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ジョン・カーペンターが生んだ「ハロウィン」(78)に始まり、40年後を描いた正統続編「ハロウィン」(18)、さらに「ハロウィン KILLS」(21)と続いてきた名作ホラーシリーズの最終章「ハロウィン THE END」が、4月14日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイントほかで全国公開中。主人公ローリーを演じるジェイミー・リー・カーティスが、殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズとの対決を振り返る特別映像が到着した。 シリーズ1作目が公開された1978年当時、ローリーとマイケルが世界中でこれほど愛されるとは想像しなかったと言うカーティス。「その人気が『ハロウィン』の核心」だと続け、「ローリーに別れを告げるのは辛い」「40年演じてきた、とても特別なの」と心境を吐露する。 彼女はマイケルについて「ローリーからすれば彼は一人の人間であり、マスクである。終わらせなければいけない存在なの。暴力は副産物として、生き残った人々に精神的な苦悩を背負わせてきた。マイケルは人間なのか、超自然的なものと捉えるか、最終的に皆は理解すると思う。彼は人間であり、人間であることを辞めなければいけないという人間だということを」とコメントしている。 ついに打たれる戦いの終止符。カーティスの集大成を見届けたい。 Story 殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズが再びハドンフィールドを恐怖に陥れた事件から4年が経ち、街は平穏を取り戻しつつあった。マイケルの凶刃から生き延びたローリー・ストロードは、孫娘のアリソンと暮らしながら回顧録を執筆し、40年以上もマイケルに囚われ続けた人生を解放しようとしていた。しかし、暗い過去を持つ青年コーリーが、姿を消していたマイケルと遭遇したのをきっかけに、新たな恐怖の連鎖が始まる。そしてローリーは、マイケルとの決戦を決意するが……。 ©2022 UNIVERSAL STUDIOS 配給:パルコ、ユニバーサル映画 ▶︎ 殺人鬼マイケル、恐怖の最終形態へ!シリーズファイナル「ハロウィン THE END」
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俊英・二ノ宮隆太郎監督の商業デビュー作かつ光石研12年ぶりの映画単独主演作であり、人生のターニングポイントを迎えた中年男が新たな一歩を踏み出すまでを描く「逃げきれた夢」が、第76回カンヌ国際映画祭ACID部門に出品されることが決定。合わせて二ノ宮監督、光石研、選定委員のコメントが到着した。映画の日本公開は6月9日(金)より新宿武蔵野館、シアター・イメージフォーラムほか全国の劇場にて。 ACID部門は、1993年に芸術的な作品を支援するために映画作家たちが創設した〈インディペンデント映画普及協会(ACID)〉が運営・作品選定を行い、毎年、先鋭的な9作品を紹介している。「逃げきれた夢」は約600の応募作から選ばれ、日本映画の同部門出品は昨年の「やまぶき」(山﨑樹一郎監督)に続く2本目となる。 〈コメント〉(敬称略) 二ノ宮隆太郎監督 福岡県北九州市の黒崎の街を、光石研さんと歩かせていただいたのがこの映画の始まりでした。 そこは光石研さんが生まれ育った街で、過ごされた時間への想いが、この映画に詰まっています。 北九州オールロケの作品です。撮影時には地元の皆様に本当に支えていただきました。 尊敬するキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できましたこと、そして素晴らしい環境で上映できることに感謝しかないです。 