解説
裏切られ復讐の鬼と化した男と、かつてはその部下で彼を尊敬していた男の宿命の対決を描いた西部劇。米のCATV用に製作された作品を劇場公開した。監督はニュージーランド出身で、「ヤングガン2」「フリージャック」のジョフ・マーフィ。ハリウッド入りのきっかけとなったニュージーランド時代の代表作「UTU/復讐」(V)を彷彿させる心理描写とダイナミックなバイオレンス描写を見せている。脚本・第2班監督は「ヒッチャー」の脚本で名声を確立し、「ジャッカー」「ボディ・パーツ」で監督としても才能を発揮しているエリック・レッド。製作は「ザ・ファーム 法律事務所」のジョン・デイヴィス、エグゼクティヴ・プロデューサーはメリル・H・カーフとエリック・レッドの共同。撮影はジャック・コンロイ、音楽はメイソン・ダーリングが担当。主演は「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」「エンゼル・ハート」「ホワイト・サンズ」のミッキー・ローク。共演は「バッド・ガールズ」のダーモット・マルロニー、「ハードロック・ハイジャック」のスティーヴ・ブシェーミ、「羊たちの沈黙」「ボディ・ターゲット」のテッド・レヴィンほかオール男優キャスト。
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「ラスト・アウトロー」のストーリー
1873年、南北戦争後の混乱の中、全米を震撼させた強盗団がいた。完璧な統率力を誇るリーダーは、南軍従軍時代に輝かしい戦歴を誇ったグラフ大佐(ミッキー・ローク)。妻子を北軍に惨殺されて以来、彼の人柄は変わり、今は国中を敵に回し彼の“戦争”は続いている。彼らは次の獲物を求めて、ニューメキシコのとある町にやって来た。だが、そこで大金を奪うことには成功するものの、シャープ保安官率いる自警団の反撃に遭い、ルーミス(ダニエル・クイン)が重傷を負う。追手を振り切るため、足手まといの彼を殺そうと銃口を向けたグラフに、ナンバー2のユースティス(ダーモット・マルロニー)の拳銃が火を吹いた。彼は最近のグラフの冷酷さにかねがね批判的になっていたのだ。新たにリーダーとなったユースティスは仲間を率いてメキシコ逃亡の途につく。しかし、撃たれたグラフは奇跡的に命を取り留めていた。追跡隊を指揮する銀行オーナーのマクリントックはグラフを捕らえると、金を取り戻すことを優先させて彼を先導役に据える。グラフは囚われの身となりながらも、自分を裏切った仲間たちへ復讐する機会をうかがう。一方、ユースティスは追跡をまくために遠回りしてメキシコ入りしようとするが、グラフは彼の考えを読む。やがて追跡隊は強盗団に追いつき、ファイロ(スティーヴ・ブシェーミ)の惨殺を皮切りに銃撃戦となる。その混乱に乗じて邪魔な存在である保安官を亡き者にしたグラフは、隊を完全に自分のペースに巻き込んで追跡を続行させた。グラフの追跡を恐れたウィリス(ジョン・C・マッギンリー)がマクリントックに金を返した。金を取り戻したから町に帰るというマクリントックを、グラフは崖から突き落として金も捨てる。マクリントックの死を強盗団の仕業に見せ掛け、今度は彼らの首にかかった賞金を餌に、隊に追わせるグラフ。ユースティスは意を決してグラフと和解するために彼と会うが、交渉は決裂した。グラフはルーミス、ウィリス、ラヴクラフト(キース・デイヴィッド)、ポッツ(テッド・レヴィン)と、一人また一人と手を変え品を変え血祭りにあげていった。ユースティスは、ついにメキシコ国境はリオ・グランデの川辺で彼と対峙する。追跡隊を仕留め、グラフと1対1で対決の時を迎えるが、ユースティスの弾丸も尽きた。常々、部下には弾丸を数えろと言っていたグラフが勝利を確信して銃を構えたその時、ユースティスの左手の小さな拳銃が彼を撃つ。それは、あの銀行で行員が護身用に持っていたものだった。ユースティスはグラフの死を確かめると静かにその場から立ち去った。
「ラスト・アウトロー」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ラスト・アウトロー」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 西部劇 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1993 |
公開年月日 | 1995年1月28日 |
製作会社 | デイヴィス・エンターテインメント・カンパニー |
配給 | ギャガ・コミュニケーションズ |
レイティング |
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