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  •   クリストファー・ノーラン監督が第二次大戦で世界の命運を握った科学者ロバート・オッペンハイマーの生涯をIMAX撮影で描き、第96回アカデミー賞で作品賞を含む最多7部門を受賞した「オッペンハイマー」が、3月29日(金)より全国公開。「ゴジラ-1.0」が同アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した山崎貴監督とノーランが対談した映像、ならびに渡辺謙ら著名人のコメントが到着した。   https://www.youtube.com/watch?v=YY0S68nwOOM   〈コメント〉 「クリス・ノーラン」僕にとってだけでなく、多くの観客の脳内をかきまわす監督である。 『メメント』から始まって、『インセプション』、『TENET テネット』と時空を彷徨う人達が錯綜する話を手掛け、今度は天才物理学者を描いた『オッペンハイマー』、原子爆弾を開発した男だ。 日本は被爆国でもあり、この映画が日本で公開されるのか心配していた。かく言う僕も恐る恐る試写の席に着いた。 今も、この世界を終わらせてしまうかもしれない爆弾を作った男が、細やかに、エキセントリックに描かれていた。盟友キリアン・マーフィーがそれを丹念に生きていた。だらしなく、誠実で、時代に流されていく男を。 彼の幻覚の中にある、被曝の実態を世界はどう見てくれたのか。日本の観客にとっても観ておくべき作品なのだと思った。 ──渡辺謙 ノーラン監督の作品には常に知的好奇心を刺激される。パーフェクトに近いスペクタクルを完成させながらも、 パンドラの箱を空けてしまったオッペンハイマーという科学者の、善悪が渾然一体となった人間性を浮かび上がらせ、彼の思惑や社会的地位を、時系列を組み替えハードなテーマながらエンターテインメントとして見事に創り上げた。 あの時代に何が起こっていたのか目撃して欲しい。 ──山崎貴(映画監督) 凄まじい映画体験。人類が悪魔を生み出す瞬間を全身震えながら目撃する。 ノーランの最高傑作であり、正攻法で描く反戦映画。間違いなく今年の見るべき一作です。 ──白石和彌(映画監督) 映画の中でいかに物語を伝えるか。数奇な運命に翻弄された実在する人物を紹介するか。 善悪のように単純化されることのない複雑な混沌が渦巻く世界がそこにある。 かつて体験したことのない人生が体感できる。これこそ、新しい映画なのだ。 ──樋口真嗣(映画監督) 映画史に燦然と輝く「市民ケーン」に匹敵する偉業をクリストファー・ノーランは成し遂げた。音と光のインパクトでオッペンハイマーの心奥に飛び込む導入部から、核分裂の連鎖反応のようにぶつかり火花を散らす華麗なる演技陣の対決が続く終盤部まで、ノーランの緻密な映画力学に圧倒される。日本の映画人としては、この大傑作に応ずる形で、破壊の雨(レイン・オヴ・ルイン)を浴びた広島・長崎の人々の姿を克明に描く義務を、震えが来るほど強く感じた。 ──原田眞人(映画監督) 広島・長崎への原爆投下に対する評価。魔女狩りのように吹き荒れた赤狩り。そして最先端科学と軍事の接合(デュアルユース)。アメリカの戦後における3つのダークサイドに、ノーランは正面から切り込んだ。 その手法は徹底して映画そのもの。濁流のようにあふれる映像と音。だからこそ透けて見えるオッペンハイマーの苦悩と絶望。断言できる。間違いなくノーランの最高傑作だ。 ──森達也(映画監督/作家) 「核兵器は狂気の天才のしわざ」なんて逃げ道は、この映画にはありませんでした。 科学は誰にでも微笑みかけるし、私欲はどこにでも罠をはる。けれど、人はいつでも善意を宿すことができる。この映画に関わるすべての人の善意と勇気に感謝するばかりです。 ──こうの史代(漫画家「この世界の片隅に」) 天才物理学者の一生を彩る才気と驕りと判断ミス、静かな没落。悍ましい兵器の開発をつぶさに描き、主人公の視点から遠く離れないことでむしろ破壊をいまだ正視できないアメリカの矛盾と、本人の呵責を鮮やかに炙り出した力作。 ──ロバート キャンベル(日本文学研究者) 心が深く、えぐられました。