った。すごい映画を観てしまった。 石川直樹(写真家) レオス・カラックスが自分のことを映画にした極私的映画だと思って終始見た。アダム・ドライバーを通じて描いた世間からの自分の見え方、見られ方。当人にしか描けない立場と視点を軸にした物語の自虐的な曝け出し方と心の底からの本音に失笑しながら感動した。 今泉力哉(映画監督) アダム・ドライバーがモデルにしてる芸人はレニー・ブルースという実在した芸人。 笑いをとってなんぼという概念に縛られたコメディアンという仕事への葛藤が画面から血が滲むように伝わってきた。 ウーマンラッシュアワー村本大輔(コメディアン、漫才師) 映画と音楽の本性が、心の防波堤を突き破って魂を鷲掴む!!!!!!! “アネット体験”によって「人」は紛れもなく「人間」であったということを思い出すだろう!!!!!!! 宇川直宏(DOMMUNE) ここ何十年、僕が映画を見ても感じられなかったことがここには詰まってます。不穏で怖いほどの映像美、読めない展開、ダークなシニカルな人生の???。結婚についての本を数冊出した僕には大変ビターで感慨深い作品でした。 岡村靖幸(音楽家) 舞台に立った時のあの孤独が鮮明に描かれていて、目が離せなかった。見せているのか。見られているのか。問いかけても、歌が言葉をかき消してしまう。そして次第に、観客であるはずの自分が、映画に見られているように思えてくる。 尾崎世界観(クリープハイプ) ショウビジネスの持つ狂気と愛と闇を、それら全部を使って表現したような作品。実験的であり、本質的でもあるエネルギーを感じました。 かもめんたる 岩崎う大(芸人) 次から次へと目の前に映し出される映像がとにかく美しく、そこにミュージカルの要素が加わり、あっという間に非日常の世界に引き込まれ、ずっと魅了されっぱなしでした。スタンダップコメディーのシーンは、実際にライブを体験しているかのような臨場感があり、とても楽しい時間を体験できました!最高! かもめんたる 槙尾ユウスケ(芸人) ヘンリーとアンと、そしてアネットの愛の行く末を観ました。ダークでファンタジーが故にものすごく感情が揺さぶられました。「どんなミュージカル映画なの?」と聞かれたら僕は「アネット」と答えます。これぞ唯一無二ですね。 ガリットチュウ熊谷茶(芸人) カラックス。私が生涯一番影響を受けた作家。「アネット」は、シニカルに表現の解体に挑み、自己を中傷しながらも、どこまでも映画でしかなくどこまでも極地、そしてどこまでも“カラックス”自身であることが最大の新天地である。影響受ける作家は多くいる。しかしこれは誰にもマネ出来ない。現在進行形だからである。 河合宏樹(映画監督) 現代にこそ撮られ、現代にこそ観られるべき映画!Just Now!演者か?観客か?誰がエンターテインメントを葬送するのか? ミュージカルのスタイルで描く20世紀エンターテインメントへのレクイエム。ミュージカル映画はまだまだ進化の可能性を持っている事が確信できる。 岸野雄一(スタディスト) スパークスの音楽が1999年のポーラXへと導き、私たちは質度の高い映像に引き込まされ、エンディングのアネットに打ちのめされてしまうのだ。一級品映画人、レオス・カラックス! 北村道子(スタイリスト) 「アネット」はスパークスのロックオペラから着想している。常にロック的であることから逸脱し続けるスパークス兄弟と‘映画’を革命し続けるレオス・カラックスは異母兄弟の様にも感じる。この兄弟達は手強く、深く、魅力的だ。 栗野宏文(ユナイテッドアローズ上級顧問) 「あまりの凄さに絶句。我々はここ何十年、こういう映画を待ち望んでいた。驚異的であることは、映画にとってやはり最高の価値なのだ」 黑沢清(映画監督) ずっと胸ぐらを掴まれているようだ。映画には歌も踊りもあるのに掴んでくる相手は無言。緊張感がある場所を彷徨いながら、新しい自分の器が満たされました。 