「グース」のストーリー
ニュージーランドに住む14歳の少女エイミー(アンナ・パキン)は、自動車事故で母を失った。彼女は10年ぶりに再会した父親のトーマス(ジェフ・ダニエルズ)に引き取られ、大自然豊かなカナダ・オンタリオ州の農場に移る。だが、父親は奇妙な彫刻を作る芸術家で、趣味はグライダーで空を飛ぶこと。それにスーザン(ダナ・デラニー)という恋人もいて、新しい暮らしになじめないエイミーは、自分の殻に閉じこもってばかり。そんなある日、彼女は森で親を亡くしたグースの卵を見つける。卵が孵った時、16羽のヒナたちは“刷り込み”の習性によって、エイミーを“ママ”だと思い込む。やがて彼らが南に渡る季節が近づいた時、父娘はグースたちに飛ぶことを教え、越冬地まで連れていかなければならないことを知る。トーマスは兄のデイヴィッド(テリー・キニー)やグライダー仲間の青年バリー(ホルター・グラハム)と共にエンジン付きグライダーを開発し、それを使ってグースたちを南に渡らせようと考える。訓練が始まるが、グースたちはエイミーが地上にするかぎり飛立とうとしない。トーマスは軽量飛行機を作り、エイミーに操縦させようとする。これには彼女も大乗り気で、操縦を覚えたエイミーの“ママ・グース号”とトーマスの“パパ・グース号”の間を、成鳥になったグースたちは見事な編隊を組んで飛んでいく。鳥類学者キリアン博士(デイヴィッド・ヘンブレム)の協力で、越冬地はアメリカのノース・カロラライナ州に決まった。出発の前夜、動物管理官のグレン(ジェレミー・ラッチフォード)に捕まったグースたちを取り返すと、いよいよ500 マイルの旅に出発。2機の飛行機は地上を走るスーザンたちのフォローでグースたちを先導。途中、空軍基地に緊急着陸したり、ハンターたちに狙われたりといったアクシデントを乗り切って旅を続けるうち、彼らはマスコミの報道を通じて全米の注目の的になっていく。だが、目的地を目の前にして“パパ・グース号”が故障し、墜落。負傷したトーマスは、残りの行程を独りで飛ぶようエイミーを勇気づける。やがて、エイミーは一羽も欠けることなく無事に送り届けることに成功。今初めてしっかりと抱き合う父娘の傍らで、グースたちが楽しげにはしゃいでいた。