物理学が世界を変えていく、それが物理学者の生活感情に深く結合している。僕が漠然と感じてきたことが、非常にリアルな体験へと変換され、一挙に心になだれ込みました。僕は、なすすべがありませんでした。本作は物理学者の心に迫る映画であると同時に、人類に問いかける、傑作です。 ──橋本幸士(物理学者) 人類史上初の原爆製造の責任者オッペンハイマーの生涯をクリストファー・ノーラン監督が描く。前半は徹底した機密の実験成功までをリアルに描く。成功に沸くなか、オッピーの心の底には「自分は死神」という悩みが始まる。トルーマン大統領に面会すると彼はその悩みを告白する。トルーマンはこんな弱虫は二度と連れてくるなと言い放つ。後半は、原爆から水爆に進もうとする米国の核政策に抗い、国側の政治家たちと核の非人道性を理解する科学者の対決となって、ついには原子力界から追放される。これは核なき世界が遠のきつつある現在の世界の根本問題にもつながる。ここにノーラン監督の政治家の責任を追求する秘めたメッセージが感じられるのである。 ──朝長万左男(医師/長崎県被爆者手帳の会友の会 会長) あれだけの悲劇を経験してもなお私達は手にしていないものがある。目を逸らし、面倒くさがり、遠ざけているもの。それは「政治」への関与だ。馬鹿馬鹿しい政治家の権力闘争は放置され続け、科学を暴力へと貶めていく。日本人だからこそ、この映画を見るべきだ。 ──堀潤(ジャーナリスト) 『オッペンハイマー』は『アラビアのロレンス』を想起させる。どちらも、明晰で鋭敏で繊細で、しかし評価をめぐって物議を醸した人物の映画だ。謎めいた化学記号のようなその肖像を、クリストファー・ノーランはめざましい手腕で描き上げる。イメージはもちろんのこと、情感やオブセッションを「積み重ねる力」に眼をみはった。 ──芝山幹郎(評論家) この映画は衝撃の連続でした。天才の見ている世界はこうなっているのか、と思わせる美しい映像と音楽の世界観に。歴史の大きな波と人々の思惑が重なり合ったストーリーの重厚さに。世界を変える未知の技術への興奮とその影響力への恐れは、開発者の手を離れたが最後、それらの運命を決めることはできないのでしょう。 人間は知的好奇心を抑え込むことはできない、そして新たな技術を必ずしも望ましい形で利用できるとは限らない。技術の進歩著しい今に生きる私たちに過去の天才達はどんなメッセージを残すのか想像せずにはいられません。 そして、被爆国日本に住む私たちはこの映画から何を感じ、どんなメッセージを世界に伝えられるのでしょうか。 ──トラウデン直美(モデル/タレント) オッペンハイマーは英雄ではなく、矛盾に満ちた人間である。 科学者の研究成果が、国家によって殺人兵器に利用されたため、彼は道義的責任に苦しむことになった。 彼が感じた世界の破滅への危惧は、いま現実となってわたしたちの世界を覆っている。 核の脅威を秘匿する危険性を訴えたために、彼は赤狩りの標的になった。その頃の空気は今の時代にも満ちている。 そして足を踏み鳴らして、彼を英雄として迎える研究所員の姿は、民衆が国家にからめとられる状況を暗示しているようだ。 それゆえ、もう一度観て、核抑止力を信奉する国家とは何か、を考えたい。 ──平岡敬(元広島市長) 数奇な理論物理学者ロバート・オッペンンハイマーに聞こえていた発明の漣(さざなみ)は、想像し難い原爆という全てを飲み込む大波となり、歴史という海原を超えて我々の魂にこだまし、放射能という戦争が生んだ深い痕跡を残してゆく。忘れられない傑作。 ──細木信宏(NY在住映画ライター) 世紀の発見が人類の未来を永遠に変えたばかりか、国にも見放された男の混乱と苦悩をかつてない映画的表現で描き、観客を物語に没入させる。オッペンハイマーの原爆開発を美化するのではなく、想像の範疇を超えた悲劇と後悔に苛まれた研究者の運命を描く“反戦映画”。 ──平井伊都子(LA在住映画ライター) マンハッタン計画を時系列で捉えると単調な人間讃歌になる.予期はできたが予期せぬ結果,その利用と称賛,自己批判,これは研究者当人以外には理解し難い内的葛藤がある.その内的葛藤に切り込んだストーリーを時系列を絡み合わせて提示することで作品としての旨みが作り込まれている.難解か?