解説
ローマの下町を舞台にわが子を映画スターにしようと奔走する母親の夢と絶望を描く。製作はサルヴォ・ダンジェロ、監督は「ルードウィヒ 神々の黄昏」のルキノ・ヴィスコンティ。チェザーレ・ザヴァッティーニの原作を基にスーゾ・チェッキ・ダミーコ、フランチェスコ・ロージ、ヴィスコンティが脚色。撮影はピエロ・ポルタルーピとポール・ロナルド、音楽はフランコ・マンニーノ、編集はマリオ・セランドレイ、衣裳はピエロ・トージ、助監督はフランチェスコ・ロージとフランコ・ゼフィレッリが各々担当。出演はアンナ・マニャーニ、ワルター・キアーリ、ティーナ・アピチッラなどの他、監督役としてアレッサンドロ・ブラゼッティ監督が特別出演。
ユーザーレビュー
「ベリッシマ」のストーリー
ローマ郊外の名高い撮影所チネチッタでは、ある映画会社が募集した子役少女のコンテストが行なわれている。わが子を未来のスターにと夢見る母親たちが娘を伴ってつめかけ、行列をなして順番を待っていた。マッダレーナ(アンナ・マニャーニ)も、そんな涙ぐましい母親のひとりだ。彼女は、大の映画ファンで、野外上映されているハリウッド映画を見ては、スターたちに憧れ、ぐうたらな亭主との貧しい生活の中で、わずかながらの楽しみを味わっていたのだ。チャンスとばかり、娘マリア(ティーナ・アピチッラ)をスターにするための彼女のあらゆる努力が開始した。女優だったという派手な女性の演技指導を受けたり、衣裳を購入したり、果ては撮影所の下っぱを務めるアルバート(ワルター・キアーリ)をコネにつけようと近づくが、調子にのった彼が彼女を誘惑すると、ぴしっとつき放つマッダレーナ。見事第一次選考を通過したマリアだったが、第二次選考では、カメラを前にして泣きだしてしまう。そのフィルムを見て監督たちスタッフが笑いころげている様子を試写室の裏から見たマッダレーナは、その時はじめて、自分のしてきたことの愚かさを悟った。マリアを連れてチネチッタ撮影所を出たマッダレーナは、人のいない夜の道をとぼとぼと歩き、ベンチに坐って眠りこけるマリアを抱いてしみじみ泣いた。しかし、撮影所では、なんとそのマリアが一位に選ばれ、助手らがその知らせを伝えにマッダレーナの家を訪れていた。そこヘ彼女が帰ってくるが、彼女は契約書にはサインせず、大事な娘を非情な大人たちの手には渡せないときっぱりと言った。そして、疲れきった身体をベッドに横たえた。そんな彼女を夫はあたたかく抱擁するのだった。
「ベリッシマ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ベリッシマ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | イタリア |
製作年 | 1951 |
公開年月日 | 1981年8月1日 |
上映時間 | 109分 |
製作会社 | ベリッシマ・フィルム |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
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