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韓国ドラマの新しい楽しみ方 共感と感動を呼び覚ます! 耳で見るドラマ、“みみドラ”とは?
2025年1月10日ドラマを「聴く」体験は脳を活性化する効果も! 大好きな韓国ドラマが、作業中や散歩中、家事をしながらでも、楽しめたら……。そんな思いから誕生したのが“みみドラ”。韓国ドラマの大ヒット作を、日本の声優が演じるオーディオブックである。 目に浮かぶような情景描写と、臨場感溢れる声優の演技で、新しいドラマ体験を楽しめる。脳科学的にも見ても、五感のなかで脳に最初に刺激を伝えるのは、聴覚だそう。そこから脳全体に刺激が伝わって活性化されるので、音に注意を傾けることは、感情を大きく揺さぶる効果も期待できる。 現在は、パク・ソジュンが演じた『彼女はキレイだった』『キム秘書はいったい、なぜ?』などのラブコメディからサスペンスまで、4作品がラインアップ。懐かしい名場面が音から蘇る……そんな“みみドラ”の世界を、一度体験してみては。 韓国でのオーディオブック事情 日本のオーディオブック市場は、認知度の広がりや、声優やナレーターが朗読した書籍、講演や話芸といった多彩なコンテンツが選べるようになったことで、市場は年々拡大中。 一方、韓国ではホラーなどを楽しめるラジオドラマやウェブトゥーンやウェブ小説を脚色したオーディオブックが人気。読書プラットフォーム『Welaaa』や『ミリの書斎』では、ウェブ小説のオーディオブックをメインにしているほど。ドラマや映画の原作となるウェブ小説もオーディオブックを選べ、書店では、朗読の入ったUSBと本がセットで売られているという。 また、俳優やアーティストといった著名人が、“才能寄付”(才能を生かしてボランティア活動すること)の一環として朗読に参加することも。大韓航空機内でも、映画「パラサイト 半地下の家族」や、ドラマ『Missナイト & Missデイ』のイ・ジョンウンや、ドラマ『朱蒙〔チュモン〕』『朝鮮心医ユ・セプン』のソン・イルググなど俳優が朗読するコンテンツがあるので、試してみては? 声優、音楽家が語る“みみドラ”と作品の魅力とは? “みみドラ”の声を担当した声優陣にオーディオブックの魅力を聞いてみた。プロだからこそ感じた“みみドラ”の推しどころはどんなところにあるのだろうか? 『カンテク~運命の愛~』『ブラッドハウンド』などで、主演の声を担い、『ヴィンチェンツォ』で主人公のヴィンチェンツォ・カサノを担当した浜田洋平は、「朗読のみのドラマは、聴き手の想像力によって作品が完成し、それぞれの作品となるのが魅力です」 『キム秘書はいったい、なぜ?』の大ファンで10回は繰り返し見たという、自称“キム秘書”オタクで、キム・ミソ役を任された望見は、「朗読を通してキャラクター一人ひとりを、聞き手の頭の中で映像フィルムとして創り出していただけるのが、オーディオブックの魅力」だと教えてくれた。 「耳で見るドラマ みみドラ」の声とともに、弾むようなサウンドロゴは、“みみドラ”にちなみ、「ミ、ド、ラ」の3音で作成している。「オールド・ボーイ」「建築学概論」など、映画音楽やドラマ『冬のソナタ』『静かなる海』、平昌2018パラリンピック冬季競技大会の開・閉会式の音楽監督を務めた音楽家イ・ジスが手掛けている。 「決められた音で製作するという体験は初めてで興味深かったです。多くの作曲家たちがバッハの名前にちなんでシラドシ♭でメロディを作るのですが、今回の作業もそのような伝統を思い出させてくれました。声優さんの声が落ち着いたトーンだったので、それに合わせて、爽やかで一度聞けばメロディが記憶に残るものにしました」 自然に口ずさんでしまう軽やかなサウンドロゴに導かれ、声優陣の熱演が相まると、目の前にドラマの世界が広がっていく。瞬く間に非日常体験に誘う“みみドラ”の世界を体感してみては。 文=田中絵真 制作=キネマ旬報社 【作品データ】 『彼女はキレイだった』 著者 チョ・ソンヒ ナレーター 髙松愛、岡村明香、高梨謙吾、藤田曜子、伊勢文秀、兼政郁人 再生時間 全2巻/第1巻11 時間 25 分、第2巻10時間19分 『キム秘書はいったい、なぜ?』 