そんなことはない.何より単純に原子爆弾の圧倒的エネルギーの暴力性が音と光で満ち溢れ,我々の脳裏に様々なカタルシス,畏怖や悲しみを想起させる. ──落合陽一(計算機科学者) 物理学をここまでスリリングに描いた映画は前代未聞だ。しかも極秘の開発プロジェクトの内部を、インサイダーの視点でぼくらに見せてくれる。見事なセリフの刺激は絶えず脳を覚醒する。人類初の核兵器を作ったオッペンハイマーたちこそ、最初のヒバクシャにもなったことが、身にしみる。 ──アーサー・ビナード(詩人/絵本作家) 日本での公開は全世界より大きく遅れた。日本人には過酷過ぎるのか? 否!強烈な反戦映画であり、繊細な科学者の葛藤を想像を超えた編集と大迫力の音響で描くIMAXで見るべき伝記映画などこれまで存在しなかった。 アカデミー賞7部門受賞は伊達じゃない。戦争におけるアメリカの基本精神は今も変わっていないのだ。日本人こそ見るべき映画だ。 ──笠井信輔(アナウンサー) ナチスよりも先に原爆開発に成功することは、ユダヤ人であるオッペンハイマーにとって差別との戦いでもあった。ただその「大成功」は永続的な苦しみの拡大再生産の始まりだった。そこに至るまでのオッペンハイマーの心の動きを追体験できるのが、この映画だ。 ──前嶋和弘(政治学者) 世界を崩壊させるかもしれない、恐ろしく、興奮する場面に居合わせた。 映画「オッペンハイマー」は見る芸術じゃなく、体感する芸術だ。 ──中江有里(女優/作家/歌手) 神の力を手に入れようとする人間、男たちの、情熱と、欲望と、その尊大さと卑小さに戦慄する。その美と恐怖と自己中心的な思考を残酷なまでの緻密さで織りあげ、私たちに体感させる。 ──小林エリカ(作家/マンガ家)   Story 第二次世界大戦時にアメリカで立ち上がった極秘プロジェクト〈マンハッタン計画〉。これに参加したJ・ロバート・オッペンハイマーは、優秀な科学者たちを率いて世界で初めて原子爆弾の開発を成功させる。しかし実戦投入された原爆がもたらした惨状を聞き、彼は深く苦悩。そして冷戦、赤狩りなど激動にのまれていく──。   © Universal Pictures. All Rights Reserved. 配給:ビターズ・エンド、ユニバーサル映画 ▶︎ クリストファー・ノーランが“原爆の父”を描いた「オッペンハイマー」、2024年公開決定
  • 自分らしさを失わずに生きてきた、ある女性の軌跡 人気(ひとけ)のない島内の道を電動カートがゆっくりと走る。目的地は小さなスーパー。顔見知りの店長さんに挨拶し、宮﨑かづゑさんが買い物を始める。レジの横に置かれた大きめの財布からお金を数えて取り出した店長が、品物をカートに乗せる。ハンセン病回復者であるかづゑさんは病気の影響で両手の指を失い、片足も義足だが、90歳を過ぎた現在も自分らしい生き方を続けている。 らい菌によって、主に皮膚や末梢神経などが侵される慢性感染症の一つであるハンセン病。有効な治療薬がなかった時代には筋肉の萎縮、四肢などの変形、視覚の喪失といった、強い後遺症を残す場合があった。らい菌は、感染しても発病に至ることはまれだったが、国は1931年にすべての患者を療養所に隔離することを目指した「癩(らい)予防法」を制定。各県が競って「無癩県運動」を展開したこともあり、患者やその家族に対する社会の偏見と差別は、戦後になっても長く続いた。   そうした中、かづゑさんは1930年に長島愛生園に入所。1930年には同じく患者である孝行さんと結婚し、助け合いながら生活してきた。「作兵衛さんと日本を掘る」(2019)などで知られる熊谷博子監督が8年にわたってかづゑさんと向き合った今作は、タイトル通り、彼女にしかできないやり方で困難を乗り越えてきたひとりの女性の人生の記録だ。映画の冒頭でかづゑさんは「飾っていない患者生活、患者は絶望なんかしていないというところを残したい」と語る。その言葉に応え熊谷監督は、彼女が語る言葉に耳を傾け、その全身にカメラを向ける。体の中に刻み込まれた歴史の重さと、生半可な同情を吹き飛ばすエネルギーの持ち主である、かづゑさん。彼女との出会いに感謝したくなる一本だ。 