光石研 カンヌ映画祭、ACID部門正式出品の一報を聞き、本当に嬉しい限りです! この映画は、小さな町の小さな男の話です。 でも、例えばEUの小さな町の小さな男の話でもあるのです。 すなわち、グローバルな話です。 ヨーロッパの人々にも共感して頂けると思います。 カンヌでの上映、観て頂いた方々の反応が楽しみです。 そして、個人的には我が九州弁がカンヌに轟く快感、身震いします。 二ノ宮監督、良かったね!そして、ありがとう! ACID部門 選定委員 非常に深みのある作品。トルストイの「イワン・イリッチの死」の登場人物や設定を現代に置き換えているようで、題材こそ新しくはないが、現代に生きる男が人生の意味に向き合う姿を描いている。それはまさに現実の狭間といえる。社会情勢が異なる19世紀と時は異なるが、すべてが繊細で、非常に一般的かつ重要な問題を表現している。(リナ・ツリモヴァ) 演出、そしてシーンの構築が素晴らしい。儚さを受け入れなければならないが、そこに飛び込むと、逸品が待っている。(ヴィケン・アルメニアン) Story 北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平。ある日、元教え子の南が働く定食屋で、支払いをせず無言で立ち去ってしまう。記憶が薄れていく症状によって、これまでのように生きられなくなってしまったようだ。待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? 妻の彰子との仲は冷え切り、一人娘の由真は父親よりスマホ相手の方が楽しそうだ。旧友の石田との時間も、ちっとも大切にしていない。「これから」のために、「これまで」を見つめ直していく周平だが……。 ©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ 配給:キノフィルムズ ▶︎ 俊英・二ノ宮隆太郎監督の商業デビュー作にして名優・光石研の12年ぶりの映画単独主演作。中年男が人生を見つめ直す「逃げきれた夢」
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恋が何かも知らない、思春期のひと夏。シャルロット・ル・ボン監督「ファルコン・レイク」
2023年4月19日少年と少女のひと夏の揺らめきを描き、第75回カンヌ国際映画祭監督週間に出品、第58回シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ(新人監督賞)を受賞したシャルロット・ル・ボンの長編監督デビュー作「ファルコン・レイク」が、8月25日(金)より渋谷シネクイントほかで全国順次公開。ティザービジュアルが到着した。なお本作は、Filmarksを運営する株式会社つみきが設立した映画レーベル〈SUNDAE〉の第1弾作品となる。 もうすぐ14歳になる少年バスティアン(ジョゼフ・アンジェル)は、母親(モニア・ショクリ)の親友ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、家族4人でケベックの湖畔にあるコテージへ。そして自然に囲まれた日々の中、ルイーズの娘であり、メランコリックで大人びた3つ年上のクロエ(サラ・モンプチ)に惹かれていったバスティアンは、彼女を振り向かせようと幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くが……。 『塩素の味』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞に輝いたバンド・デシネ作家、バスティアン・ヴィヴェスの『年上のひと』(訳:原正人/リイド社刊)を、俳優として「ムード・インディゴ うたかたの日々」「イヴ・サンローラン」「ザ・ウォーク」「フレッシュ」などに出演してきたシャルロット・ル・ボンのメガホンで映画化した本作。 