著者 ペク・ソヌ, チェ・ボリム ナレーター 岡村明香、望見、芽衣、許綾香、住谷哲栄、安田隆矢、斉藤隼一 再生時間 全2巻/第1巻11 時間 53 分、第2巻11 時間 12 分 『シグナル』 著者 キム・ウニ ナレーター 盆子原康、竹内栄治、國分和人、大西綺華、櫻庭有紗 再生時間 全2巻/第1巻10 時間 14 分、第2巻10 時間 56 分 『ヴィンチェンツォ』 著者 パク・ジェボム ナレーター 渡辺紘、浜田洋平、柴野嵩大、藤田曜子、吉田麻実 再生時間 全3巻/第1巻11 時間 26 分、第2巻12 時間 23 分、第3巻11 時間 21 分 (コピーライト) 『彼女はキレイだった』©2023 MBC, Cho sung hee, COPUS JAPAN (P)2023 COPUS JAPAN/『キム秘書はいったい、なぜ?』原作 JEONG GYEONG YUN 発行 Gaha Booksウェブトゥーン<もう秘書はやめます>原作 KIM MYEONG MI 発行 YJ Comics 配給 Kakao Entertainment©2024 STUDIO DRAGON, Baek Seon woo, Choi Borim, COPUS JAPAN (P)2024 COPUS JAPAN/『シグナル』©2024 STUDIO DRAGON, Kim Eun hee, COPUS JAPAN (P)2024 COPUS JAPAN/『ヴィンチェンツォ』©2024 STUDIO DRAGON, Park Jae beom, COPUS JAPAN (P)2024 COPUS JAPAN 参考文献『「音楽する」は脳に効く 弾く・聴く・歌うで一生アタマは進化する』(Gakken)/MDB Digital Search “みみドラ”を知るならこちらをチェック! 『韓国テレビドラマコレクション2025』 2002年よりキネマ旬報社が毎年発行してきた‟元祖”韓国テレビドラマムックです。2025年版の表紙は、キム・ヨンデ。若手俳優のなかでも出色の存在で、『損するのは嫌だから』『昼に昇る月』『完璧な家族』と、出演作が軒並み話題に。2025年も注目ドラマの放送が控えるネクストスターが、本誌だけに今の気持ちを語ってくれました。巻頭特集は、『2024韓国ドラマ徹底解剖』。旬の俳優や、精鋭執筆陣による2024年の推しドラマをピックアップ。韓国の地上波KBSドラマを初めて演出した、行定勲監督のインタビューを掲載。制作サイドから韓国ドラマの魅力に迫ります。OST、オーディオブック、ドラマの原作本と、韓国ドラマを多角的に楽しむ方法をご案内。さらに、2024年の韓国映画事情からおすすめ映画レビューまで。2024年に話題になった韓国のエンタテインメントを、各専門のエキスパートと共にひもときます。 全国書店・ECストアにて2025年1月15日発売2,530円(税込)※電子ブック版は2,500円(税込) A5判/カバー・並製/608頁 キネマ旬報社刊 予約購入はこちらまで⇒KINEJUN ONLINE -
ルイス・クー、サモ・ハン、アーロン・クォック、リッチー・レンらの豪華共演により、名手ソイ・チェン監督(「軍鶏 Shamo」「モーターウェイ」「ドラゴン×マッハ!」)が黒社会〈九龍城砦〉で巻き起こる戦いを描いた「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」が、1月17日(金)より新宿バルト9ほか全国で公開される。アクション監督・谷垣健治が試行錯誤を重ねて創造したバトルシーンのメイキング映像が到着した。 https://www.youtube.com/watch?v=2nnVe2IHguo 九龍城砦を取り締まるロンギュンフォン(ルイス・クー)が、タバコをはね上げてからキャッチするまでの数秒で相手を床に叩きつけるシーンをはじめ、迫力も趣向も豊かなアクションが次々と炸裂。70代のサモ・ハンも大奮闘する。 「ルイス・クーもサモ・ハンも全力を出していた。どんな俳優でも同じ。全力を出したかどうかでアクションが決まる。最高に美しいと思うよ」(谷垣健治) Story 1980年代に香港へ密入国したチャン。黒社会の掟に逆らって組織に追われ、逃げ込んだ先が九龍城砦だった。そこで住民たちと友情を育む一方で、抗争は激化。チャンたちは信念を胸に、命がけの戦いに挑む──。 ©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved. 配給:クロックワークス ▶︎ ルイス・クーら豪華共演×ソイ・チェン監督。黒社会アクション「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」
