解説
「土曜の夜と日曜の朝」のアラン・シリトーの同名小説を彼自身が脚色、「蜜の味」のトニー・リチャードソンが製作・監督した反抗青年のドラマ。ウォルター・ラサリーが撮影を、ジョン・アディソンが音楽をそれぞれ担当した。出演は新人のトム・コートネイ、アヴィス・バンネージ、ジェームズ・ボーラム、アレック・マッコーウェン、ジェームズ・カンクロスほか。一九六三年マル・デル・プラタ国際映画祭賞、同年イギリス・アカデミー最優秀新人賞を受賞している。
ユーザーレビュー
「長距離ランナーの孤独」のストーリー
ボースタル感化院へ送り込まれたコーリン(トム・コートネイ)は長距離レースの選手にされた。貧困な町に生れ育って十八年、見すぼらしい家を想い出すにつけ、社会の現実に大きな抵抗を思う。父親は僅かな週給のために汗水流して働き、癌でポックリ死んだ。母親は家計をやりくりしながらも色男と遊んでいた……父親が死んだときの給付金も豪勢に使ってやった。兄弟達もよろこんでいた……ガールフレンドのオードリー(T・ジェーン)と盗んだ車で週末旅行をやったのも楽しかった……ところが相棒のマイク(ジェームズ・ボーラム)とパン屋に押し入り、雨樋につめておいた隠し金が生憎の雨で流れ落ちて……つかまってしまった……。彼に特別目をかけて選手に仕立てた院長(マイケル・レッドグレーヴ)は、逃げ足の速い彼をレースで優勝させて感化院の名声を得ることを望んでいるに違いない。権力と威厳で屈従させる院長への反感は、レースが近づくにつれ、大きくなっていった。さて、レースの日。彼は案の定トップを独走している。院長はしごく得意げだ。ところが、期待を一身に集めた彼はゴール間近で、急にスピードを落し後のパブリック・スクールのライバルに優勝を譲った。これが霜のおりた凍てつく早朝にトレーニングをさせられた彼の淋しい孤独の勝利の小さな復讐であった
「長距離ランナーの孤独」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「長距離ランナーの孤独」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | イギリス |
製作年 | 1962 |
公開年月日 | 1964年6月12日 |
製作会社 | ウッドフォール・フィルム |
配給 | 昭映フィルム |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
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