文=佐藤結 制作=キネマ旬報社 (「キネマ旬報」2024年4月号より転載) https://www.youtube.com/watch?v=BieuL2YNh60&t=1s 「かづゑ的」 【あらすじ】 10歳の時に国立ハンセン病療養所である長島愛生園に入所して以来、約80年にわたってそこで暮らしてきた宮﨑かづゑさん。病気の後遺症で手足は不自由だが、さまざまな工夫をこらし、周囲の手も借りながら夫・孝行さんと仲睦まじく暮らしてきた。78歳でパソコンを覚え、84歳で初の著作『長い道』を発表するなど、常に前を向いて生きてきた、かづゑさんの日常を見守る。 【STAFF & CAST】 監督:熊谷博子 ナレーション:斉藤とも子 配給:オフィス熊谷 日本/2023年/119分/G 2024年3月2日(土)より全国順次公開中 公式HPはこちら ©Office Kumagai 2023  
  •   女子生徒たちの失踪劇を耽美的に紡いだピーター・ウィアー監督作「ピクニック at ハンギング・ロック」(1975)が、4Kレストア版で、5月3日(金・祝)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国順次公開。ポスタービジュアルと予告編が到着した。     1900年のセイント・バレンタイン・デイである2月14日、寄宿制女子学校アップルヤード・カレッジの生徒たちが、二人の教師と共にハンギング・ロックと呼ばれる岩山へピクニックに出かける。規則正しい生活を強いられた生徒たちは、この息抜きを楽しみにしていた。 麓に着くと、磁力のせいか教師たちの時計が12時ちょうどで止まる。マリオン、ミランダ、アーマ、イディスの4人は、岩を測定すると言って岩山を登り始めるが、イディスは途中で怖くなり帰還。残りの3人と教師のマクロウが、そのまま姿を消した──。   https://www.youtube.com/watch?v=5gSbjGJcjz8   英国アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞し、ピーター・ウィアーを〈オーストラリア・ニューウェイヴ〉の代表的監督に押し上げた本作。ソフィア・コッポラの「ヴァージン・スーサイズ」に影響を与え、ファッション界ではラフ・シモンズやアレキサンダー・マックイーンがインスピレーション源として言及している。 約40年前に日本で劇場公開されたのは116分のオリジナル版だが、今回は107分のディレクターズ・カット版。“美しき謎”がスクリーンに甦る。     「ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版」 監督:ピーター・ウィアー 脚本:クリフ・グリーン 原作:ジョーン・リンジー 撮影:ラッセル・ボイド 出演:レイチェル・ロバーツ、アン=ルイーズ・ランバート、ドミニク・ガード、ヘレン・モース 1975年/オーストラリア/カラー/107分/英語 提供:JAIHO 配給:グッチーズ・フリースクール © PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975 https://picnic-at-hanging-rock-jp.com
  •   山田風太郎の伝奇ロマン長編『八犬伝』が、主演に役所広司、共演に内野聖陽、土屋太鳳、磯村勇斗、黒木華、寺島しのぶを迎えて映画化。監督は「ピンポン」や「鋼の錬金術師」シリーズの曽利文彦が務める。10月より全国公開。     里見家の呪いを解くために八犬士が戦う《虚》パートと、その180話に及ぶ物語を28年かけて書き上げた滝沢馬琴を描く《実》パートが交錯。 滝沢馬琴役を役所広司、親友の葛飾北斎役を内野聖陽、八犬士の命運を握る伏姫役を土屋太鳳、馬琴の息子・宗伯役を磯村勇斗、宗伯の妻・お路役を黒木華、馬琴の妻・お百役を寺島しのぶが務める。   〈コメント〉 役所広司 28年掛けて書き上げた「南総里見八犬伝」。 成し遂げられたのは、親友、葛飾北斎と家族たちの献身的な支えがあった。 読本作家 滝沢馬琴の几帳面な生活と彼が生み出す絢爛豪華な活劇。 果たして馬琴にとってどちらが《虚》で、どちらが《実》なのか? 映画館でお楽しみ下さい。 