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ドナルド・トランプ次期米国大統領の若き日にスポットを当て、繊細だった彼が弁護士ロイ・コーンとの出会いから変貌していくさまを描いた「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」が、1月17日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。トランプ役のセバスチャン・スタン、ロイ・コーン役のジェレミー・ストロング、そしてアリ・アッバシ監督が作品を語る映像が到着した。 https://www.youtube.com/watch?v=HSrdImaaEFg セバスチャン・スタンは「単に容姿を似せるより、(トランプ氏の)本質を追求した」「監督が“2ヵ月でどれだけ体重を増やせるか”を聞いてきた。だから僕は何でも食べ、コーラもたくさん飲んだ」と役作りを明かす。そんなスタンをジェレミー・ストロングは「役になりきっていた」、アッバシ監督は「ファンを失う覚悟で自分の信念に従ったんだ」と称賛。さらに3人は、観客へのメッセージを発していく。 “トランプ2.0”(第2次トランプ政権)はまもなく。見逃せない話題作だ。 Story 20代のドナルド・トランプは危機に瀕していた。父の営む不動産企業が政府に訴えられ、破産寸前に追い込まれていたのだ。そんな彼が、政財界の実力者が集まる高級クラブで出会ったのが、悪名高い辣腕弁護士のロイ・コーンだった。 まだ駆け出しでナイーブな“お坊ちゃん”であるトランプをコーンは気に入り、《勝つための3つのルール》を伝授、服装から生き方まで洗練させていく。やがてトランプはいくつもの大事業を成功させ、コーンの予期せぬ“怪物”となるが……。 © 2024 APPRENTICE PRODUCTIONS ONTARIO INC. / PROFILE PRODUCTIONS 2 APS / TAILORED FILMS LTD. All Rights Reserved. 配給:キノフィルムズ ▶︎ トランプ大統領候補の若き日を描く「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」
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放送20周年を迎えたバラエティ番組『逃走中』を、キャストにJO1の川西拓実・木全翔也・金城碧海、FANTASTICSの佐藤大樹・中島颯太・瀬口黎弥を迎えて映画化した「逃走中 THE MOVIE」。1月8日(水)にリリースされたBlu-ray&DVDのSPECIAL EDITIONより、特典となるメイキング映像〈『逃走中 THE MOVIE』MAKING MISSION〉の一部が公開された。 https://www.youtube.com/watch?v=erBlpO6Bla8 撮影地となった東京ドームでの全力疾走、陸上部仲間という役柄にふさわしい絆と笑顔など、JO1とFANTASTICSのメンバーたちの魅力がたっぷり。さらに彼らがカメラを持って仲間にインタビューする様子なども合わせ、メイキングは80分超の映像で楽しませる。 その他、オーディオコメンタリーやコラボMVなど、SPECIAL EDITIONの特典は合計4時間以上。メモリアルフォトブック(42P)も封入されるとあって、ファン必携だ。 Blu-ray&DVDの詳細はこちら Story 高校陸上部時代の仲間かつライバルであり、卒業後は別々の道を歩んでいた大和、瑛次郎、賢、陸、勇吾、譲司。賞金総額1億円オーバーを掲げた〈逃走中 ~MISSION IN TOKYO~〉への招待メールが届き、それぞれの野望や思いを胸に参加することに。 ゲームが始まり6人は久々に再会するが、かつての絆は失われていた。そんな中、ゲームを管理するクロノス社が何者かに乗っ取られ、ハンターが暴走する緊急事態が発生。参加者たちは捕まった途端に影に覆われ、消滅してしまうのだった。 「これはゲームではない。殺人ハンターから逃げろ!」 生き残るのは誰か、求めるのは金か命か、6人の絆は戻るのか──。 © 2024 フジテレビジョン 東映 FNS27社
