「ふくろうの河」のストーリー

南北戦争のさなか、北部アラバマの鉄橋の上で一人の男が北軍の兵士達によって絞首刑にされようとしていた。両手を後にまわされて縄で縛られている男は、兵士が一方の板の端を退けば河に落ちて死ぬはずであった。男はペイトン・ファーカー(ロジェ・ジャッケ)といい、南部の裕福な農場主だが、北軍の鉄道工事を妨害したかどで死刑にされようとしているのだ。急流を見下した瞬間男は助かりたいと切望した。上官の命が下り、男は急流に落ちた。殆ど意識を失った彼は喉や手首に鋭い痛みを感じて水底に沈んでいった。頭上にかすかな光が輝きはじめるのを見た彼は必死で手首の縄をほどいて川面に顔を出したが、銃口を向けている兵士達の姿を見て再び水にもぐり、川下の安全な場所まで来た。だが敵は大砲を射ってきた。砂の上に投げ出された彼は深い森を歩き続け、日は暮れた。苦痛にもかかわらず歩きながら眠りこんでしまったらしい。目を開いた時、彼は自分の家に居た。愛する妻や子が両腕をひろげて走寄る。その時彼は首の後に気の遠くなるような打撃を感じた。すべては死の直前の出来ごとだったのだ。