解説
イタリアのイザ・マーリ女史の自己の体験をもとにした小説『ローマ、マンテラーテ街』の映画化。「激しい季節」のスーゾ・チェッキ・ダミーコが脚色し、「ロミオとジュリエット(1954)」のレナート・カステラーニが監督した。アンナ・マニャーニとジュリエッタ・マシーナの初顔合せ。撮影は「刑事」のレオニダ・バルボーニ、音楽はロマン・ヴラド。出演は前記二女優のほか、新顔ミリアム・ブリュ、レナート・サルヴァトーリら。製作は「甘い生活」のジュゼッペ・アマート。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「街の中の地獄」のストーリー
ローマのマンテラーテ街のなかに、女子刑務所がある。一団の女未決囚たちが送られてきた。無罪を主張するリーナ(ジュリエッタ・マシーナ)や、幼児殺しで補ったビットリア(ミリアム・ブリュ)などがいた。鉄格子のむこうから先輩たち?がそうぞうしい罵声で迎えた。リーナは窃盗と詐欺罪用の雑居房に入れられた。その房の女ボスはエグレ(アンナ・マニャーニ)だった。りこうで気性の強い古参者だ。彼女にはリーナのおどおどした態度が気にくわず、しっかりしろと励した。リーナは話した。彼女は地方出の女中だった。あるとき一人の老人と知りあった。彼女には素晴しい男だった。その老人が紹介してくれたアドーネという男は、もっと素晴しかった。たちまち夢中になった。ある日、男がいった。あんたの家ばかりであっていないで、たまには映画館であおうぜ。そこで二人は映画を見に行った。帰ってきたとき、奉公先の家は空巣にみごとに荒らされていた。リーナが犯人として捕ったのだ……。エグレは老人とアドーネがグルでやったのだと教えた。そしてリーナに忠告した。彼らを密告するのはやめ、分け前を要求したほうがいい。密告者にならずにすむし、第一、儲けられるじゃないか。リーナは彼女から“生きかた”を学んでいった。リーナの無罪は証明され、出獄することができた。--エグレがかわいがっていたのに、窃盗犯の若い純情な娘マリエッタ(クリスティーナ・ガヨーニ)がいた。彼女は格子窓ごしに鏡で、町をゆく機械工のピエロ(レナート・サルヴァトーリ)を眺めるうち、恋していた。出獄したリーナの連絡でピエロと文通を始めた。--ある日、ビットリアが所内の洗濯槽に身を投げようとした。エグレがとめようとし、大騒ぎになった。--リーナがまた舞いもどってきた。ケバケバしく身を飾りたて、勝ち誇った態度だった。彼女は売春婦になっていたのだ。エグレに得意げにいった。あんたの忠告に従ったおかげで、今はうまくやってるわ。が、エグレは喜ぶどころか、リーナを怒鳴りつけたのだ。--マリエッタのほうは、思いがかなった。ピエロが面会にきたのだ。涙がでた。彼女は幸せだった。クリスマスが間近い頃、マリエッタの出獄の日がきた。彼女がピエロと結ばれる日は遠くない。エグレは彼女の前途を心から祝った。
「街の中の地獄」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「街の中の地獄」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | イタリア |
製作年 | 1959 |
公開年月日 | 1960年11月8日 |
製作会社 | リアーマ・フィルム |
配給 | イタリフィルム |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | モノクロ/シネスコ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1960年10月下旬号 |
新作グラビア 街の中の地獄 外国映画紹介 街の中の地獄 |