解説
エイズで解顧された男とエイズ恐怖症の男の2人の弁護士が、差別と偏見という見えざる敵に闘いを挑む社会派ヒューマン・ドラマ。監督は「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ。脚本は、同監督の『スイング・シフト』(V)も手がけたロン・ナイスワーナー、撮影は「羊たちの沈黙」のタク・フジモト。音楽も同作のハワード・ショアで、ブルース・スプリングスティーン、ニール・ヤング、マリア・カラスの曲が全編を彩る。主演は「めぐり逢えたら」のトム・ハンクスで本作で第66回アカデミー最優秀主演男優賞を受賞。共演は「ペリカン文書」のデンゼル・ワシントン、「バックマン家の人々」のジェイソン・ロバーズ、メアリー・スティーンバージェン、「ミスター&ミセス・ブリッジ」のジョアン・ウッドワードほか。
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「フィラデルフィア」のストーリー
フィラデルフィアの一流法律会社に務めるアンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)は、ある日突然エイズと宣告され、ウィラー社長(ジェイソン・ロバーズ)に解雇される。不当な差別に怒ったベケットは、損害賠償と地位の保全を求めて訴訟を決意。だが、次々と弁護を断わられた彼は、以前敵同士として渡り合ったやり手の弁護士ジョー・ミラー(デンゼル・ワシントン)を訪ねる。ミラーはエイズに対して、抜きがたい恐怖を感じていた。しかし、世間の冷たい視線に対しても毅然と対処し、熱心に資料を漁るべケットの姿に、ミラーの心は動かされる。ミラーは弁護を引き受け、母のサラ(ジョアン・ウッドワード)をはじめ、ベケットの肉親たちは彼に熱い支援を約束する。解雇から7カ月後、〈自由と兄弟愛の街〉フィラデルフィアで注目の裁判が開廷した。ミラーは解雇が明らかな法律違反だと主張したが、対する会社側の主任弁護士ベリンダ(メアリー・スティーンバージェン)は、彼の弁護士としての不適格性を激しく突く。予断を許さぬ裁断の行方と並行して、ベケットの症状は次第に悪化していく。裁判を優先させて本格的治療を先に延ばそうとする彼に、恋人でライフパートナーのミゲール(アントニオ・バンデラス)は苛立つ。ベケットは恋人のため、自分のためにパーティを開く。遂にベケットは裁判中に倒れ、病院に運ばれた。ミラーは原告側の勝訴の報を、ベッドの上のベケットに告げる。数日後、大勢の人々に見守られながらベケットは静かに息を引き取り、ミラーはかけがいのない友の死を実感した。
「フィラデルフィア」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「フィラデルフィア」のスペック
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