内野聖陽 北斎は晩年、多くの物語から触発され絵を描き、そして馬琴は、北斎の絵に触発され、筆を走らせた。ジャンルの違う芸術家同士が、インスピレーションを与え合っていたなんて素晴らしいことです。 馬琴が創作活動で悶え苦しむほど、《虚》の世界の八犬士たちの華やかでケレンのある世界が輝きを増す。それは、まるで「鬼滅の刃」の世界。北斎はそんな馬琴を面白がりながらも一番の理解者として愛情深く見つめ、時には喧嘩も罵り合いもする存在。 そんな二人の関係は人間らしくて、オモシロく、お互いにとってなくてはならない存在であったことが感じられます。 馬琴が北斎との友情の中で育て上げた「八犬伝」。家族を抱え、ままならない現実に悶えながらも、華やかで正義感に満ちた作品を描いていく様は本当に見応え十分です!劇場の大きなスクリーンで、この迫力ある世界を楽しんで頂けたらと思います! 土屋太鳳 伏姫は、子どもの頃からの憧れの存在。その魅力は語り尽くせないけれど、私が思う一番の魅力は、包容力です。一見“自己犠牲”に見えながら、実は誰よりも能動的に物語を牽引し、守るべきものを守り通す。憧れます。 現代の技術があってこそ実現できる「伝説のリアル感」が、《虚》パートの大きな魅力ではないかと思います。夢中で本を読んでいると、頭の中に物語の世界が縦横無尽に広がりますが、その感覚と同じ興奮を覚えました。とても新鮮だと感じる一方で、不思議な現実味があるように感じました。人には「起きている時」と「眠っている時」がありますが、その両方を意識が行き来しながら生活している感覚に、少し似ているのかもしれません。伏姫が取り組んだ使命は、現代においても、大切な課題だと思います。見失ってはいけないものを、人は簡単に見失ってしまう。なぜなのか、そして、どうすれば取り戻せるのか…伏姫の祈りを、どうか受け取って下さい。 磯村勇斗 宗伯は父・馬琴に確固たる忠誠心と敬意を持った息子です。今回、そんな息子役で役所さんと初めて共演させていただき、父・馬琴として、俳優として、大きな背中を近くで見ることができ、とても実りある撮影時間を過ごすことができました。「八犬伝」をご存知の方もそうではない方も楽しめる作品で、《実》パートと《虚》パートそれぞれの物語がクロスしていく描き方は必見です。ぜひ劇場でご覧頂けたら嬉しいです。 黒木華 お路は“表に出さない強さ”を秘めた女性だと思います。何があっても静かに耐えて感情を出さなかったお路が皆の想いを受け、「この物語は絶対に残さねばならない」と馬琴と共に「八犬伝」を完成させようとしていく姿には強い意志を感じました。 多くの作品を拝見させていただき、いつかご一緒したいと願っていた役所さんとの共演は光栄でした。馬琴の悔しさや、目が見えなくなっていく過程のお芝居も圧巻でした。 “現実”と“物語”を行き来する今作を、是非楽しんでもらえると嬉しいです。 寺島しのぶ お百は役所さん演じる馬琴に、ひたすら怒鳴りつけて気持ちをぶつける役で台詞も早く巻くしたてないといけなかったので苦労しましたが、久々の共演となる同期生の内野くんもいたので安心してお芝居ができました。「八犬伝」のスペクタキュラーな《虚》の世界と私たちの《実》のパートがどうリンクしていくのか、楽しみにしていて下さい。 曽利文彦監督 「日本が世界に誇る役所広司さんに馬琴を演じてもらいたい!」 すべてはこの想いからスタートしました。「そして北斎は、これまた日本を代表する俳優の内野聖陽さんに!」 このお二人の夢の共演が叶ったときの監督としての喜びは、言葉にできるものではありません。 『八犬伝』は、その作品と生きざまにおいて“正義”を貫いた一人の作家の物語です。複雑多様化した現代社会を頑張って生き抜いているからこそ、このシンプルな“正義”が深く心に突き刺さります。虚実入り乱れる大胆な構成と、「八犬伝」ファンの皆さんは現在の最新映像技術で蘇る新しい『八犬伝』の姿を、そして日本の漫画やアニメが大好きな皆さんはその原点の物語をぜひ楽しんでください!   「八犬伝」 原作:『八犬伝 上・下』山田風太郎(角川文庫刊) 脚本・監督:曽利文彦 出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、磯村勇斗、黒木華、寺島しのぶ 配給:キノフィルムズ 製作:木下グループ 制作:unfilm ©2024『八犬伝』FILM PARTNERS. 公式サイト:https://hakkenden.jp
