「昼と夜のような黒と白」のストーリー

ローゼンブント家の少年トーマスは、父が来客とチェスに興じているのを見て以来、チェスのことばかり気になっていた。成人したトーマス(ブルーノ・ガンツ)は、プログラマーとなり妻マリーと安定した生活を送っていた。ある日、上司からコンピューターを使ってチェスをやらないかと誘われ承諾する。当の相手コルーガーは、トーマスが操作したコンピューターを相手にたやすく勝った。それ以来トーマスの闘いがはじまった。今度は自分の腕でコルーガーに挑もうというのだ。会社をやめ、チェスの名人に教えを乞い、ひたすらチェスに専念したトーマスは、再戦で遂にコルーガーを下す。新しいチャンピオンになった彼は、しかし、今度は王座を失うことヘの脅迫観念に悩まされはじめた。恩師とも袂を分かち、マリーは彼の許を去っていった。リターン・マッチの当日、時刻になってもトーマスは姿を見せず、やがて、試合のテーブルが突然爆発した。彼の仕業だった。病院に入った彼は、しかし、相変わらず駒を動かしていた。今も、そして永遠にチャンピオンであり続けるために……。