解説
第二次大戦後、戦場から復員して日常生活に戻った人々を主題にした、エピソード集映画。全篇四つの挿話から成り、各々異った監督が全く性質のちがう物語を展開する。解説 《第一話・エンマ伯母》は、脚本が「大いなる幻影」「永遠の争い」のシャルル・スパーク、監督が「火の接吻」のアンドレ・カイヤット、出演者は「みどりの学園」のベルナール・ブリエ、リュシアン・ナット、「密告(1943)」のエレナ・マンソン、ジャーヌ・マルカン、ナーヌ・ジェルモン。 《第二話・ジラール》は「情婦マノン」「密告(1943)」のアンリ・ジョルジュ・クルーゾーが自ら脚本を書いて監督、脚本には「情婦マノン」のジャン・フェリーが協力している。主演は「二つの顔」のルイ・ジューヴェで、「海の牙」のヨー・デストにレオ・ラパラが助演する。 《第三話・ルネ》は「春の凱歌」のノエル・ノエル主演で、脚本はノエル・ノエルとスパークの合作、監督は「春の凱歌」のジャン・ドレヴィルである。 《第四話・ルイ》は脚本シャルル・スパーク、監督ジャン・ドレヴィル、主演はセルジュ・レジアニ(火の接物)とアンヌ・カンピオン。
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「人生への回帰」のストーリー
〔第一話・エンマ伯母〕戦中故国をはなれて収容されていたエンマ伯母は重病を得て帰国した。留守中へ親類一同は彼女が死んだことと思って財産を処分してしまっていたので大いに驚いたが、ガストン伯父(B・ブリエ)が一同を代表して、財産分配を承諾させることになった。瀕死の病床につめかけた人々は、やせおとろえた彼女を抱き起してサインをとると、意気揚々引きあげて行く。 〔第二話・ジラール〕捕虜収容所から脱走をくわだてて負傷したジラール(L・ジュヴェ)は、戦後昔のアパートに帰って来たが、周囲になじめなかった。或夜、一人のドイツ人(J・デスト)が警官に追われて深手を負い、彼の部屋に逃こんで来た。ジラールははじめ彼を警官の目からかくしてやったが、彼が占領下のフランス人を苦しめた張本人であることを知ると、アパートの医者を警官のもとへ走らせた。その留守、ジラールは苦しむドイツ人にモルヒネの致死量を注射、かけつけた警官は、死体の傍らに立ちつくすジラールをみた。 〔第三話・ルネ〕ルネ(ノエル・ノエル)は捕虜一万五千号として、帰国早々大歓迎をうけた。しかし出征中妻君は男と逃げてしまい、昔のアパアトは三人の子持の未亡人に占領されていた。ルネは八方住宅を探しまわったがうまく行かず、ついに未亡人と結婚して住宅と家庭とをもてばいいという結論に達した。 〔第四話・ルイ〕ドイツ捕虜収容所にいた時ルイ(S・レジャニ)はドイツ娘のエルザと結婚した。連立って田舎の家に復員すると、ドイツ人を嫌う村人の目は予想以上に冷たく、エルザは思いあまって池に身を投げた。驚いた村人は救いにかけつけ、はじめて狭量をさとつた。ルイの家にはかくて幸福が訪れる。
「人生への回帰」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「人生への回帰」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 1949 |
公開年月日 | 1952年11月5日 |
上映時間 | 120分 |
製作会社 | マルソー |
配給 | 新外映 |
カラー/サイズ | モノクロ |
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