主人公を撮影時14歳の新星ジョゼフ・アンジェル、ヒロインを約400人から選ばれたサラ・モンプチが演じ、グザヴィエ・ドラン作品の常連モニア・ショクリが主人公の母親役で出演する。 「初恋の激しさを繊細かつ感動的に表現した傑作」(Screendaily)、「残酷でありながら、繊細で美しい青春の肖像」(Ioncinema)など海外メディアも称賛。子どもから大人へと変化する人生一度のトワイライトゾーンを、16mmフィルムの親密な映像で捉えた注目作だ。 「ファルコン・レイク」 監督・脚本:シャルロット・ル・ボン 出演:ジョゼフ・アンジェル、サラ・モンプチ、モニア・ショクリ 原作:バスティアン・ヴィヴェス「年上のひと」(リイド社刊) 提供:SUNDAE 配給:パルコ 宣伝:SUNDAE 原題:Falcon Lake/2022年/カナダ、フランス/カラー/1.37:1/5.1ch/100分/PG-12/字幕翻訳:横井和子 © 2022 – CINÉFRANCE STUDIOS / 9438-1043 QUEBEC INC. / ONZECINQ / PRODUCTIONS DU CHTIMI 公式サイト:sundae-films.com/falcon-lake -
モロッコ旧市街に紡ぐ夫婦の愛と決断。マリヤム・トゥザニ監督「青いカフタンの仕立て屋」
2023年4月19日「モロッコ、彼女たちの朝」のマリヤム・トゥザニ監督が、仕立て屋夫婦の愛と決断の物語を描き、2022年カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞、2023年アカデミー賞国際長編映画賞モロッコ代表作に選ばれた「青いカフタンの仕立て屋」が、6月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国公開。場面写真が到着した。 モロッコの海沿いの街、サレ。旧市街の路地裏でミナとハリムの夫婦は、母から娘へと世代を超えて受け継がれるカフタンドレスの仕立て屋を営んでいる。ハリムは伝統を守る仕事を愛しながらも、自身は伝統からはじかれた存在だと苦悩している。そんな夫を誰よりも理解し支えてきたミナは、病に侵されて余命わずか。そこに若い職人のユーセフが現れ、人知れず孤独を抱えていた3人は、青いカフタン作りを通じて絆を深めていく。そしてミナの最期が刻一刻と迫る中、夫婦は“ある決断”をする。彼らが導き出した答えとは──。 「モロッコ、彼女たちの朝」のルブナ・アザバルが、過酷なダイエットを行って死の迫るミナを熱演。ハリム役を「迷子の警察楽隊」のサーレフ・バクリ、ユーセフ役をこれが映画初出演のアイユーブ・ミシウィが務める。 モロッコのセンシティブな問題を背景にした感動ドラマはもちろん、コーランが響く旧市街、新鮮なタンジェリンが並ぶ市場、大衆浴場(ハマム)、男たちがミントティーを楽しむカフェといった風情ある街並みも見どころ。そして、色とりどりの滑らかなシルク地に刺繍していく伝統工芸の美しさは心を奪う。 マリヤム・トゥザニ監督が「愛する人にありのままの自分を受け入れてもらう 。人生においてこれほど美しいことがあるだろうか」と思いを込めて紡いだ一作、注目したい。 「青いカフタンの仕立て屋」 監督・脚本:マリヤム・トゥザニ 出演:ルブナ・アザバル、サーレフ・バクリ、アイユーブ・ミシウィ 2022年/フランス、モロッコ、ベルギー、デンマーク /アラビア語/122分/ビスタ/カラー/5.1ch /英題:THE BLUE CAFTAN/字幕翻訳:原田りえ 提供:WOWOW、ロングライド 配給:ロングライド © Les Films du Nouveau Monde - Ali n’ Productions - Velvet Films – Snowglobe 公式サイト:https://longride.jp/bluecaftan/ -
世界的再評価が進む鬼才ウルリケ・オッティンガーの〈ベルリン三部作〉公開!
