「芸人ホテル」のストーリー

ゴードン・ミラーはミュージカル・ショウのプロデューサーである。彼の妹の御てい主グリブルがホテル・クリルトンの支配人なので、ミラーはショウ一座22名と共にこのホテルに住んでいる。グリブルが親類なので、部屋代も現金でないのが幸か不幸か、すでに1500ドルも借となっている。ミラーは友人の素人劇作家グレンラッセルに、その新作を上演してやるといって、準備費1500ドルを出させる。その時ホテルの会計検査に監査役ワグナーがやって来て、ホテル赤字の原因がミラーとその一座の無料宿泊にあることを発見する。グレンも新作上演の気配もないので談判にやって来る。ミラーはやむなく上演のあてもないショーの稽古を始めるが、ワグナーはミラー一座をホテルから追い立てようとする。この絶体絶命のミラーの立場を救う女神が思いがけなく出現した。それは金髪娘アボット嬢である。彼女はミラーのショーで歌いたいというのだ。歌う役をくれれば5万ドルを出すといって、彼女のマネジャー、ジェンキンスは小切手を見せる。この棚ボタに元気づいたミラーは、稽古をやってみると脚本がヘボでどうにもならない。ところがショーの花形クリスチンと作者グレンが歌うのを聞いたアボット嬢は、途端に気に入ってしまう。彼女の気に入ったのはグレン・ラッセルである。ところがこの脚本がモノにならぬこと、しかしグレンがいい声なので出演すればヒットすること、これをミラーはクリスチンに命じてグレンに承諾するよう口説かせる。グレンは幻滅を感じたが、クリスチンに心ひかれるものがあるので、ミラーにすべてを一任する。ミラーはひとまず胸をなでおろしたが、例の5万ドルの小切手が現金にならぬらしいというので、またビックリ。どうなることかと気をもみながらもフタを開けたショーが大ヒットとなって、一切合切何もかもめでたく納まるという大団円。