「栄光の丘」のストーリー

1947年のパレスチナ分割は、ユダヤ人の国イスラエルを生み、アラブとの対立を激しくした20世紀の大きな歴史的事件であった。そのころ、ジュディス(ソフィア・ローレン)は不法入国の移民としてパレスチナにやってきていた。彼女のただ1つの目的は自分の出世のために、ユダヤ人として、幼ない息子をナチに密告し、ジュディスをも、ウィースバーデンの将校慰安所に送りこんだ、夫グスタフに復讐することだ。ジュディスはパレスチナに着くと、イスラエル建国に情熱を傾けているアーロン(ピーター・フィンチ)が指揮する“グループ地区”に送られた。アーロンもまたグスタフを探していた。シリアにいるといわれるグスタフは、パレスチナから英軍が撤退したら、アラブを助けてユダヤ人を襲う計画を立てていたのだ。ある夜、アーロンたちが、密航してくる移民を迎えに出た間に英軍のロートン少佐(ジャック・ホーキンス)が、突然不法入国の移民を捜しに“グループ地区”に侵入してきた。アーロンたちの革命思想には同調できないながら、今ではアーロンに男としての魅力を感じ始めていたジュディスは、たくみな弁説で、ロートンをケムにまきアーロンたちを助けた。ところがロートンは、この事件以来、すっかりジュディスの魅力のトリコとなり、グスタフを探すことを条件に、ジュディスを、自分の転任先ハイファにアパートをあたえて住まわせた。やがて、ロートンは、ジュディスのために、グスタフの名がのっているファイルを手に入れてきた。ところが、同じく、このファイルを狙っていたアーロンは、秘密結社ハガナを使って、ファイルと共に、再びジュディスを“グループ地区”に連れもどした。このファイルによって、やっとグスタフの居所をつきとめたアーロンとジュディスは、グスタフを追いつめた。そして、復讐心に燃えるジュディスは、グスタフから情報を得ようというアーロンの思惑をふりきってグスタフを射ちたおした。だが、グスタフは命をとりとめ、ジュディスの子供が生き残っていることを告げた。が、その瞬間、シリア人の爆撃が、グスタフの命を奪った。ジュディスには、今やもう1つの生きがいが生まれた。子供を何としても探すのだ。そんなジュディスを、アーロンは激しく抱きしめ、初めて愛の告白をした。が、そんな2人をよそに、戦闘は益々激しさを増していった。