記事
「検索結果」の検索結果
(50件)
-
映倫 次世代への映画推薦委員会推薦作品 — 映画「ダンサー イン Paris」—
2023年9月15日現役バレリーナが、ダンサーの挫折と再生をリアルに体現 愛猫の失踪がもたらす予期せぬ波紋を追う「猫が行方不明」(96)で、日本でも一躍その名を知られたセドリック・クラピッシュ監督は、あるフランス人青年の紆余曲折を「スパニッシュ・アパートメント」(02)に始まる3部作で見守るなど、まわり道をすることの意義や、だからこそ見える情景の愛しさを、撮り続けてきた。夢に迷う女性ダンサーの再出発を描く本作でも、圧巻の冒頭をはじめ大胆な挑戦を随所で試みるも、そんな本質は変わらない。 役者デビューにして主演を務めるのは、実際にもパリ・オペラ座バレエ団で活躍するマリオン・バルボー。バレエ一筋に邁進してきた彼女が、映画という新たな舞台で未知なる俳優業に真摯に取り組む姿は、二度とバレエを踊れないかもしれない不安と闘いつつ、他ジャンルのダンスに活路を見出す主人公像とも重なり、フィクションではあるがリアルな感銘を生む。立ち止まらなければ出逢うこともなかった、さまざまな人とふれ合う中で、大きな一歩を踏み出すダンサーの変貌の軌跡を、心と身体の強い結びつきを印象づける、趣豊かな表現で演じきる。 脚が不自由だが、芸術をこよなく愛するレジデンスの女性オーナー(ミュリエル・ロバン)が、〝特別な〞存在ではない者の心意気をも、凜々しく体現。バレエへ導いた母親を早くに亡くしたエリーズとの、疑似母娘のごとき親密な交友に、〝推し〞のいる日常にときめくファンと、彼らに支えられ輝きを増す演者との理想の関係性も窺え、胸が熱くなる。 息を呑む緊迫感のバレエシーンで幕を開け、観る者の魂まで解放されるコンテンポラリーダンスで締めくくられる。対照的な舞踊の醍醐味を、ひとりの女性の進化を追体験しながら堪能できる、贅沢な逸品だ。 文=服部香穂里 制作=キネマ旬報社 (「キネマ旬報」2023年9月号より転載) https://www.youtube.com/watch?v=TKHm5DsELjk 「ダンサー イン Paris」 【あらすじ】 パリ・オペラ座バレエ団でエトワールを志すエリーズは、公演中に恋人の浮気を知り心乱れて足首を痛め、踊れなくなる可能性を医師に示唆される。失意の中、かつてバレエを諦めた友人に、料理アシスタントの職を紹介されてブルターニュに赴いたエリーズは、注目のコンテンポラリーダンス・カンパニーの練習に飛び入り参加し、新たな夢を模索する。 【STAFF & CAST】 監督:セドリック・クラピッシュ 出演:マリオン・バルボー/ホフェッシュ・シェクター/ドゥニ・ポダリデス/フランソワ・シヴィル 配給:アルバトロス、セテラ フランス=ベルギー/2022年/118分/区分G 9月15日(金)より全国順次公開 ▶公式HPはこちら © 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE - STUDIO CANAL -FRANCE 2 CINEMA -
ゴダール「軽蔑 60周年4Kレストア版」、愛の終焉ドラマが鮮烈に甦る
2023年9月14日アルベルト・モラヴィアの小説を原作に、ジャン=リュック・ゴダールがキャストにブリジット・バルドー、ミシェル・ピッコリ、ジャック・パランス、ジョルジア・モール、さらに巨匠フリッツ・ラングを迎えて “愛の終焉” を描いた「軽蔑」(1963)が、60周年を記念した4Kレストア版で復活。11月3日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 ポスタービジュアルは、「地獄の黙示録 ファイナル・カット版」などのオルタナティブポスターで知られるベルギーのアーティスト、ローラン・デュリューが制作。 220時間に及ぶ作業で、色彩や照明のずれなど時間経過に伴う欠陥が補正され、2023年カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映された4Kレストア版。甦った鮮烈な映像世界を堪能したい。 Story 劇作家のポールは、アメリカから来たプロデューサーのプロコシュより、フリッツ・ラングが監督する大作映画「オデュッセイア」の難解な脚本を修正するよう依頼される。プロコシュはポールの妻カミーユに関心を寄せ、カミーユは愛し合っていたポールに軽蔑の眼差しを向け始める。カミーユを問い詰めるポールだが、核心には迫れない。不穏なムードのままロケ地のカプリ島を訪れた彼らは、決定的な瞬間を迎えることに──。 「軽蔑 60周年4Kレストア版」 監督:ジャン=リュック・ゴダール 原作:アルベルト・モラヴィア 出演:ブリジット・バルドー、ミシェル・ピッコリ、ジャック・パランス、ジョルジア・モール、フリッツ・ラング 1963/フランス/カラー/フランス語、イタリア語、英語、ドイツ語/104分 配給:ファインフィルムズ 映倫:G © 1963 STUDIOCANAL - Compagnia Cinematografica Champion S.P.A. - Tous Droits réservés -
ゴジラ生誕70周年記念作「ゴジラ-1.0」、圧巻の全身ビジュアル&場面写真解禁