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手探りで映画をつくる高校生たちの夏を、虚実を横断する独創的な手法で切り取った青春物語「Retake リテイク」が、1月18日(土)より新宿K’s cinemaほか全国で順次公開される。著名人のコメントと場面写真が到着した。 高校3年生の景はある日、遠い存在と思っていた同級生の遊から映画づくりに誘われる。遊が撮りたいのは「絵描きの男の子と落ち着きのない女の子が『時間の流れない世界』を目指して旅をする」という物語。友人のアリサ、海、二郎も集い、撮影が始まる。創作を共にする喜び、ほのかな恋心、過去の行き違いなど、それぞれ思いを抱えた彼らの関係は、映画づくりとともに変わっていく。繰り返す夏の日、辿り着くラストシーンとは──? 映像制作ワークショップの開催を重ねつつ映画を撮ってきた中野晃太が監督を務め、躍進中のバンド〈チョーキューメイ〉のメンバーとしても活躍する麗がヒロインの遊に扮する。 PFFアワード2023でグランプリ、北米最大の日本映画祭であるジャパンカッツで大林賞、第24回ハンブルク日本映画祭で最優秀独立作品審査員賞に輝くなど、世界を魅了してきた注目作だ。 https://www.youtube.com/watch?v=wlIWpGWHCsg&t 〈コメント〉 五十嵐耕平(映画監督) リテイクするごとにだんだんと画面が暗くなる。思わず撮影現場を想像して、「あぁ日が暮れていく…」と胸の内で呟いた。それがこんなに美しいことだったとは。映画内だろうが外だろうが、ただカメラの前にあった現実の、たった一度だけ記録された彼/彼女たちの表情、声、アクション。それはいつまでもスクリーンにある。 たらちねジョン(漫画家) あの時、あの瞬間、あの一言が…。時間が巻き戻せたらどんな素晴らしい今に繋がっていくだろう。誰にも流れていた穏やかで、残酷で、取り返せないあの時間を追体験できる、そんな映画でした。 石井裕也(映画監督) 全部面白かった。画面に入り込んでくる一般の通行人さえ映画の躍動になっている。俳優もみんな楽しそう。自主映画の教科書のような作品。 杉田協士(映画監督) どれだけ心が響き合っても、だからこそ、視線が交わり合うことはない。だからこそ、こうして映画が生まれる。『Retake リテイク』が生まれる。 安藤絋平(早稲田大学名誉教授) 手探りで初めて撮る映画、それはまるで人生そのものなんでしょうね。 それこそが、『時間が流れない世界を目指す旅』なんでしょうね。 何度も失敗して、リテイクして、投げだしそうになって、それでも何とか素晴らしいエンディングを見出そうともがいて、結局、たどり着けないものがラストシーン…人生…。 寺山修司は「君は、ラストシーンを観たか?」と問います。 結局、僕たちは人生において、思い描くラストシーンを観ることは出来ないのでしょうか…。 この映画に出てくる彼らは、何度でもリテイクが出来ます。若さにはその権利があります。現実にも、イメージの中でも…。ところで彼らはどんなラストシーンを観たのでしょうか? 寺山修司は問います。「君は、ラストシーンを観たのか?」と…。 とても爽やかで素敵な青春映画でした。 早川千絵(映画監督) テイクを重ねるということは、同じ時間を繰り返す試みなのだと気づく。 考えてみれば、なんとも奇妙な行為だ。そのなんともおかしな映画作りをモチーフに、この映画は驚くべきやり方で教えてくれる。 時間は止まらないからこそ美しいのだと。 諏訪敦彦(映画監督) 映画を作るとは、それぞれのやり方で自分の人生を救うということである、と言ったのは確かゴダールである。でも、どうやって? ドキュメンタリー映画の欺瞞には耐えられず、しかし単にフィクション映画を作るだけでは何か大切なものを取り逃してしまうというジレンマに引き裂かれながら、中野くんは反復=リテイクを生きるという第三の道を作り出した。自らを救う術を見出したのだ。変化する陽射しと共に何度も繰り返される演技のどれもが、かけがえのない「なんか幸せな」一度限りの瞬間であることが力強く肯定される。私はその覚悟に感動する。ブラボー! 相田冬二(Bleu et Rose/映画批評家) 部屋のなかではあんなに響きわたっていたシャッター音が、カメラを海に向けた途端、潮騒の前で黙りこむ。冒頭の光景を目の当たりにしたわたしたちは、もう体内の波がうねっている。 これは撮影論であり、観客論であり、映画論であり、劇場論であり、広義の体験論である。そして、作品をほんとうに創っているのは誰かという問いである。 シャッター音とは何か。潮騒とは何か。あなたの答えを、映画『Retake リテイク』は湖面の静けさと共にじっと待っている。 新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者) 「リテイク=撮り直し」とは、思い通りにいかない出来事をなかったことにする操作なのか、それともあらゆる状況を引き受けながら前向きに進む行為なのか。