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「ふから始まるもの」の検索結果
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60年以上もの統治で清王朝の全盛期を築いた第4代皇帝・康熙帝(こうきてい)。《三藩の乱》《鄭氏台湾の征服》《新しい税制度の導入》などで知られるが、それらの陰に隠れた業績《黄河の治水》にスポットを当て、圧倒的スケールで描いた時代劇が『康熙帝~大河を統べる王~』だ。 8月7日(水)のDVD-BOX3リリースに合わせ、張挺監督のインタビューが一部公開された。 ──本作を作ろうと思ったきっかけは何でしょうか? 張挺 この作品は、私がとある史料に触れたことがきっかけで制作しました。それは靳輔が康熙帝宛てに書いた遺書です。遺書には彼自身の人生について語られることはなく、また残された家族に対しても一切要望が記載されておりませんでした。 そこには、彼と治水で共に戦った陳潢との思い出ばかりが綴られていたのです。その中で私が最も心を打たれたのは、「陳潢は無実の罪を着せられたまま死んだので、彼の無罪を証明できなければ、陳潢の魂に顔向けできない。」、「親友を裏切るような人間にだけはなりたくない。」という部分です。この遺書からは彼らの友情がこれでもかと溢れ出し、涙なしでは読むことができません。 私はこの遺書からドラマの構想を練り、2人の生涯にわたる“友情”と彼らの成し遂げた“偉業”を再現したいと思いました。彼らの死から30年後、人々は黄河に寺を建て、彼らを黄河の神と称えています。 中国では古代から、聡明で正直な人、また自分の損得にとらわれず国に人生を捧げる人を“神”と言い表してきました。彼らは“中華民族の守り神”と呼ぶに値する人だと言っても過言ではないと思います。彼らは私たちの誇りであり、この献身的な姿勢は後世の人々の鏡となることでしょう。これが本作を制作した最初の目的であり、最終目的でもあります。 ──史実に基づく作品だとお聞きしましたが、撮影開始から完成までどのくらいの月日をかけられたのでしょうか? 張挺 史実に基づくというよりは、主人公の信念に焦点を当てて描きました。歴史がすべて正しいとは限りません。しかしながら400年近く経った今でも、主人公2人の像は黄河に沿って多数存在しており、恩恵を受けた後世がどれだけ彼らに敬意を払ってきたのかが見て取れます。 彼ら2人は生前あらゆるデマや野心家から妨害されてきましたが、最終的に誤解が解け、彼らの無実が証明されました。これが私の歴史への理解です。 全話撮影時間を計算すると120日に及びます。最南端の浙江から最北端の内モンゴル、青海までの広い範囲で行い、夏から翌年の春までかかりました。 Story 康煕15年、長雨により皇帝(ルオ・ジン)の願いもむなしく黄河が氾濫し、甚大な被害が発生。先頭に立って堤防を守っていた安徽巡撫の靳輔(ホァン・チーチョン)は、責任を問われて都に移送される。その途中で彼は、科挙試験のために上京していた陳潢(イン・ファン)に出会い、その才能を朝廷に伝える。 《三藩の平定》《漕運(水運)》《黄河の治水》に注力していた康煕は、清廉で実直な靳輔を河道総督に任じ、科挙試験には落第したものの治水の知識と情熱は確かな陳潢を幕僚として登用。こうして靳輔と陳潢は、利権をめぐる役人たちの汚職に翻弄されながらも、黄河の安定を目指して大工事に挑む──。 『康熙帝~大河を統べる王~』 8月7日(水)DVD-BOX3リリース 価格:17,600円(税込) ▶︎ 詳細はこちら 出演:ルオ・ジン(羅晋)、ホァン・チーチョン(黄志忠)、イン・ファン(尹昉)、シー・メイチュアン(奚美娟)、リャン・グァンホア(梁冠華)、ゴン・レイ(公磊) 監督・脚本:チャン・ティン(張挺) 2022年/中国/全3BOXで40話 発売元:ポニーキャニオン、フォーカスピクチャーズ 販売元:ポニーキャニオン © 2022 China Huace Global Media Co., Ltd.