2023年9月14日戦争で焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。人々に抗う術はあるのか──。ゴジラ生誕70周年記念作にして日本製作の実写版ゴジラ30作目、さらに令和で最初のゴジラとなる「ゴジラ-1.0」が、“ゴジラの日” である11月3日(金・祝)より全国公開。ゴジラの全身ビジュアルと場面写真が解禁された。 監督・脚本・VFXを担当するのは、自作「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の冒頭にもゴジラを登場させた山崎貴。主演は神木隆之介、ヒロインには浜辺美波。さらに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介が出演する。 ゴジラの全身ビジュアルでは、禍々しい背びれや強靭な尾が明らかに。公開に向けて期待が高まる。 「ゴジラ-1.0」 出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介 監督・脚本・VFX:山崎貴 音楽:佐藤直紀 制作プロダクション: TOHOスタジオ、ROBOT 配給:東宝 ©2023 TOHO CO., LTD. 公式サイト:https://godzilla-movie2023.toho.co.jp -
手塚治虫 × STUDIO4℃。時空を超えた愛と冒険の物語「火の鳥 エデンの花」
2023年9月14日地球を飛び出して1300年。ロミは心優しい少年コムと、宇宙を巡る旅に出る──。手塚治虫の不朽の名作漫画『火の鳥』の〈望郷編〉を、STUDIO4℃がアニメ映画化した「火の鳥 エデンの花」が、11月3日(祝・金)より新宿バルト9ほかで全国公開。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 訳あって地球からロケットで逃亡し、辺境の惑星エデン17に降り立ったロミ(声:宮沢りえ)と恋人のジョージ(声:窪塚洋介)。二人はここを新天地にしようと誓うが、生活は厳しく、ジョージは井戸掘り中の事故で命を落とす。 一人息子のカインおよびAIロボットとの孤独なサバイバル生活を余儀なくされたロミは、カインが大人になるまでコールドスリープに入ることを決意。だが機械が故障し、目覚めたのは1300年後だった。子孫である新人類が繁栄させた都市で、ロミは女王として迎えられるも、地球へ帰りたいという思いは増すばかり。それを知った心優しい少年コム(声:吉田帆乃華)は、一緒に地球へ行こうと誘い、二人は無謀な挑戦と知りながら宇宙へ飛び出していく。 旅の途上では、地球人の宇宙飛行士・牧村や宇宙のよろず屋・ズダーバン(声:イッセー尾形)、そして人智を超えた生命体の数々と出会い……。 メガホンを執るのは「鉄コン筋クリート」で総作画監督・キャラクターデザインを担当し、「ムタフカズ」で初長編監督を務めた西見祥示郎。ボイスキャストには宮沢りえ、窪塚洋介、イッセー尾形、吉田帆乃華、浅沼晋太郎、木村良平らが集結。旅の果てにロミが見出す《故郷》とは──。壮大な愛と冒険の物語に期待したい。 「火の鳥 エデンの花」 声:宮沢りえ、窪塚洋介、イッセー尾形、吉田帆乃華、浅沼晋太郎、木村良平 監督:西見祥示郎 音楽:村松崇継 原作:手塚治虫「火の鳥」(望郷編) キャラクターデザイン・総作画監督:西田達三 脚本:真野勝成、木ノ花咲 美術監督:木村真二 演出・CGI監督:斉藤亜規子 色彩設計:江上柚布子 編集:重村建吾 音響監督:笠松広司 プロデューサー:田中栄子 アニメーション制作:STUDIO4℃ 製作:「火の鳥 エデンの花」製作委員会 配給:ハピネットファントム・スタジオ ©Beyond C. 公式サイト:https://happinet-phantom.com/hinotori-eden/ -
注目ダンサーのメディ・バキがブレイキンを踊る。「ダンサー イン Paris」
2023年9月13日パリ・オペラ座バレエダンサーのマリオン・バルボーを主演に迎え、挫折した女性ダンサーの新たな挑戦を描いたセドリック・クラピッシュ監督作「ダンサー イン Paris」が、9月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほかで全国順次公開。フランスを代表する若手ダンサーのメディ・バキが、パリオリンピックの新種目となったことでも注目のブレイキンを踊るシーンが解禁された。 パリ・オペラ座バレエ団でエトワールを目指し、踊り一筋の日々を送ってきたエリーズ。だが夢の実現を目前にして恋人に裏切られ、心乱れて本番中に足首を負傷、キャリア終焉の危機に立たされる。失意のエリーズが仲間に誘われてやってきたのは、人種も踊りのスタイルもさまざまなオープンスペース。そこに本人役で登場するのがメディ・バキだ。 ドイツの伝説的なバンド、CANの楽曲『Vitamin C』(ボーカルは日本人のダモ鈴木)に合わせてメディが披露するのは、コンテンポラリーとブレイキンが融合したダンス。文化と多様性の国フランスらしい、クレバーでクールなシーンとなっている。エリーズの心に、新たな風が吹く──。 © 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA 配給:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル ▶︎ 恋も仕事も失ったダンサーが新たな世界へ。パリ・オペラ座のマリオン・バルボー主演、セドリック・クラピッシュ監督「ダンサー イン Paris」