2023年4月18日世界的再評価の機運が高まっているドイツの映画作家、ウルリケ・オッティンガーの〈ベルリン三部作〉が、8月より渋谷ユーロスペースほかで全国順次公開。ティザービジュアルが到着した。 ニュー・ジャーマン・シネマの時代から精力的に作品を発表しながら、日本では紹介される機会が少なかったウルリケ・オッティンガー(1942〜)。2020年ベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ(功労賞)を受賞し、2021・2022年にはウィーンやベルリンの映画博物館などヨーロッパを中心に、大規模なレトロスペクティブが開催された。また美術館やギャラリーでは美術作品が展示され、映画作家として、芸術家として、世界的に再評価の機運が高まっている。そうした中、〈ベルリン三部作〉と呼ばれる「アル中女の肖像」(79)「フリーク・オルランド」(81)「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」(84)が日本公開される(「アル中女の肖像」「タブロイド紙が〜」は日本劇場初公開)。 ドイツ在住の作家、多和田葉子はベルリン国際映画祭での功労賞受賞式で「ダンテは『神曲(神聖喜劇)』を、バルザックは『人間喜劇』を書きました。オッティンガーの映画は、「人間と神々の喜劇」と呼べるのではないでしょうか?」と述べた。また映画監督リチャード・リンクレーターは「アル中女の肖像」を最愛の一本に挙げ、「何度も見たい、爽快な映画」と語っている。 ティザービジュアルの写真は「アル中女の肖像」のワンシーン。赤い帽子とコートを纏った主人公を演じているのは、初期オッティンガー作品の併走者であり、80年代西ドイツのファッションや前衛的アートの世界でアイコン的存在だったタベア・ブルーメンシャインだ。彼女は同作で衣装も担当している。キッチュでスタイリッシュな着こなしをはじめ、その佇まいは〈ベルリン三部作〉のユニークかつユーモラスな世界観と現代性を体現しているといっても過言ではない。 その他、〈ベルリン三部作〉のキャストは、マグダレーナ・モンテツマ、イルム・ヘルマン、クルト・ラープ、フォルカー・シュペングラーなど、ヴェルナー・シュレイターやR.W.ファスビンダーといった映画作家と共にニュー・ジャーマン・シネマを支えた面々。 また、「フリーク・オルランド」と「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」には、デルフィーヌ・セイリグが出演する。彼女は近年、フェミニストとしての活動に焦点を当てたドキュメンタリー映画が制作されたり、フランスで評伝が出版されるなど注目を浴びている。 さらに、パンク歌手のニナ・ハーゲン、ゴダールの「アルファビル」(65)に主演したエディ・コンスタンティーヌ、前衛的な芸術運動〈Fluxus〉に参加したウルフ・ヴォステル、戦後ドイツで最も影響力のある芸術家の一人であるマーティン・キッペンバーガー、ドリアン・グレイを演じる伝説的スーパーモデルのヴェルーシュカなど、知る人ぞ知る多彩なキャストも見どころ。 従来の規範を揺るがし、フェミニズム映画やクィア映画の文脈で論じられるなど、その先進性をもって再評価されるオッティンガー作品。分かりやすさをはねつける過激さを持ちながら、観ることの喜びに誘うユーモアと美意識に溢れている。そして、ベルリンの壁に分断された冷戦下の西ドイツの都市を捉えた映像は、歴史的記録としても貴重。知性と感性を刺激する3作を、スクリーンで体験したい。 オッティンガーはエゴイスティックな自然や予測不可能な人間と向き合う人です。彼女のつける演出は控え目で、監督と演者の両者の間には相互に対する大きな信頼と好奇心があります。こうして撮影された膨大な素材は、後に編集室で壮大な作品へと組み上げられるのです。ダンテは『神曲(神聖喜劇)』を、バルザックは『人間喜劇』を書きました。オッティンガーの映画は、「人間と神々の喜劇」と呼べるのではないでしょうか? 多和田葉子(小説家、詩人)ベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ(功労賞)受賞時の祝辞 「アル中女の肖像」国内劇場初公開 Bildnis einer Trinkerin|Ticket of No Return 1979年/西ドイツ/カラー/108分 監督・脚本・撮影・美術・ナレーション:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ペーア・ラーベン 衣装:タベア・ブルーメンシャイン 歌:ニナ・ハーゲン 出演:タベア・ブルーメンシャイン、ルッツェ、マグダレーナ・モンテツマ、ニナ・ハーゲン、クルト・ラープ、フォルカー・シュペングラー、エディ・コンスタンティーヌ、ウルフ・ヴォステル、マーティン・キッペンバーガー Bildnis einer Trinkerin, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger 飲むために生き、飲みながら生きる、酒飲みの人生。