解説
アルゼンチンからの亡命者たちの祖国への想い、親娘の世代断絶、葛藤などをタンゴを織りまぜて描く。製作はヴィンセント・ディアス・アモ、監督・脚本はフェルナンド・E・ソラナス、撮影はフェリックス・モンティ、音楽はアストル・ピアソラ、編集はセサル・ダンヒオリジョ、ジャック・ゲヤール、振付けはスサーナ・ダンヴィーティ、マルガリータ・バリ、ロベール・トマ、アドルフォ・アンドラーデが担当。出演はマリー・ラフォレ、フィリップ・レオタールほか。
ユーザーレビュー
「タンゴ ガルデルの亡命」のストーリー
マリア(ガブリエラ・トスカノ)は20歳。母親のマリアナ(マリー・ラフォレ)と共に、アルゼンチンからパリに亡命し8年になる。マリアの父は弁護士で政府に誘拐され行方不明となっている。亡命した母やその友人たちの数年前の境遇がマリアによって語られてゆく……。マリアナはアルゼンチンの有名な女優。彼女をとりまくダンサーや作曲家たちが集まって「ガルデルの亡命」という題の演劇を計画中で、連日、討論を交わしている。フランスの演劇関係者たち--ピエール(フィリップ・レオタール)やフロランス(マリナ・ヴラディ)も、マリアナ達への協力を惜しまないが、ラテン・アメリカ的創造方法には当惑していた。デカルト的合理主義の文化をもつフランス人には理解しがたいのだ。この作品はタンゴと悲劇と喜劇をかけ合せた作品(タンゲディア)で、この演劇台本は、ブエノスアイレスにいる内的亡命者ファン・ウノからレストランのナプキンや小さな紙きれの走り書きの形で郵送されてくる。この台本を基にしてパリのファン・ドス(ミゲル・アンヘル・ソラ)が曲をつけるのである。ある日、ファン・ウノからの郵送が途絶えたことから、ピエールとファン・ドスは衝突してしまう。パリに逃げのびてきた亡命者たちにとって、祖国への郷愁は抗いがたい。タンゲディアへの意欲を失せかけていたマリアナは、亡命作家ヘラルド(ラウタロ・ムルア)と共にノルマンジーのサン・マルティン将軍の家に行ってみることにした。フロランスからの要請で、再びタンゲディアを成功させようと決意を新たにするマリアナ。相変わらずウノからの連絡がつかないことに困りはてたマリアナたちは、しかし、そのまま芝居の完成を目ざすことにした。結末がなくても、いいのだ。彼らはそう結論に達したのだ。平和が訪れ、大人たちは帰国する。そして、パリに残ったマリアたちはタンゴを歌い踊り続けるのだった……。
「タンゴ ガルデルの亡命」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「タンゴ ガルデルの亡命」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス アルゼンチン |
製作年 | 1985 |
公開年月日 | 1987年1月24日 |
製作会社 | テルシネ=シネスール |
配給 | ヘラルド・エース |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1987年1月上旬号 | グラビア タンゴ ガルデルの亡命 |
1987年4月上旬号 |
外国映画批評 タンゴ・ガルデルの亡命 外国映画紹介 タンゴ ガルデルの亡命 |