  • 第96回キネマ旬報ベスト・テンで新人男優賞に輝いた目黒蓮(Snow Man)が、連続ドラマ単独初主演を務め、2023年7月期にTBSの金曜ドラマ枠で放送された連続ドラマ『トリリオンゲーム』のBlu-ray&DVD BOXが、3月15日に発売された。 本作は、『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載中の原作・稲垣理一郎、作画・池上遼一による同名漫画を実写化したノンストップ・エンターテインメント。目黒演じる“世界一のワガママ男”のハルと、佐野勇斗扮する“気弱なパソコンオタク”のガクという、まさに正反対の2人が、ゼロから「トリリオンゲーム」社を起業。型破りな方法で1兆ドル(トリリオンダラー)もの大金を稼いで、この世のすべてを手に入れようと成り上がっていく過程を痛快に描き出し、「俳優・目黒蓮のイメージを一新し、さらに可能性を広げたドラマ」として放送時から大いに話題を集めた。去る2月には、ドラマの公式X(@trillion_tbs)にて、2025年に同キャストで実写映画化されることも発表され、「ハルとガクが帰ってくる!」と、早くも期待が高まっている。 就活中の大学生・ハル(目黒)は、日本最大のIT企業「ドラゴンバンク」の採用面接で、中学の同級生だったガク(佐野)と再会する。天性のコミュニケーション能力とハッタリで同社の内定を獲得したハルだったが、内定式当日、ガクが不採用だったことを知り、ガクの豊富な知識とプログラミングスキルを見抜けなかった同社に見切りをつけ、内定を辞退。最終面接で面接官を務めていた社長令嬢もろとも「ドラゴンバンク」を手に入れてやる! と高らかに宣言。ガクと組んで1兆ドルを稼ぐロードマップを描き、“何者でもない二人“が、スタートアップ企業の成長に必要な才能を求め、能力があるのにそれを発揮出来ずにくすぶっていた人たちを仲間に引き入れながら、知恵と度胸と確かな技術を武器に、大企業「ドラゴンバンク」からの度重なる妨害を潜り抜け、夢へと続く道を猛スピードで駆け上がる――。人の心の裏の裏をかいて攪乱していくハルの手腕により、何が起きるかわからない予測不能な展開でありながら、成功した彼らの未来像(=ゴール)もあらかじめ提示するという、“スリルと安心”を兼ね備えたロールプレイング型のエンタメ作品であるともいえるのだ。   ヲタ芸、歌舞伎町ナンバーワンホスト…“目黒蓮”の新境地を切り拓く、新キャラの見本市!   社会現象ともなったドラマ『silent』(フジテレビ系)や、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)をはじめ、「月の満ち欠け」(2022年)や「わたしの幸せな結婚」(2023年)といった映画作品を通じて、「俳優・目黒蓮の沼にハマった」という読者もきっと多いことだろう。だからこそ『トリリオンゲーム』で目黒が演じた、ハッタリをかまして狙った相手を次々と手玉に取っていく“天性の人たらし”であるハルというキャラクターを目にし、「物静かで愁いのある、自分の知っている“目黒蓮像”とはかけ離れすぎている」と違和感を覚えた人も少なからずいるに違いない。だが、いわゆるハマり役ばかりが続いていると「気付いた時にはそこから抜け出せなくなっていた」というケースも、これまでたくさん目にしてきたはずだ。 今回目黒が挑戦したハルという役柄は、ドラマの解禁時に目黒本人が「自分とは真逆のキャラクターなので、自分がどれだけ演じられるのか不安もありますが、ワクワクしています」とコメントしていたように、すでに固まりつつあった目黒蓮像を見事に打ち砕くほどの強烈なインパクトを視聴者に与えると共に、ガクを演じる佐野との化学反応によって生みだされた素晴らしいコンビネーションプレーに心躍らされるという、新たな発見までもたらした。 そういった意味で本作は、ここからさらに進化を遂げるであろう「俳優・目黒蓮」を語る上で欠かせない作品であると言っても過言ではない。