高良健吾(俳優) 60歳を迎えた“恐るべき子供”は、とんでもない“映像の犯罪”に手を染めた。 映画の定石だけでなく、自らのスタイルをも破壊、“ボーイ・ミーツ・ガール”の先にある愛と反逆を歌いあげるピカレスク・ロマン! カラックスは永遠の“ROCK”な悪童だ。 小島秀夫(ゲームクリエイター) ニューウェイヴの雄スパークスが驚きの参加、レオス・カラックスが、魂の暗部をえぐり出し、心を震わせる。先端を走り続けるスパークスのロックを底力にして、特異で斬新なビジュアル宇宙が展開する。アネットの虚空を震わせる歌声によって、世界はダークサイドを裏返され、美しさを更新した。 サエキけんぞう(作詞家、アーティスト) 待ち焦がれたカラックスの新作、それもあのスパークスとのロックオペラ! 映画館の暗闇で思わず立ち上がりたくなるほどの興奮をぼくらは懸命に抑えねばなりません。今のぼくらは立ち上がることはおろか、呼吸をすることすら許されてはいないのです。 志磨遼平(ドレスコーズ) どんな本音も心の闇も個人情報も包み隠せないパーソナルな歌声。男女の会話は歌にすることで、運命の相手かどうかわかります。 辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト) 映画的興奮に満ち満ちた極上の140分間。 二人は歌いながら幾度となく死に観客を殺す。 深い愛に巻き込まれた僕らはエンドロールが終わる瞬間まで、呼吸の自由を禁じられてしまうのだ。 しんのすけ(映画感想TikToker) 夢幻美と暗示に彩られた映像とアンティークなアートに溢れたロックによって描かれるのは、オペラとしての王道な“愛と死”…?と思いつつ観ていたら、ひょっとすると現実の自分も愛の暴発と死の恐怖に“操られて”いたのかも?という気持ちに。生まれ出た世界に「アネット」がもたらしたものは悲しみだけではなくて、新しい何かへ向かっていく意志の芽生えでもあるのです。 鈴木大介(ギタリスト) ドラクロアの絵の様な深い青が印象的な画面。その中の人物が音楽を奏でながら躍動する。レオス・カラックス監督は絵画と音楽を融合させてこの映画を見事なロックオペラにした。色は歌を歌い、踊り、恋をする。そして奇妙で孤独な終わりを迎える。その時の色を私はまだ決められないでいる。 鈴木博文(moonriders) 2時間20分はあなたの人生のほんの一瞬かもしれない。しかし、この稲妻のような閃光と音響のカーニバルは、失意、幸福、後悔、恍惚、愛と死と共に生きたひとりの男の孤独な数千日の夜から発している。映画館の闇の中でその音光の渦に飲まれよう。あなたの脳には生涯消すことのできないアネットの聖なる痕跡が残るだろう。 諏訪敦彦(映画監督) 長い長いミュージック・ビデオを観ているようで、脳が痺れた。 曽我部恵一(ミュージシャン) 《驚いた…》と言う言葉を使って良いのだろうか… この映画から何を感じたか…それを言葉にするのは《嘘》になってしまう。全てのシーンはこのためにあったのか…!レオス・カラックスはそれを見事に映像と音楽に叩きつけた!《ミュージカル映画》と言う次元を超え、ぼくたちはスクリーンに釘付けだ!「え?これでおしまい…?!」思わずつぶやいてしまった。もっともっと観続けていたい映画だった… 竹中直人(俳優・映画監督) ステージを眺める私達がいる。目線の先には演者が全身を使って声を操っている。美しい旋律。その完璧な美しさの源に、誰かが気付く。歪である、と。それも正しい、自然な事だと私達が言葉にせずとも肯定している時、いつしかその思いは会場中にふわりと充満して、もう元に戻らなくなってしまう。いつからか私達が望んだ事が演者の人生にまで入り込んでいく。最後まで見届けるしかない。 玉城ティナ(女優) 言葉にし難い…。ミュージカル映画?否、これはカラックス映画だ。虚構と現実が混じり、詩的で私的。孤独と血が滲み、切実。