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差別や嫉妬を乗り越え、最高位を目指すバレエ少女「ネネ -エトワールに憧れて-」
2024年8月7日世界最古の歴史と格式を持つパリ・オペラ座のバレエ学校を舞台に、最高位であるエトワールを目指す少女ネネの姿を描いた「ネネ -エトワールに憧れて-」が、11月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開される。ポスタービジュアルが到着した。 ヒップホップが溢れるパリ郊外の街で育った黒人少女ネネ。パリ・オペラ座バレエ学校の入学試験に見事合格し、レッスンに励んで才能を開花させていく。 だが、かつてエトワールだったマリアンヌ校長は「バレエは白人のもの」という伝統に固執し、ネネを邪険に扱う。また、ネネに嫉妬する同級生たちの嫌がらせも始まる。バレエを続けるべきか思い悩むネネだが、そんな中でマリアンヌの秘密が明らかに……。 新鋭ラムジ・ベン・スリマンが監督を務め、ネネ役にルイ・ガレルとヴァレリア・ブルーニ・テデスキの養女であるオウミ・ブルーニ・ギャレルを抜擢。マリアンヌ校長役にはマイウェン、オペラ座の演出家役にはセドリック・カーンという一流監督でもある二人を配している。 そして、ストリートダンス振付をコンテンポラリーダンスの新星メディ・ケルクーシュ、クラシックダンスアドバイザーをパリ・オペラ座の現役ダンサーであるジュリアン・メザンディが担当。さらにエトワールのレオノール・ボラックが、本人役で踊りを披露する。 バレエの美しさと厳しさ、人種差別などを見つめつつ、ネネおよび周囲の人々の成長を描く感動作だ。 「ネネ -エトワールに憧れて-」 監督・脚本:ラムジ・ベン・スリマン 撮影:アントニー・ディアス 編集:バジール・ベルキリ ストリートダンス振付:メディ・ケルクーシュ クラシックダンスアドバイザー:ジュリアン・メザンディ 出演:オウミ・ブルーニ・ギャレル、マイウェン、アイサ・マイガ、スティーヴ・ティアンチュー、セドリック・カーン、レオノール・ポラック 2023年/フランス/フランス語/97分/カラー/5.1ch/シネマスコープ 字幕翻訳:星加久実 原題:Neneh Superstar 後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ、ユニフランス 配給:イオンエンターテイメント © 2023 GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA – GAUMONT ANIMATION 公式サイト:neneh-cinema.com -
鈴木亮平と有村架純が兄妹役。直木賞受賞作を映画化した前田哲監督作「花まんま」
2024年8月7日ある兄妹の不思議な体験を描き、2005年に第133回直木賞を受賞した朱川湊人の短編集『花まんま』が、鈴木亮平と有村架純を主演に迎え、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」「そして、バトンは渡された」の前田哲監督により映画化。2025年春に全国公開される。ファーストビジュアルが到着した。 大阪の下町に二人きりで暮らす俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)の兄妹。俊樹は死んだ父との約束通り、どんなことがあってもフミ子(有村架純)を守ってきた。やがてフミ子の結婚が決まり、俊樹の肩の荷は下りるはずだったが、遥か昔に二人で封印したフミ子の《秘密》が今になって甦り……。 《花まんま》とは、子どもがままごとで作る“花のお弁当”のこと。兄妹の思いがあふれる物語に注目したい。 〈コメント〉 鈴木亮平(加藤俊樹 役) 本作は、兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品です。 また、時代が変わっても僕たちが「結婚」というものに感じる不思議な感情の正体を、自分でも見つけてみたいと思って臨みました。 演じた俊樹はぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間です。 関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした。 同じ関西人である有村さんや前田監督ともたくさんコミュニケーションを取り合い、『花まんま』の世界を一緒に作り上げることができたと自負しています。 有村架純(加藤フミ子 役) ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて。 兄やんとの日々はとても不思議でした。 生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました。 花まんまが導く大きな家族の物語。皆さんに届くと良いなと思います。 前田哲(監督) 小説『花まんま』に出会ってから15年余りの年月が経ちます。 ずっと心から離れない「大切な愛しい人を思い続ける」切なくも優しい物語を、 映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました。 映画では小説にある小さな兄妹のその後も描いています。 初顔合わせの二人、鈴木亮平さんと有村架純さんが、 数十年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、 スクリーンの中で存在しています。 撮影は春に実際の舞台となる近畿圏で終えて、今は仕上げの真っ最中です。 しばし完成まで、楽しみにお待ちください。 朱川湊人(原作) 私が書いた『花まんま』は八十枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった『花まんま』です。 「花まんま」 出演:鈴木亮平、有村架純 原作:朱川湊人『花まんま』(文春文庫) 企画協力:文藝春秋 監督:前田哲 脚本:北敬太 配給:東映 ©2025「花まんま」製作委員会 公式サイト:https://hanamanma.com -