というのも、本作で目黒は、まさにそこに居るだけで圧倒的オーラを放つビジネスマンの姿のみならず、神主に扮した姿や「Snow Man」メンバーの佐久間大介に教えてもらったというキレッキレのヲタ芸、さらには、歌舞伎町のナンバーワンホストの座をかけて、ハルの“本気の口説きテク”まで、いくつもの顔を披露しているからだ。「こんな目黒蓮、見たことない!」が、詰まった新キャラの見本市でもあると同時に、そこに滲む目黒自身の魅力も引き出しながら、俳優としての可能性を広げるという、一本の作品の中で何度も“味変”できる役を演じられる機会は、そうあることではない。   今田美桜、福本莉子、吉川晃司ら、目黒と共演経験のある俳優陣との再タッグにも注目!   ハルとガクを取り巻く個性溢れるクセ強な登場人物として、「ドラゴンバンク」の社長令嬢であり、クールで強欲な才色兼備の桐姫(きりひめ)こと、黒龍キリカを今田美桜。ハルとガクが起業した会社の堅物な新入社員で、ハルが社長に大抜擢する高橋凜々を福本莉子。桐姫のボディーガード兼秘書の長瀬忠則を竹財輝之助。ハルとガクに出資する謎の投資家・祁答院(けどういん)一輝を吉川晃司。桐姫の父で、ハルとガクの前に立ちはだかる怪物経営者・黒龍一真を國村隼…と、若手からベテランまで、目黒との共演歴もある俳優陣を随所に配した上で、ハルたちが仲間に引き込むゲーム会社「SAKUSAKULAB」の社長・桜心護を、「はらめぐ」コンビとして親しまれてきた目黒の盟友で、事務所の同期・原嘉孝が演じていることも、これまで目黒蓮を追って来たファンの心をくすぐるポイントと言えるだろう。 特典映像として、未公開シーンを含む見どころ満載の番宣ナビ番組や、トリリオンゲーム社設立発表会見&ドラマ制作発表の模様。上記以外のキャストも含んだクランクアップ集のほか、顔合わせ直後の目黒と佐野による幾分ぎこちないSPインタビュー第一弾・第二弾に加え、メインキャストが札束に埋もれて満面の笑みを浮かべるポスター撮影メイキング映像、PR集(30秒の番組予告)も収録。本編の4話・7話・10話が、ドラマ放送時に「泣く泣く落とした」シーン(約4分)を復活させた、オリジナルマスターであるのも見逃せない。 スリルや逆境さえも楽しみながら、人生というゲームを進めていく様を歌い上げ、「中毒性のある主題歌」としてドラマを大いに盛り上げてくれたSnow Manの楽曲「Dangerholic」と本編を何度もリピートしながら、映画版『トリリオンゲーム』の公開情報を待ちわびたい。   文=渡邊玲子 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=KKHgV8mqmIc   『トリリオンゲーム』 ●3月15日(金)Blu-ray&DVD BOXリリース(レンタル同時) Blu-ray BOXの詳細情報はこちら DVD BOXの詳細情報はこちら ●Blu-ray BOX 価格:32,340円(税込) 【ディスク】<4枚組(本編ディスク3枚+特典ディスク1枚)> ●DVD BOX 価格:26,400円(税込) 【ディスク】<6枚組(本編ディスク5枚+特典ディスク1枚)> 【Blu-ray&DVD共通】 ★仕様★ ・キラキラ・ホログラム仕様ケース ★映像特典★ ・未公開シーン含む番宣ナビ番組、トリリオンゲーム社設立発表会見&ドラマ制作発表、クランクアップ集、SPインタビュー第一弾、SPインタビュー第二弾、ポスター撮影メイキング、PR集 ★封入特典★ ・特製ブックレット(16P) ●2023年/日本/本編464分/特典82分 ●原作:稲垣理一郎 作画:池上遼一『トリリオンゲーム』(小学館 ビッグコミックスペリオール連載) ●脚本:羽原大介 ●演出:村尾嘉昭、竹村謙太郎、田中健太 ●主題歌:Snow Man / 「Dangerholic」(MENT RECORDING) ●出演:目黒 蓮(Snow Man)  佐野勇斗 今田美桜 福本莉子 竹財輝之助 / 吉川晃司 國村 隼 ●発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:TCエンタテインメント ©稲垣理一郎・池上遼一/小学館 ©TBSスパークル/TBS