解説
「勝手にしやがれ」「女は女である」のジャン・リュック・ゴダールの演出した社会風俗ドラマ。マルセル・サコットのドキュメント「売春婦のいる場所」からゴダール自身が脚色したもの。撮影は「ピアニストを撃て」のラウール・クタール、音楽は「エヴァの匂い」「5時から7時までのクレオ」のミシェル・ルグランが担当した。出演者は「5時から7時までのクレオ」「シエラザード」のアンナ・カリーナ、サディ・ルボット、G・シュランベルゲル、アンドレ・ラバルトなど。ミシェル・ルグランの没後1年&生誕88年特別企画として、デジタル・リマスター版 特集上映「ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち Hommage a Michel LEGRAND」にて、2020年2月21日(金)から「女と男のいる舗道 4Kデジタル・リマスター版」を上映。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
音の入れ方〔突然音が消えるのでスピーカーが壊れたと思った)、変わったカメラアングルと移動、脚本があるのかと思ってしまう演出。
脚本もゴダール自身が書いているが、何処まで細かく書いているのだろう。この映画の細かいところまで演出していたとしたら驚きだ。一体、どのくらい計算していたのだろうか。なんか即興的に映像を作っているような気がしてならない。
例えば、ジャン・コクトーの「オルフェの遺言 私に何故と問い給うな」なんかはコクトーの映像詩であり、その美しさに圧倒された。しかし、この映画は、映像美の世界と言うよりは、即興によりこんな映画の撮り方もあるんだぞ、といっているよう。
で、その即興性が上手くいっているかと言えば、そんなに上手くない、と思う。即興で作りながら全体として統合されているかと言えば、あんまり成功しているとはいえない。
映画評でゾラの「ナナ」を引き合いに出しているが、読んでいない人はそんなこと言われてもなあ、と。じゃあ、ルノワールの「女優ナナ」は?となってしまう。
それにしてもフランスの娼婦って、やっぱり登録制だったんだ。「夜よ、さようなら」を観てわからないことが、この映画で少し理解した。 -
EIGA FAN
「女と男のいる舗道」のストーリー
パリのあるカフェ。ナナ(アンナ・カリーナ)は別れた夫と疲れきった人生を語りあっている。現在の報告をしあって別れる。夢も希望もない。ナナはそんなある日、舗道で男に誘われ、体を与えてその代償を得た。そして彼女は古い女友達イヴェット(G・シュランベルゲル)に会う。彼女は街の女達に客を紹介してはピンはねする商売の女だ。ナナは完全な売春婦になった。ラウール(サディ・ルボット)というヒモも出来た。ナナは見知らぬ男と寝て、彼等から金をもらう。無意識に、無感情に--その金はラウールの手に渡っていた。ある居酒屋でダンスをしていたナナの眼に、玉突きをしている一人の青年の姿がうつった。彼女のもの憂げな眼がかすかに動いた。ナナの心に、女の感情が小さく灯った。ナナは青年を愛し始める。ラウールとは別れよう……だが、彼はナナの心の動きをみるや、彼女を他の売春業者へ売りとばしてしまった。しかし、その取引きの現場で間違いが起った。相手の出した金は約束の金額には不足していたのだ。ラウールはナナを連れて帰ろうとしたが、相手のヤクザが射った拳銃の弾丸はナナの胸にあたった。ラウールはそのまま逃走した。射ったヤクザ達の車もギアを入れた。……その冷たい舗道にナナは「生きたい!」と叫んで死んだ。
「女と男のいる舗道」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「女と男のいる舗道」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 1962 |
公開年月日 | 1963年11月19日 |
製作会社 | プレイアード・フィルム |
配給 | ヘラルド |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | モノクロ/ビスタ |
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