解説
仕立て屋の中年男が向かいに住む女性を愛するあまり、殺人事件に巻き込まれ、人生を狂わせてしまう物語。「髪結いの亭主」のパトリス・ルコントが、ジョルジュ・シムノンの原作『イール氏の犯罪』(邦題『仕立て屋の恋』ハヤカワ文庫刊)をもとに監督・脚本を手がけたもので、製作順としては「髪結いの亭主」の前作。製作はフィリップ・カルカソンヌとルネ・クレトマン、共同脚本はパトリック・ドヴォルフ、撮影はドニ・ルノワール、音楽はマイケル・ナイマンがブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」を主題に担当。
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「仕立て屋の恋」のストーリー
薄暗い公園でピオレットという青年が殺された。捜査を担当した刑事(アンドレ・ウィルムス)は、以前強制わいせつ罪で捕まったことのある仕立て屋イール氏(ミシェル・ブラン)の犯行ではと疑う。極端にきれい好きで孤独なイールは近所の人々からは嫌われており、売春宿に通い、ボーリング場で抜群の腕を披露することを習慣としていたが、そんな生活に変化が起きていた。中庭をはさんだ向かいに住む美しいアリス(サンドリーヌ・ボネール)の生活を、夜毎、電気もつけずにただ眺めることで、彼は彼女に恋い焦がれていた。アリスの部屋に時々婚約者のエミール(リュック・テュイリエ)が訪れるのも知っていた。アリスはエミールと結婚したいと願っていたが、彼はいつも返事をごまかしていた。ある夜、自分の部屋を覗き見るイールの存在に気づいたアリスは、最初ショックを受けるが、やがて事件のことを知っているかどうか確かめるためにイールに接近していく。はたしてイールは、エミールがピオレットを殺し、アリスに死体の処理を手伝わせていたのを目撃していた。だがイールはアリスを愛するあまり警察にはだまっていたのだった。初めはエミールを守るためにイールに接近したアリスだったが、徐々に彼の愛に心が揺れていく。それはボクシング観戦の日に絶頂となった。イールはアリスに一緒にスイスに逃げようと持ちかけ、リヨン駅で待つが、アリスは来ず、落胆したイールがアパートに戻ると、そこには殺されたピオレットのコートを彼の部屋に置いたアリスと、通報を受けてやってきた刑事が待っていた。アリスの裏切りに対しても「君を恨んではいない。ただ死ぬほど切ないだけだ」と話すイール。そして隙をついて屋上に逃げるが、足を滑らせて転落してしまう。アリスは全ての感情を押し隠して、その様子をイールの部屋の窓から見続けていた…。だが全ての真相は、イールがアリスと国外脱出するのを前提としてしたためていた刑事への手紙で明らかになった。
「仕立て屋の恋」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「仕立て屋の恋」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 1989 |
公開年月日 | 1992年7月17日 |
上映時間 | 80分 |
製作会社 | UGC |
配給 | デラ・コーポレーション |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | モノラル |
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