自主的な映画作りにつきまとうプリミティブな痛ましさとともに世界は切断され、そのとき映画装置に託されてきた厄介で切実な願いが垣間見える。ゾクっとするこの裂け目をどのように渡ればいいのか、そこから生まれる不確かな現実をどのように選び、つなげればいいのか。登場人物たちだけでなく私たち観客も試されている。 今関あきよし(映画監督) あゝ、元気出た! 全部ダメで、全部サイコーにいい! 映画では普通ノイズとされる、海の音、川の音、蝉の声、風の音、電車の音、蛍光灯ノイズ、エアコンノイズ…心地良い 時の流れは音の流れ 映画は時間、時間は映画 昔「KISS」という高校生の映画作りの物語を紡いだことがある 漫画化はされたけど、いつか映画化もしてみたいと思っていた リリシズムに溢れる 遊『あのさ、話あるっていったじゃん』 景『あ、はい』 映画観てるのか、風に乗って彼らの近くに浮遊して、映画作りを覗いてみている感じ いいように使われる景が愛おしい。遊役の服の変化が、いい 演者でなく、血の通った人間がそこに感じた 陽が落ちると共に景の声のトーンが徐々に低くなっていく、切なさ からの、次へ進む 日暮れ・・・みんなーそろそろ次行くよー!の声が聞こえる あゝ、元気出た! 小林弘利(脚本家、小説家) 夏になると映画を撮りたくなる。その気分はいまも変わらずだなあ、と思いつつ。「また、夏になる」という主題歌の歌詞を聴いておりました。何度も何度も繰り返せる映画の魔法は、繰り返すことのできない人生、という思い込みさえも幻想だと言われた気がしました。 竹中翔子(シネコヤ店主) 学生の頃、中野くんの映画はなんだか不思議な感性だけど、センスがあった。密かに長編を期待していたけれど、待てど暮せど、新作はやって来ない。もう自作は撮らないのかな…と忘れた頃にやってきた本作には、映画を教える側になって、子どもたちと過ごした豊かな時間が凝縮されていた。驚くほどに成熟した巧みさと、初めて映画と出会ったような初々しさを伴って。待望の劇場初公開、ヨッ、待ってました! スズキ トモヤ(シネマジャーナリスト) 「よーい!スタート!」で始まる映画の撮影。高校生活最後の夏に賭ける最後の青春。人生にも青春にも、撮り直しというリテイクは存在しない。すべてが、一発撮りでリハーサルなしの本番だ。瞳というレンズに映る景色は、一瞬の今しか映さない。すべてにおいて、刹那的で恒久的でもある。そして何より、映画は次の君達を待っている。次に映画の扉を開けるのは、若い君たちだ!「はい!カット!」と掛け声も上げても、君達の青春はこの先の未来に続く。 古厩智之(映画監督) 夕方のヒキがいい。ロングショットの少年少女。伸びやかな手足。 主人公の少年がいい。黒くつぶらな瞳で、いつも何かを思っている。だから思う先が気になる。彼が見ているものが気になる。 夕暮れの映画撮影は終わらない。問いと答えが繰り返される。永遠に続くみたいで、気がつくとすでに遠い過去のこと。青春でした。 くれい響(映画評論家) 初期の古厩智之監督作を思い起こさせるかけがえのない青春映画としてみれば、「PFFアワード」グランプリは納得しかない。 映画の魔法を使った成長譚としてみれば、これほど「JAPAN CUTS」大林(宣彦)賞に相応しい作品はない。 中根若恵(映画研究者) 一見、ありふれた青春映画の1コマから始まる本作は、しかし、私たちの予想を鮮やかに裏切り、映画的思考と生きることの哲学が交わる深淵へと観客を誘っていく。ともすれば、理論先行の堅苦しい作品になりがちな映画というメディアに関する自己言及的な実験を、俳優たちのみずみずしい演技によって軽やかに描いた稀有な一作。 森直人(映画評論家) 「映画を作ろう」とはありふれた日常を輝かせる魔法の言葉なのか? 自主映画だからこそ立ち上がる瑞々しさで5人のきらめきを捉えつつ、『Retake リテイク』は青春の甘美と痛みを軸にした時間論を展開する。そのベンチマークは『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』ではないかと思う。 「Retake リテイク」 出演:麗(チョーキューメイ)、武藤優汰、タカノ アレイナ、大原奈子、千葉龍青 監督・脚本・撮影・編集:中野晃太 撮影:柳田修平 録音:飯塚了、土佐香理、庄司華菜、石井優輝 照明:金内直文 音楽:れんぴ(チョーキューメイ) 主題歌:チョーキューメイ「また、夏になる」 配給:ミカタ・エンタテインメント 宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 2023/日本/カラー/110分 ©湘南市民メディアネットワーク