解説
ある殺人事件を通してポーランドの現代社会の歪みを、鋭く厳しく描く。製作はリシャルト・フトコフスキ、監督・脚本は本作が日本での一般公開第一作になるクシシュトフ・キェシロフスキ、共同脚本はクシシュトフ・ピェシェヴィチ、撮影はスワヴォミール・イジャック、音楽はズビグニエフ・プレイスネルが担当。出演はミロスワフ・バカ、クシシュトフ・グロビシュが担当。88年カンヌ映画祭審査員賞、批評家協会賞受賞。
ユーザーレビュー
「殺人に関する短いフィルム」のストーリー
87年、冬のワルシャワ。貧しい身なりの青年ヤチェック(ミロスワフ・バカ)は、目的もなく町をさまよい、行き過ぎた悪戯を繰り返していた。その頃、弁護士になるための最後の面接試験に合格した若い司法修習生のピョートル(クシシュトフ・グロビシュ)は、その知らせを妻に伝えるために、旧市街近くの喫茶店に向かっていた。その喫茶店でヤチェックは、バックの中から一本の紐を取り出し、その長さを確かめると店を出て、タクシーを拾い、町外れの川堤まで車を走らせる。停車させたところで彼はその紐で、タクシー運転手(ヤン・テサシ)の首を後ろから締め、抵抗する彼の手を棒でたたきつぶし、車から引きずり出すと、血だらけの男の顔に毛布をかぶせ、大きな石を振りあげ、何度もその頭に振り降ろすのだった……。この事件を担当することになったピョートルにとって、これは初めての仕事であった。が、彼の死刑廃止の熱弁空しく、ヤチェックは極刑を言い渡される。死刑執行の日、ヤチェックはピョートルとの面会を望み、かつて自分の過失で妹が死んだこと、そのことが原因で、望まぬ部会生活を強いられたことを語る。そして彼は、多くの刑吏に囲まれ刑の執行を受け、21歳の短い一生を終えるのだった。
「殺人に関する短いフィルム」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「殺人に関する短いフィルム」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 社会派 サスペンス・ミステリー |
製作国 | ポーランド |
製作年 | 1987 |
公開年月日 | 1989年7月22日 |
製作会社 | 映画製作集団「トール」 |
配給 | ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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