解説
デンマークで「あるじ」を作ったカール・テオドール・ドレイエル氏がフランスで製作した映画で、知名の文学者ジョゼフ・デルティル氏の協力を得てドレイエル氏自らシナリオを執筆、そして監督したものである。主役ジャンヌを演ずるのは舞台の名女優ルネ・ファルコネッティ嬢であるが、それを助けてコメディ・フランセーズ座のE・シルヴィエン氏がコォションに扮して出演するほか、「征服されし人々」「ヴェルダン 歴史の幻想」のモーリス・シュッツ氏、「ヴェルダン 歴史の幻想」のアントナン・アルトー氏、等が出演している。キャメラはルドルフ・マテ氏が主となってそれに当たった。よって本映画は欧米、特に欧州諸国に於いては希有の芸術映画として絶賛を博したものである。日本初公開版は火事によりオリジナルネガが消失したためドレイエル自身が再編集したバージョン。オリジナル版は長らく幻のフィルムとなっていたが、1984年にポジフィルムが発見された。1929年度キネマ旬報ベスト・テン第7位。(無声)2003年10月11日より、東京・有楽町朝日ホール、京橋・フィルムセンター、渋谷・ユーロスペースにて開催された「聖なる映画作家、カール・ドライヤー」にて上映。2023年12月23日より、シアター・イメージフォーラムほか全国で開催の「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」にて劇場上映。(配給:ザジフィルムズ)
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【DVD】裁かるるジャンヌ クリティカル・エディション
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「裁かるゝジャンヌ」のストーリー
映画は、既にオルレアンの乙女ジャンヌがフランス国内に侵入して来た英軍を追い返すが、自らは英軍の手に陥ちてルーアンに捕虜となっている所から始まる。ルーアン城を治める英軍の総督ウォーウィックは、かえってジャンヌのために被った傷手を恨みに思いその復仇の念に燃えていた。ウォーウィックはジャンヌによってビショップの地位を追われた事からジャンヌに敵意を抱いているコオション司教を味方にひき入れた。コオション等はジャンヌを寺院の一室に呼び出して脅しつすかしつ彼女に難問を持ちかけ彼女から彼女を罪に落とすのに都合のいい言葉を引きだそうとした。が、この男装の、髪を短く刈った、そして足を鎖で繋がれた娘は、一重に神にたより、神に敬虔な言葉を以て答えた。そしてコオション等の企みは先ず一頓座した。が、次で彼らはジャンヌを悪魔の子として拷問にかけた。可弱なジャンヌは打続く面責のためにその場に失神した。ジャンヌは重い病にとりつかれた。が、このままジャンヌに自然の死を与えるのがウォークウィックの意志ではなかった。彼は医師を招いて彼女に手当を施した。次いでサン・ルーアンの基地に引き出された時、ジャンヌは命を全うしたい心から誓絶の署名をした。彼女の命は先ず助かった。今後、彼女は獄舎でパンと水とだけで生きて行く事となった。そして髪は切り取られた。が、この時ジャンヌは自分が卑怯な行いをした事を悔いた。そして誓絶を取り消した。斯くしていよいよジャンヌに最後が来た。ジャンヌは広場で焼かれる事に決まった。人々はそれを見に集まった。ジャンヌはマッシュウのせめてもの心づくしにと彼女の前にさし出した十字架を見つめながら焼かれて行った。群衆の間に大きな感動があった。人々はウォーウィックの兵士達と争った。が、兵士達は人々を追い返した。ジャンヌを焼いた薪の上には高く煙の柱がたちのぼっていた。
「裁かるゝジャンヌ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「裁かるゝジャンヌ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 歴史劇 |
製作国 | フランス |
製作年 | 1928 |
公開年月日 | 1929年10月25日 |
上映時間 | 110分 |
製作会社 | ソシエテ・ジェネラル・ド・フィルム |
配給 | ヤマニ洋行 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | 1:1.33 |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダ-ド |
音量 | 無声 |
コピーライト | (C) 1928 Gaumont |