解説
根無し草のようにさすらう女と、文明を嫌って自然の中に生きようとする男の心のふれあいを描く。製作総指輝はラルフ・ボーム、製作はピエール・サン・ブランカ、監督は「コニャックの男」のジャン・ポール・ラプノー、脚本はジャン・ルー・ダバディとエリザベート・ラプノー、台詞はジャン・ルー・ダバディ、撮影はピエール・ロム、音楽はミシェル・ルグラン、美術はマックス・ドゥーイ、編集はマリー・ジョゼフ・ヨヨット、衣装はカトリーヌ・ルテリエがそれぞれ担当。出演はイヴ・モンタン、カトリーヌ・ドヌーヴ、ルイジ・ヴァンヌッキ、トニー・ロバーツ、ダナ・ウィンター、ボボ・ルイス、ルイス・ヘラルド・トバール、ヴァーノン・ドブチェフ、ガブリエル・カタンなど。
ユーザーレビュー
「うず潮(1975)」のストーリー
ネリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)はナイトクラブを渡り歩くさすらいの女。いつのまにか、南米のベネズエラまで流れてきた。生まれ故郷のフランスへ帰りたい--しかし旅費もなかった。そんな時、ネリーは、アクの強い大金持のイタリア男ビットリオ(ルイジ・ヴァンヌッキ)と出会い、彼の情熱と男っぽさに魅かれて結婚することになった。しかし、結婚式を挙げる寸前になってネリーは、気持が変わり、思わず逃げだしてしまった……。さてバッグひとつで文無しのネリーは、アレックス(トニー・ロバーツ)に旅費を頼んでみるが、ダメだとわかると、アレックスの一番大切なロートレックの絵を盗み逃げる。かくて、ネリーは、二人の男に追われる身となる。ネリーはすぐにホテルの部屋まで追いかけてきたビットリオから逃げようと必死になっている時、たまたま隣の部屋にいたひげづらの中年男、マルタン(イヴ・モンタン)を彼らの追っかけごっこゲームに巻き込んでしまう始末。マルタンは、かつて世界一の香水作りの名手で香水会社の社長の地位にありながら、文明社会をきらって孤島で原始的な生活を送っている男。翌朝、マルタンは、ビットリオたちの追跡を逃がれながら、ネリーにパリまでの切符を手に入れてやった……。ところが、マルタンが孤島のわが家に帰ってみると、そこにネリーが待っていたのであった。マルタンにとってこの突然の闖入者は、迷惑きわまりなかった。やがて、ネリーとマルタンのすれ違いの奇妙な二人だけの暮らしが始まり、いつしかマルタンもネリーの純粋な愛を求める心に、魅かれ愛し合うようになる。だが、ある夜、ビットリオたちが乗り込んできて、ネリーは、連れ去られた。一方、マルタンも半殺しにされ、気がついた時には妻のジェシー(ダナ・ウィンター)のもとにいた。ジェシーは、マルタンを会社にひき戻そうとしていた。マルタンには、あと八年間は会社に勤める義務があり、もし拒否すれば刑務所行き。年月は流れ、出所したマルタンはネリーをさがし歩き、彼女がビットリオと結婚して、すぐ別れたことを知る。そして二人が、出会ったホテルのフロントには、ネリーの伝言があった。フランスの片田舎の小さな庭で、いきいきとした表情のネリーが、マルタンの帰りを、待っていたのである……。
「うず潮(1975)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「うず潮(1975)」のスペック
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1976年10月下旬号 |
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