西ドイツのアート、ファッションシーンのアイコン的存在であったタベア・ブルーメンシャインの爆発する魅力。R.W.ファスビンダーが「最も美しいドイツ映画」の一本として選出し、リチャード・リンクレイターが最愛の作品とする。 「フリーク・オルランド」 Freak Orlando 1981年/西ドイツ/カラー/127分 監督・脚本・撮影・美術:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ヴェルヘルム・D.ジーベル 衣装:ヨルゲ・ヤラ 出演:マグダレーナ・モンテツマ、デルフィーヌ・セイリグ、ジャッキー・レイナル、アルベルト・ハインス、クラウディオ・パントーヤ、エディ・コンスタンティーヌ、フランカ・マニャーニ Freak Orlando, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』を奇抜に翻案し、神話の時代から現代までが5つのエピソードで描かれる「小さな世界劇場」。ユニークな映像感覚の中に、ドイツロマン主義の伝統とブレヒトやアルトーなどの近現代演劇の文脈が息づく。 「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」国内劇場初公開 Dorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse|Dorian Gray in the Mirror of the Yellow Press 1984年/西ドイツ/カラー/151分 監督・脚本・撮影・美術:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ペーア・ラーベン、パトリシア・ユンガー 出演:ヴェルーシュカ・フォン・レーンドルフ、デルフィーヌ・セイリグ、タベア・ブルーメンシャイン、トーヨー・タナカ、イルム・ヘルマン、マグダレーナ・モンテツマ、バーバラ・ヴァレンティン Dorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse, Photo: Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger 伝説的なスーパーモデル、ヴェルーシュカが主演。デルフィーヌ・セイリグ、タベア・ブルーメンシャインらが特異な存在感を持って脇を固める。オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』や「ドクトル・マブゼ」などのモチーフを含み込み、バロックで、デカダンスで、ダダイスティックな独自の世界観を生み出している。 ウルリケ・オッティンガー Ulrike Ottinger 1942年6月6日、ドイツ南部コンスタンツ生まれ。1962年から1969年の初めまで、パリでアーティストとして活動。コレージュ・ド・フランスでクロード・レヴィ=ストロース、ルイ・アルチュセール、ピエール・ブルデューらの講義を受ける。西ドイツに帰国し、最初の映画作品「Laokoon und Söhne(ラオコーンと息子たち)」(1972-73)を制作。1977年にZDFと共同制作した「Madame X - Eine absolute Herrscherin」は、大きな反響を得た。そして〈ベルリン三部作〉と呼ばれる「アル中女の肖像」(1979)、「フリーク・オルランド」(1981)、「タブロイド紙が映したドリアン・グレイ」(1984)を発表。その後、オッティンガーの関心はアジアに向かい、中国で撮影された長編ドキュメンタリー作品「China. Die Künste - Der Alltag」(1985) 、モンゴルでの「Johanna d’Arc of Mongolia」(1989)や「Taiga」(1991-92)、韓国の都市生活を映し出すドキュメンタリー「Die koreanische Hochzeitstruhe」、そして日本では「北越雪譜」を著した随筆家・鈴木牧之の足跡を辿る「Unter Schnee(雪に埋もれて)」(2011)が新潟県で撮影され、多和田葉子が制作に携わり、出演もしている。その他、「Countdown」(1990)、「Prater」(2007)、12時間に及ぶ大長編ドキュメンタリー「Chamissos Schatten」(2016)を制作。60年代パリでの個人的な記憶と社会的、政治的、文化的な激しい動向を絡めた「Paris Calligrammes」(2019)はベルリン国際映画祭をはじめ世界中の映画祭で上映。2020年にベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ賞(功労賞)を受賞。2021・22年にはウィーンとベルリンの映画博物館や、エカテリンブルク、リスボン、ワルシャワ、グダニスク、パリ、コペンハーゲンなどで大規模なレトロスペクティブやシンポジウムが開催。映画および視覚芸術表現の領域において次代に向けた再評価の機運が高まっている。 配給・宣伝:プンクテ 公式サイト:punkte00.com/ottinger-berlin/ ツイッター:twitter.com/ottingerberlin