英語で歌おうと、御伽噺を紡ごうと、アダム・ドライバーという繊細な猛獣を得ようと、カラックスはどこまでもカラックス。映像言語で苦悩し断絶している。恐るべき子供は変化した。しかし恐るべき子供のままだ。 津田健次郎(声優・俳優) 愛する者を失う、喪失した男の物語をレオス・カラックスは描き続ける。それは彼自身の人生とも重なる。60歳を越えても、新しい映画作りにチャレンジするレオス・カラックスの姿勢に敬服し、励まされました。彼の映画で一番好きです。 豊田利晃(映画監督) 映画でのみ成し得る感動をまたしても発見させられた。カラックスという芸術家の態度が、いつも僕を焚き付ける。 中島歩(俳優) 人生は映画のようにはいかないとみんな言いますが、人生こそが映画なのだと思いました。映画は娯楽だとみんな言いますが、映画は作家性なのだと思いました。なんでも分かった気になるもんじゃないですね。目が覚めました。 永野(芸人) レオス・カラックスが映画の全世紀を映し出す。無声映画があらゆる時代とあらゆる世界に向けて響かせる、映画のフィードバック音と言ったらいいか。その怒涛の洪水がこの闇の世界の地下水脈となり、われわれを新たな世界へと導くだろう。そんなカラックスの幻視の凶暴さに、胸を打たれるばかりである。 樋口泰人(爆音映画祭主宰) はっきり言って、こんな映画は観たことがない。 その上ミュージカルとなると、より一層過去にこんな映画は存在しないだろう。 前々から話題になっていた、例の赤ちゃんの演出。インタビューなどで読んで知ってたけれど、ああなるとは! 観た後、好き嫌いは当たり前ながらあるでしょう。でもこれこそ、百聞は一見にしかず。この映画を観る観ないのために生まれた言い回しなのかもしれない。 藤倉大(作曲家) こんな息を呑むミュージカル映画は初めてでした。マリオン・コティヤールの美しさ、狂気あふれるアダム・ドライバー、ラストシーンのデュエット。映像もとても綺麗で、映画館で思う存分堪能して欲しいです。 前田敦子(女優) 美しきオペラ歌手と傲慢なコメディアンの夫婦のロックオペラ。 父と娘のデュエットは胸に刺さる。 町山智浩(映画評論家) 「恐るべき子ども」と称賛を集めたデビューから、カラックスの作品には必ず、子どもの身ぶりをとらえる印象的なショットがあった。そしてついに今回、子どもをタイトルロールに迎え、「恐るべき子ども」が真に実現される。円環の完成に喝采! 町山広美(放送作家) いつ夢から覚めるんだと思いながら夢の中を突き進んだ。そういえば、これはカラックスの映画だった。カラックスと音楽たちの中に紛れ込むと、雄弁で潔いのに、こんなにもはっきりと五感にモヤがかかる。ロックだった。深呼吸! 松居大悟(映画監督) 理屈ではなく沈み込ませる圧倒的な凄み。芯を打たれた気持ちよさ。ぜんぶ冗談じゃない!映画ってこんな痺れるほどカッコいいんだって生き様を見せつけてくれた。こんな映画があるからやめられない。スクリーンに生存する愚直な怪物たちに称賛しかない。 真利子哲也(映画監督) レオス・カラックス×スパークス!! 顔合わせに驚いたが、双方の「寓話性とロマン」が強力に引きつけ合い、観客から未経験の感情を引き出す凄さに脱帽。人間を越え、至高を目指す芸術と、人間の業を肯定する芸能(お笑い)の愛の結晶たる「アネット」の明日はどっちだ?! 湯山玲子(著述家・プロデューサー)   ▶︎ 「アネット」の第1弾記事はこちら © 2020 CG Cinéma International / Théo Films / Tribus P Films International / ARTE France Cinéma / UGC Images / DETAiLFILM / Eurospace / Scope Pictures / Wrong men / Rtbf (Télévisions belge) / Piano