「JAZZ爺MEN」のストーリー

埼玉県北部にある町、本庄。人通りのないこの町をなんとか町おこししようと、本庄商工会議所事務局長・川本(酒井敏也)とショッピングモールの支配人・笹川(徳井優)は、即席市民ジャズバンドを結成するプロジェクトを立ち上げる。2人に口説かれ、中学の音楽教師を定年退職した野津手(清水章吾)が、指導に当たることになる。吹奏楽経験者を市民から募集するが、集まったのは、謎めいた美人ピアニスト・瞳(宮下ともみ)以外は、ド素人の高齢者ばかりだった。お調子者の洋菓子店店主の後藤(井上順)はジャズ好きで、この日のためにビンテージ・サックスを買ってしまっていた。和菓子屋の登代子(ふくまつみ)は、リコーダーしか吹いたことがない。キュウリ農家の花山(上田耕一)は、ジャズすら知らない。頑固な製麺店の中野(河原さぶ)は、中学でトランペットがいちばんうまかったと自慢するが……。野津手は匙を投げようとするが、笹川に懇願されて踏みとどまる。しかし彼らの勝手ぶりは加速するばかりで、野津手はついに、指導を降りてしまう。そんななか、後藤の妻・朝子(岡まゆみ)が癌のために、長くて余命半年と宣告される。後藤は妻に自分の演奏を聞かせてやりたいと思うが、クリスマスコンサートまで、あと3ヶ月と迫っていた。