空爆で亡くなった子たちを追悼「忘れない、パレスチナの子どもたちを」
2024年8月7日2021年5月の11日間、イスラエル軍によるガザへの空爆で少なくとも67人の子どもが亡くなった。このニュースを見たイギリス人のマイケル・ウィンターボトム監督が、パレスチナ人のモハメッド・サワフ監督と協力し、若い犠牲者を追悼すべく撮り上げたドキュメンタリー「忘れない、パレスチナの子どもたちを」が、10月4日(金)より新宿K’s cinema、アップリンク吉祥寺、アップリンク京都ほか全国で順次公開される。 空爆で家族を失った子たちの表情にフォーカスしたビジュアルが到着した。 マックス・リヒターの音楽とともに、アーカイブ映像と個々人の証言を通し、子どもたちについて物語る本作。アップリンクでは1人分の鑑賞料より100円が、ガザの子どもを支援する団体に寄付される。 〈メッセージ〉 戦争の厳しさにもかかわらず、撮影中に家族の話を聞き、子どもたちを失った悲しみを目の当たりにしたとき、彼らの反応は戦争そのものの経験よりも私たちにとってつらいものでした。 ──モハメッド・サワフ監督 遠い国の戦争について聞いても、あまり心配しないのは簡単です。この映画は、子どもたちと、彼らを悲しむ家族に声を与えようとしています。人々が彼らの話を聞けば、彼らは忘れ去られることはないでしょう。 ──マイケル・ウィンターボトム監督 「忘れない、パレスチナの子どもたちを」 ナレーション:ゾーイ・ウェイツ(英語版) 監督:モハメッド・サワフ&マイケル・ウィンターボトム 撮影監督:サラ・アルハウ 音楽:マックス・リヒター 編集:マイケル・ウィンターボトム&オットー・ヒルズ・フレッチャー 録音技師:メルワン・アル・サワフ サウンドエディター、リレコーディングミキサー:ロバート・ファー カメラオペレーター:ハソナ・アルジェルジャウ カメラアシスタント:モハメッド・カデル プロデューサー:ベン・ピアース、ハシム・アルサラフ、モハメッド・サワフ、マイケル・ウィンターボトム エグゼクティブプロデューサー:メリッサ・パーメンター イギリス/2022年/英語・アラビア語/84分/DCP/カラー 原題:ELEVEN DAYS IN MAY 日本字幕翻訳:M.Nakamura 字幕監修:師岡カリーマ・エルサムニー 配給・宣伝:アップリンク ©Revolution Films 2022 -
名優ジャンヌ・モローが監督した3作を公開〈映画作家 ジャンヌ・モロー〉
2024年8月7日フランスを代表する女優ジャンヌ・モロー(1928-2017)。その監督作を特集する〈映画作家 ジャンヌ・モロー〉が、10月11日(金)より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次開催される。上映作は「リュミエール」(1976/日本劇場初公開)、「思春期」(1979)、「リリアン・ギッシュの肖像」(1983/日本劇場初公開)の3本。ビジュアルが到着した。 オーソン・ウェルズ、フランソワ・トリュフォー、ルイ・マル、ルイス・ブニュエルら巨匠・名匠による名作の数々に出演してきたモロー。映画への情熱と好奇心は、監督としても発揮された。 40代で初監督を務めたモローの映画には、「私は女たちを称賛している。ありのままの姿を彼女たちに示そうと思った。男たちが示す形ではなく」という言葉通り、さまざまな年代の女性たちの率直な言葉や姿が映し出される。 監督デビュー作の「リュミエール」は、女優4人を主人公に映画業界を内部から描く作品で、モロー自身の半生を彷彿させる。女優の一人であるサラをモローが演じ、ドイツの名優ブルーノ・ガンツも出演、音楽はタンゴを革新した作曲家アストル・ピアソラが手掛けている。 [caption id="attachment_40581" align="aligncenter" width="850"] 「リュミエール」 LUMIÈRE © 1976 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS[/caption] 「思春期」は戦争の足音が迫る1939年の夏、少女マリーの忘れられない夏休みを丹精込めて紡いだ名作。大女優シモーヌ・シニョレが孫を優しく見守る祖母を演じている。日本では1986年に「ジャンヌ・モローの思春期」のタイトルで劇場公開された。 [caption id="attachment_40582" align="aligncenter" width="850"] 「思春期」 L’ADOLESCENTE © 1979 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS[/caption] 「リリアン・ギッシュの肖像」は、サイレント時代から活躍する伝説的女優リリアン・ギッシュに迫ったドキュメンタリー。ギッシュとの対話から浮かび上がる映画の歴史、そして好奇心に満ちた人生に胸が熱くなる。 [caption id="attachment_40584" align="aligncenter" width="850"] 「リリアン・ギッシュの肖像」 LILLIAN GISH © 1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS[/caption] 映画史の陰に隠れていたモロー監督作、現代的視点で見返すべき時が来た。 [caption id="attachment_40587" align="aligncenter" width="850"] ジャンヌ・モロー © 1976-1979-1983 FONDS JEANNE MOREAU POUR LE THÉÂTRE, LE CINÉMA ET L’ENFANCE. TOUS DROITS RÉSERVÉS[/caption] 〈映画作家 ジャンヌ・モロー〉 提供:キングレコード 配給:エスパース・サロウ 宣伝:プンクテ 公式サイト:jeannemoreau.espace-sarou.com