「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のストーリー
全米各地を旅して巡る売れないロック・シンガー、ヘドウィグ(ジョン・キャメロン・ミッチェル)。共産主義体制下の東ドイツで男の子ハンセルとして生まれたものの、憧れの国アメリカに渡る際、米兵の男性と結婚するため性転換手術を受け、その不手際で「怒りの1インチ」が股間に残ってしまった彼女。渡米した途端その男性にも去られてしまったヘドウィグは、ロック・スターになる夢を思い起こし、韓国軍兵士の妻たちとバンドを結成する。そんなある日、同じくロック・スターを夢見る17歳の少年トミー(マイケル・ピット)に出会う。ヘドウィグは、自分の失われたカタワレだと信じた彼に、熱い愛情を注ぎ込むが、しかしトミーは彼女を捨てたばかりか、彼女のオリジナル曲を盗んで人気ロック・スターになってしまう。失意のヘドウィグは自らのバンドアングリーインチを引き連れ、トミーの全米コンサートを追いつつ場末の店を巡業する。やがてトミーに再会。彼はヘドウィグに向けてオリジナルのラヴソングを歌う。そしてヘドウィグは、ありのままの自分が完全な存在であることに気づくのであった。