「八日目」のストーリー
ダウン症の施設にいるジョルジュ(パスカル・デュケンヌ)はもう何年も前から面会日に家族が来ない。彼は大好きなママ(イザベル・サドヤン)に会うため犬を連れて施設を抜け出す。新しい大銀行の社員教育担当重役のアリー(ダニエル・オートゥイユ)は会社では羽振りがいい。だが、妻ジュリー(ミュウ=ミュウ)は、二人の娘を連れて実家に帰ってしまった。アリーは二人の娘が遊びに来る日を忘れて、駅に迎えに行き損ねた。苛立ちながら雨のなかを帰宅途中、車が犬をはねた。犬を連れていたジョルジュを仕方なしに家に連れて帰るアリー。翌朝。ジョルジュはチョコレート・アレルギーの発作を起こして倒れている。アリーはジョルジュの面倒を見る羽目に。ジョルジュの言うママの家を探して旅に出るが、行く先々でトラブル続き。やっとママの家を見つけたが、彼女は亡くなっていた。そこの住人から聞いた住所をたよりにジョルジュの姉を訪ねるが、彼女は夫と家族がいてとても弟は引き取れない。アリーは海辺に妻の実家を訪ねるが、彼女は拒絶し、娘たちも会いたがらない。絶望するアリーを慰めるジョルジュ。アリーは彼を施設に戻すしかなかった。銀行の設立式は娘アリスの誕生日の当日。アリーにはかつての自信はない。そこへジョルジュが、施設の仲間たちとともにベンツのディーラーから“借りた”ミニバスで乗り込む。アリーは彼らと祝賀用の花火を持って会社を飛び出す。海辺の閉鎖された遊園地で遊ぶ彼ら。ジョルジュとアリーはアリスの誕生日のプレゼントに多量の花火で夜空を彩る。そこへ警察が来て、みんなは補導された。ジョルジュとアリーは町のベンチで抱き合って一夜を明かす。朝起きるとジョルジュの姿がない。ジョルジュは街に戻り、アリーの銀行の屋上に登って、買ったチョコレートを頬張ると、宙に身を投げた。しばらく後。街角にたたずむルンペン姿のアリー……緑にあふれる精神病の療養施設。純真な子供に帰った父を訪ねるアリーの娘たちの姿があった。